その日が来る前に、2
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#296 [愛華]
あたりも暗くなってきた。
このままだと帰れなくなる。
人に道を聞いて駅まで………
明日、梓ともう一度来よう。
立ち上がりかけたその時。
「………なにやってんの」
「……………へ?」
後ろを振り向くと、そこには
スーパーの袋を持った直純くんが
立っていた。
:10/11/15 23:20
:840SH
:MWLvGU.k
#297 [愛華]
「……直純くん………」
「え、ちょ、なに泣いてんの」
直純くんはオロオロする。
「み、道……直純くんの。
アパート……マンションになってて。わかんないし………
暗いし……帰ろうと…思っ…」
一気に話したけど、多分言葉に
なってなかったと思う。
直純くんだ。
1週間会えなかった……
直純くんだ。
:10/11/15 23:25
:840SH
:MWLvGU.k
#298 [愛華]
「………意味、わかんない」
直純くんはため息をついた。
でも優しさが見えたため息。
「……俺んとこ、来ようと
してくれてたのか?」
あたしは一生懸命うなずく。
上手く声が出なかったから。
「……直純くん……に……
言いたいことがあって」
「……俺に?」
頑張ってしぼりだした言葉。
直純くんはちゃんと聞きとって
くれた。
:10/11/16 00:58
:840SH
:/kNM1FVE
#299 [愛華]
「………俺は白石になんも
言うことはないよ。隆兄への
復讐は別の形で考える。」
「……………」
直純くんは少しだけ息を吸って
ゆっくり言葉を吐き出す。
「………ひどい男だろう?
あんたの大事な男を傷つけるんだ
こんな男忘れろよ」
……嘘だよ、そんなの。
:10/11/16 17:02
:840SH
:/kNM1FVE
#300 [愛華]
「………じゃ、俺いくから」
直純くんは歩きだした。
諦めちゃだめだ。諦めちゃ……
隆則と直純くん二人を救うために
あたしも頑張らなきゃ。
「………なんでついてくんの」
「話したいから。直純くんと」
「いいの?帰れなくなるかもよ」
ぎくっ………
:10/11/16 20:58
:840SH
:/kNM1FVE
#301 [愛華]
「暗いのやだけど………
道聞きながら帰るもん」
「…そーゆー意味じゃねっつの」
直純くんはあたしの髪をくしゃっ
と撫でてまた歩きだした。
……ついていっていいのかな?
ついたアパートは一本道路を
はさんだ交差点の角にあった。
………確かに……ぼろい。
:10/11/17 00:28
:840SH
:.5HozOI.
#302 [愛華]
「…なにおどろいてんの?
入るの?入んないの?」
「あ、入る。入るよ」
キィー……
ドアのきしむ音。
すごく静かだ。
直純くんは……こんなところで
一人で暮らしているんだ。
「てきとーに座って。コーヒーか
緑茶しかないけどどっち?」
「あ………緑茶で……」
:10/11/17 18:33
:840SH
:.5HozOI.
#303 [愛華]
テレビもないし……静かだな。
勝手についてきちゃったけど…
でも伝えたいことがある。
「………はい」
「あ、ありがとう」
あたたかい緑茶。
直純くんはスーパーの袋から
買ったものを出していく。
インスタントばかりだ。
「いつもこんなの食べてるの?」
「料理、めんどくさいし」
:10/11/17 18:39
:840SH
:.5HozOI.
#304 [愛華]
……似てるな、隆則に。
「………で。話ってなに?」
「あ………うん」
いつのまにか直純くんは自分の分の緑茶を持ってソファに座っていた。……なんか、痩せた。
前の直純くんじゃないみたい。
「……どうして学校こないの」
:10/11/17 18:48
:840SH
:.5HozOI.
#305 [愛華]
「…めんどくさかったから」
「………ちゃんと学校来て。
それがひとつめのお願い」
「ひとつめって……まだあんの」
直純くんは反らしていた目を
あたしに向けた。
あたしのするべきこと。
今ははっきりわかるよ。
「………復讐なんてやめて」
:10/11/17 18:58
:840SH
:.5HozOI.
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