その日が来る前に、
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#60 [愛華]
出会いは最悪だった。
いきなりキンパの男に
ゲンコツされるんだもん。
でも、初めてみたときから
あたしは
他の人とは違うなにかを
あなたに感じていたのかも
しれないね。
:10/06/20 22:37
:840SH
:D6pBQqE2
#61 [愛華]
ごんっっ!!
「いったぁ!!なにすんの!?」
「ふざけて言うことじゃねぇ。
何が死ぬだ」
ふざけて…?
違うよ。本当の事だもの。
:10/06/20 22:40
:840SH
:D6pBQqE2
#62 [愛華]
あたしは、すぐ逃げ出した。
なによ…知ったよーな事……
でも……初めてだな、あんな人。
「那佑ちゃん……」
「純さん……何??」
純さんとは看護師さん。
純菜とゆーので、あたしは
そう呼んでる。
:10/06/20 22:44
:840SH
:D6pBQqE2
#63 [愛華]
ベッドにねっころがりながら
あたしは純さんと話していた。
「…今日も……会わないの?」
「会うも会わないも……
あんな人たち、親でも
なんでもないよ。
面会なんてする必要なし」
「…ん。わかった」
純さんは私の家族の事情を
知ってる。
あたしは売店で買ったアイスを
食べながら外をながめた。
:10/06/20 22:49
:840SH
:D6pBQqE2
#64 [愛華]
桜が咲いていた。
下にはたくさんの花びら。
この桜が咲いて…散るのを
何度も繰り返し見てきた。
なんか色々……しんどいなぁ…
人は生きる事に意味や価値を
見いだせなくなった時、
何を思うんだろう。
:10/06/21 00:14
:840SH
:mstfc2eg
#65 [愛華]
感想板たてました

来てくれたらうれしいです

bbs1.ryne.jp/t.php?b=novel
:10/06/21 01:04
:840SH
:mstfc2eg
#66 [愛華]
その夜遅く。
私はいつものように病室を
ぬけだし、
庭へ出た。
面会用の玄関は、夜は閉まる
のだけれど
その裏にある従業員用の玄関から
簡単にでることができる。
誰にもナイショ。
自分との秘密の時間。
:10/06/21 20:27
:840SH
:mstfc2eg
#67 [愛華]
今日も…気付かれなかったな。
よかった。
上を見上げると桜が咲いていた。
綺麗だ。宝石みたい。
桜も……散ってゆくんだよね
:10/06/21 23:03
:840SH
:mstfc2eg
#68 [愛華]
綺麗だけど……儚い。
ううん、違うね。
儚いから……綺麗なんだ。
私の命はきっと……
こんなに綺麗には散れない。
:10/06/21 23:05
:840SH
:mstfc2eg
#69 [愛華]
誰にも愛されず、ひとりで。
誰の記憶に残ることもなく。
切ない。 淋しい。
:10/06/21 23:07
:840SH
:mstfc2eg
#70 [愛華]
私は泣いた。
死への恐怖からじゃない。
私が消えたあとで
自分の存在がなくなったあとで
自分が何を思われるのか
すごく不安で。
:10/06/21 23:10
:840SH
:mstfc2eg
#71 [愛華]
忘れられちゃう。
存在が消える。
今までなんとも思わなかった
自分の死への道のり。
私はこの日はじめて
自分の死に、そして生に
光を 求めた。
25才まであと8年。
私は記憶に残りたいのです。
:10/06/21 23:14
:840SH
:mstfc2eg
#72 [愛華]
〜隆則side〜
:10/06/23 02:27
:840SH
:JQjK9wkY
#73 [愛華]
あの日から三日。
病院内を意味もなく散歩したり
してるけど、いまだあの子とは
会えないまま。
あれからいろいろ看護師に聞いて
ちょっとだけあの子のことが
わかった。
:10/06/23 19:08
:840SH
:JQjK9wkY
#74 [愛華]
白石那佑(しらいしなゆ)
17才。
9才の頃から入退院を繰り返し
現在は6回目の入院。
心臓の病気(詳しくは教えてくれなかった)
を小四の春に発症。
今のままだと余命は長くて8年。
:10/06/23 19:13
:840SH
:JQjK9wkY
#75 [愛華]
でも、そのことに触れるのは
タブー。
しかし、那佑自身はそのことを
気にしていないようで
しょっちゅう、
「どーせもうすぐ死ぬ」
と口に出すらしい。
:10/06/23 19:16
:840SH
:JQjK9wkY
#76 [愛華]
気にしていない…?
ほんとに?
じゃあ、あの夜の涙は??
あれから夜に那佑を見ることは
ない。
それどころか、あの日以来
一度も姿を見かけていない。
:10/06/23 19:19
:840SH
:JQjK9wkY
#77 [愛華]
今日は会えるかなー……
あの日から。
なぜか那佑のことが
頭から離れない。
深入りするべきじゃない。
それは自分が一番わかってる。
でも、
もう一度あいたいって
思ったんだ。
:10/06/23 19:23
:840SH
:JQjK9wkY
#78 [愛華]
車椅子で病院内をうろついていた。
喉が乾いたので、自販機で
ジュースを買うことにした。
が、届かない。
飲みたいジュースは一番上。
車椅子では届かない。
:10/06/23 19:26
:840SH
:JQjK9wkY
#79 [愛華]
……立つか……
バランスをとりながら立とうと
すると、
ギプスのせいで、よろめいた。
やべっ……
がしっ
:10/06/23 19:28
:840SH
:JQjK9wkY
#80 [愛華]
「あぶな〜てかばかじゃん?
車椅子から立とうとか(笑)」
「!!那……佑 」
支えてくれたのは那佑だった。
「名前…覚えてくれたんだ」
那佑は、にひっと笑った。
:10/06/23 19:31
:840SH
:JQjK9wkY
#81 [愛華]
びっくりした……
数日前に会ったばっかなのに
なんか……久しぶりに感じる。
「この前はゲンコツをどーも」
「あ…どーいたしまして…」
なにを言ってんだ俺は。
上手くしゃべれねぇ……
:10/06/23 21:20
:840SH
:JQjK9wkY
#82 [愛華]
俺たちは庭のベンチで少し話を
することにした。
「…この前…悪かったな」
「…ん?ふざけて言うことじゃねー
とかゆーやつ?
気にしてないよそんなの」
「…そか……」
「…そう言うってことは……
もう知ってるんだね?
……私のこと」
:10/06/23 21:25
:840SH
:JQjK9wkY
#83 [愛華]
ドキっとした。
「なんか噂でね〜
誰かさんが、色々な看護師さんに
あたしのこと聞きまわってるって
あくまで噂ね?あくまで。」
……バレてんのかよ……
てか、コイツ情報網広いな。
それも長い間入院してるから
なのか… かもしんねーな。
:10/06/23 21:29
:840SH
:JQjK9wkY
#84 [愛華]
「……別にいーんだよあたし」
何が……いいんだ?
だって泣いてたじゃねーかよ。
「…終わりが見えてるだけ。
それが、ちょっと人より
はやいってだけ。
……時々しんどいけどね」
「…しんどい?」
:10/06/23 21:33
:840SH
:JQjK9wkY
#85 [愛華]
那佑は悲しそうにわらった。
「終わりが見えてると…
たまに生きるのがしんどくて。
でも、あたし不思議と
怖くないの。死ぬことが」
「…なんで?
フツー怖いだろ?」
:10/06/23 21:37
:840SH
:JQjK9wkY
#86 [愛華]
「…んーなんてゆーか。
慣れちゃったからかな」
「慣れ…?え?なに?」
「……苦しいのとか
悲しいのとか。
そーゆー感情に」
頭をガツンとやられた気がした。
:10/06/23 21:41
:840SH
:JQjK9wkY
#87 [愛華]
俺が出会った彼女は
まだ17才で。
その子は闇につつまれ
今日という日を生きていた。
苦しみや悲しみに慣れて
「恐怖」という感情を忘れて
しまうほどに
真っ暗な道を歩いていた。
:10/06/23 21:45
:840SH
:JQjK9wkY
#88 [愛華]
「…しゃべりすぎちゃったな」
那佑は、白い歯を見せて笑った。
……もう戻れない。
深入りするべきじゃない…?
そんなの知るか。後悔はしてない
この子の闇に触れてしまったから
:10/06/23 21:48
:840SH
:JQjK9wkY
#89 [愛華]
「……楽にすればいーよ」
俺はこの子の…
「…なんかあったら話きくし」
この子が抱えている闇を
…少しでも…減らしたい。
:10/06/23 21:50
:840SH
:JQjK9wkY
#90 [愛華]
「…ありがと。…隆則」
「…隆則かぁ…。
じゃあ、俺も那佑でいい?」
「…いーけど…
隆則って何歳?本名は?」
:10/06/23 21:53
:840SH
:JQjK9wkY
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