レイン
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#30 [◆It9is9ljoQ]
ベッドに入り、不意に思い出す、
手と手が触れ合った感触
キスなんかよりも、sexなんかよりも
私にとっては大事な愛情確認
17になったばかりの私には
身体で感じる温もりなんか要らなかった
:10/09/17 20:39
:SH706i
:DNLPCdoc
#31 [◆It9is9ljoQ]
昔は純粋に、手を繋いだりするだけで
満足だった。相手が欲しいとか
そんなもの微塵も感じない
身体で応えることは出来ても
心がついていかない
:10/09/17 20:40
:SH706i
:DNLPCdoc
#32 [◆It9is9ljoQ]
窓の外から聞こえる、
雨の音にうっすらと目をあけた
曇った空に、雨の日のにおい
穏やかな気持ちになった
チカチカと光る、枕元の携帯電話
着信が2件、メールが1件
どれも朔也から。
:10/09/17 20:57
:SH706i
:DNLPCdoc
#33 [◆It9is9ljoQ]
溢れる程の愛情は受けている
それを信じきれていないだけ
:10/09/17 20:57
:SH706i
:DNLPCdoc
#34 [◆It9is9ljoQ]
甜言蜜語も要らない
もしも私が泣いていたら
彼は真っ先に駆け付ける?
愛の言葉を吐いて安心させて
抱きしめてくれる?
試したくなった
:10/09/17 20:58
:SH706i
:DNLPCdoc
#35 [◆It9is9ljoQ]
所詮綺麗事を並べる
目の前の男に、傷ついてほしかった
:10/09/17 20:58
:SH706i
:DNLPCdoc
#36 [◆It9is9ljoQ]
好きだというなら私に騙されて
好きだというなら心乱されて
好きだというなら、
泣いて縋ってエゴじゃないって
感じさせて
そんな自分に、苦笑が漏れた
:10/09/17 20:59
:SH706i
:DNLPCdoc
#37 [◆It9is9ljoQ]
「やっとかかってきたわ、
おはよーさん」
「んー」
「相変わらず低血圧やなー
ちゃんと寝れたん?」
「んー」
「今日雨やしどっこも
出かけられそうないしDVDでも
見にけーへん?」
:10/09/17 21:21
:SH706i
:DNLPCdoc
#38 [◆It9is9ljoQ]
クスクスと笑う声が受話器越しに
伝わる、急な誘い
従順だった私は、彼を困らせたくなった
:10/09/17 21:21
:SH706i
:DNLPCdoc
#39 [◆It9is9ljoQ]
「今日はやめとくわ」
「‥‥は?本間に言うてるん?
熱出ても会いにきとったお前が。
今度こそ風邪でも引いたん?」
「読みかけの本溜まってるし
またにする、」
「あー‥、さよか
ほなまた明日学校でやな」
残念そうな声を残して電話が切れた。
:10/09/17 21:21
:SH706i
:DNLPCdoc
#40 [◆It9is9ljoQ]
そんな事が、何度も続いた
会う日数を減らした、彼の家に寄るのを
辞めた、学校の行き帰りだけを
過ごすようにした
苦しめて、でも離れていく気配のない
彼に酷く苛立った
:10/09/17 21:22
:SH706i
:DNLPCdoc
#41 [◆It9is9ljoQ]
「話、あんねやけど」
苛立った声を隠したような
彼に呼び止められたのは
彼を傷付け始めて2週間が経った頃。
やはり、何時も通り
放課後の教室でのこと。
やっぱりそろそろ限界?
:10/09/17 21:34
:SH706i
:DNLPCdoc
#42 [◆It9is9ljoQ]
「何?」
「"アイちゃん"俺に最近冷たない?」
「冷たいんは今始まった事やないやん」
"ちゃん"付けで私を呼ぶ彼
緊張を隠せない彼の癖
怯えている彼、こんな性癖が
自分の中にあったのか、なんて
心中自分を嘲笑した
:10/09/17 21:34
:SH706i
:DNLPCdoc
#43 [◆It9is9ljoQ]
「そんなん言うてるんちゃうわ」
苛立った声
苦痛に顔を歪める彼に、
私はふわりと笑みを見せる
:10/09/17 21:35
:SH706i
:DNLPCdoc
#44 [◆It9is9ljoQ]
「何が可笑しいねん」
「なあ、何が可笑しいねんって
言うてんのが聞こえへんのか!」
身体を震わせて笑う私は
やっぱり異常なのかもしれない
その異常さに 溺れるのが、
どうしようもなく快楽で―――‥
:10/09/17 21:35
:SH706i
:DNLPCdoc
#45 [◆It9is9ljoQ]
ガタ―――‥
鈍い音がした。
近くにあった椅子が音を立てて
床にたたき付けられる
:10/09/17 21:41
:SH706i
:DNLPCdoc
#46 [◆It9is9ljoQ]
「何やねん、お前‥最近可笑しいわ
どないしてん、何かされたんか!?」
肩を捕まれ、揺すられて
その彼の瞳はゆらゆらと揺れている
:10/09/17 21:41
:SH706i
:DNLPCdoc
#47 [◆It9is9ljoQ]
悲しそうな目に、やはり浮かぶのは
笑みだけ。
半年も付き合いを続けて、
今程感情が高ぶったことはなかった
:10/09/17 21:42
:SH706i
:DNLPCdoc
#48 [◆It9is9ljoQ]
「‥‥もう、冷めたん?」
「そんなんやないよ」
「じゃあ何やねん!何でそんなんやねん
お前が無愛想なんも今始まったこと
ちゃうんも解ってるわ、」
「うん」
「でも、何時もとちゃう」
:10/09/17 22:30
:SH706i
:DNLPCdoc
#49 [◆It9is9ljoQ]
「うん」
「不安やねん、お前が、アイが
どっかに行ってまいそうで怖いんや。
俺どないしたらええんか解らんわ」
しゃがみ込んで震える彼が
愛しくて。
小さな笑みを浮かべた私は
そっと彼を抱きしめた
:10/09/17 22:30
:SH706i
:DNLPCdoc
#50 [◆It9is9ljoQ]
:10/09/17 22:31
:SH706i
:DNLPCdoc
#51 [◆It9is9ljoQ]
"アイ"
"愛"
重なってる間中、愛しそうに
彼は私の名前を呼んだ
その度薄れてく
さっきまで満タンだった愛の感情が。
崩れてく、抱きしめられてる
間中ずっと、私は冷めた瞳をしていた
:10/09/17 22:35
:SH706i
:DNLPCdoc
#52 [◆It9is9ljoQ]
愛の満たし方を知らないのか。
何度も私の髪を撫でる
何度も私の額にキスする
彼をぼんやりと見つめる
:10/09/17 22:40
:SH706i
:DNLPCdoc
#53 [◆It9is9ljoQ]
重なった後、彼は幸福そうな
顔をする。
それが不思議で仕方ない
気持ちなんてないのに
幸福そうな顔をする彼が、
羨ましくも感じた
:10/09/17 22:40
:SH706i
:DNLPCdoc
#54 [◆It9is9ljoQ]
:10/09/17 22:42
:SH706i
:DNLPCdoc
#55 [◆It9is9ljoQ]
"つまらない" それだけ。
"単純な男" それだけ。
何時も通り無防備に放り出された携帯
それはもう、見てほしいと
言わんばかりに。
:10/09/18 18:46
:SH706i
:uqv1p28Y
#56 [◆It9is9ljoQ]
メールは一件すら残っていない
アドレス帳からも消えている
溜息を一つ零した私、浮かぶのは落胆
感心のない表情(カオ)
:10/09/18 18:46
:SH706i
:uqv1p28Y
#57 [◆It9is9ljoQ]
トキメキが足りない?
刺激が足りない
苛立ち、一人強く舌を噛んだ
:10/09/18 18:46
:SH706i
:uqv1p28Y
#58 [◆It9is9ljoQ]
「好きやで、"アイ"」
へらりと、彼は笑う
頬杖を付き、机を挟んだ私の手前
いつものように額へキスを落とした。
漆黒の腰まで伸びた髪が揺れる。
読んでいた本をぱたりと閉じ
顔をあげた
:10/09/18 18:47
:SH706i
:uqv1p28Y
#59 [◆It9is9ljoQ]
彼は何時からだろうか
私の唇にキスを落とすことが無くなった
額や頬
いや、全然問題はない
:10/09/18 18:47
:SH706i
:uqv1p28Y
#60 [◆It9is9ljoQ]
「なぁー、」
「んー」
:10/09/18 18:48
:SH706i
:uqv1p28Y
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