その日が来る前に、
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#618 [愛華]
那佑のもとに走る。
「…………ごめんっっ!!
その……ちょっと色々あって。
説明するから、とりあえず……」
「…………血。」
「………え?」
「血、出てる。」
那佑が俺の頭を指差す。
「あ、これは……だから説明する
から、どっか入ろう?」
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#619 [愛華]
「服にも………ついてる」
那佑に言われて、見てみると
上着に血が点々とついていた。
「あ……これは俺じゃないんだ」
「………そうなんだ」
沈黙が流れる。
「………ごめんな?
寒かったよな?……ごめん」
:10/09/04 14:51
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#620 [愛華]
「……………」
那佑は黙ったまま俯いてる。
やっぱり怒ってるのか?
いや、当たり前だろ……
でも、どうすればいい?
謝るだけじゃダメなのか?
「隆則……?」
「あ、え……何?」
「ちょっとこっちむいて?」
「え?あ、うん……」
俺は那佑のほうに向き直った。
次の瞬間。
バシンッッ
:10/09/04 14:58
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#621 [愛華]
………え?
ビンタ?俺、ビンタされた。
「………ばか。ばか隆則」
頬が赤くなりジンジン痛む。
それよりももっともっと
心がジンジン痛くなった。
那佑が泣いていたから。
:10/09/05 01:36
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#622 [愛華]
俺のせいで涙を流す那佑を
何回みてきただろう。
泣き顔なんて見たくないのに。
ほんとに人生うまくいかない。
「那佑………ごめん。ごめんな」
「ばかぁ……どんだけ心配したと
思ってんのー…?ばかばか!!」
ポカポカ俺の頭を殴る那佑。
その目から涙が次々あふれる。
:10/09/05 01:40
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#623 [愛華]
「うん………ごめん」
「クリスマスになぁ!!
ケンカなんかすんなぁ!!」
「うん………ごめん」
「マリア様とイエス様も
いい迷惑だっつの!!」
「うん………ごめん」
「あ……あと長谷さんもか」
「うん………あとで謝るよ」
「…………ばか」
:10/09/05 01:46
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#624 [愛華]
那佑はそう言うと、ぽすっと
俺の胸に頭をくっつけた。
いつのまにか、人はいなくなって
いて、俺と那佑だけになった。
さっきまであんなに人が
いたのに?
という疑問はもはやなかった。
今日はイヴ。
きっと不思議なことが起こるんだ
:10/09/05 01:50
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#625 [愛華]
「隆則。約束覚えてる?」
頭をつけ下を向いたまま
那佑が言う。
「……覚えてるよ」
那佑と心が通じたあの日。
病院で那佑と交わした『約束』。
それは那佑がいなくなる時
ぜったいに泣かないこと。
:10/09/05 02:19
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#626 [愛華]
『私がいなくなっちゃう時は…
絶対泣かないで。その時だけは…
絶対に。』
お前はそう言ったな。
俺はそれがいつになるのかなんて
わからないけれど。
それが
那佑が25になるまえに訪れる
なんて認めるつもりはない。
:10/09/05 02:25
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#627 [愛華]
「約束ね、もう一個」
「……うん?」
「もう一個、ふやしてもいい?」
そう行って那佑は顔をあげた。
潤んでいる瞳は赤かった。
「………なに?」
:10/09/05 12:10
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