その日が来る前に、
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#835 [愛華]
「直純くん、そっちのほう
探してくれる?あたしコッチ」

「んー、うん。ほこりヤベー…」

あたしたちはクローゼット、
ダンボールの中から衣装を
次々に引っ張りだしていく。

あー…ほこりまみれじゃん…
こりゃ一回洗濯しないと……

黙々と作業を進めてゆく。

⏰:10/09/25 16:51 📱:840SH 🆔:5FchwyJA


#836 [愛華]
「……ねぇ白石」

突然、直純くんが私を呼んだ。

「ん?なに?」

「あのさー…彼氏どんなひと?」

「……え?なに突然に!
てか、前もそんなこと
聞かなかったっけ??」

「…そうだっけ。や、別に…」

⏰:10/09/25 17:04 📱:840SH 🆔:5FchwyJA


#837 [愛華]
……どうして直純くんは
こんなに私の彼氏のことを
気にするんだろうか?

………あ!!


「そーだ!!直純くんって
あたしのこと好きなんだった!」

「………えぇ!?」


言ったあとにハッとした。
しまった……これは自分で
言うことじゃなかったんだ…

⏰:10/09/25 17:18 📱:840SH 🆔:5FchwyJA


#838 [愛華]
「あ、うんまぁね。
好きなやつの彼氏だし……
気になるの当然だろ?」

「ふぅん…でも本気じゃない
でしょう?」

「……なんでそう思うの」

なんでって……

「本気であたしのことを、
好きでいてくれてる人を……
ちゃーんと知ってるから」

そうでしょう?隆則。

⏰:10/09/25 17:22 📱:840SH 🆔:5FchwyJA


#839 [愛華]
「……そんなのわかんないよ?
もしかしたら陰で……」

「隆則はそんな器用なことは
できないよ。
絶対……そんなことしない」


わかる。わかるんだよ。
通じ合う言葉なんかなくたって
今なら信じられるんだよ。

直純くんは目を私から反らした。

「……なんで、わかるの?」

⏰:10/09/25 17:44 📱:840SH 🆔:5FchwyJA


#840 [愛華]
直純くんは弱くつぶやいた。

「自分が好かれてるって…
愛されてるって……
どうやったらわかるの?
理解できない自分がおかしい?」

直純くんは急に言い出した。
感情をむきだしにしている。
見つめられたその瞳の奥に
深い闇が見えた気がした。


「……ど……うしたの?」

⏰:10/09/25 17:50 📱:840SH 🆔:5FchwyJA


#841 [愛華]
「………」


沈黙が流れる。
自分でもびっくりするほど
かすれた声しか出なかった。

怖い。怖いよ。
このひとは……愛を知らない?


目をそらせない。
まるで催眠術みたいに
瞳の闇に吸い込まれてゆく。
逃げられない。
闇がすぐそこに迫ってるのに…

⏰:10/09/25 17:54 📱:840SH 🆔:5FchwyJA


#842 [愛華]
「………なんのつもり」

「ち……ダメだったか」


気がついたら、目の前に直純君の
顔があり、あたしは壁に
追い詰められていた。


「あとちょっとでちゅー
できたのになぁ……」

「甘くみないでよね。
てゆーかさっきのセリフなに?」

⏰:10/09/25 17:58 📱:840SH 🆔:5FchwyJA


#843 [愛華]
「あ、それはコレコレ!!」

直純くんの手には
『愛の蜘蛛の巣』と書かれた
劇の台本。演劇部のものだろう。
愛の蜘蛛の巣って……

しかし危ない。直純くんの演技に
つられてしまうところだった。

でも……

理解できない自分がおかしい?


あの言葉は演技じゃない。
なぜかそんな気がしたんだ。

⏰:10/09/25 18:03 📱:840SH 🆔:5FchwyJA


#844 [愛華]
「じゃあ直純くんは?」

「え、なにが?」

「どういう時に……
自分は好かれてるって
愛されてるって感じるの?」

「だからそれセリフ……」

「いいから答えてよ」


自分でもわかんない。
なんでこんなことを聞いたのか
でもこのひとの瞳の奥の闇。
あれは………わたしと似てる。
小さいころの私の目そっくり。

⏰:10/09/25 18:28 📱:840SH 🆔:5FchwyJA


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