その日が来る前に、2
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#21 [愛華]
′
夕暮れの赤い道を、
母さんと歩いて帰った。
母さんは喧嘩の理由は聞かずに隣のヒロくんがどーだかこーだかとか話していた。
きっと励ましてくれてる。
わかってたから何も言わなかった
ただ黙って聞いていた
:10/10/09 00:08
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#22 [愛華]
「……隆則、アイスたべよっか」
「……べつにいい」
母さんはかばんを俺に預けて
アイスを買ってきてくれた。
誰もいない公園のベンチで
母さんと並んでアイスを食べた
甘くて冷たい。
夕日の光に照らされて
テカテカとアイスが光る。
:10/10/09 00:12
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#23 [愛華]
「………隆則」
ドキッとした。
怒られるのだろうか。
だとしたらなんて?
謝りにいけ、とか?
俺は母さんの言葉を待った。
「強くなったねー。母さん、
達也くんの傷見てびっくりしたよ
隆則より全然ひどいんだもん」
:10/10/09 00:17
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#24 [愛華]
「………うん」
「強いことはいいことだよ。
絶対どこかで誰かの役に立つから
その時までとっておきなさい。
こんなことに使っちゃだめ。」
「……………うん」
「隆則が傷だらけになるのやだな
あんたの取り柄は顔でしょ?」
ひでぇこと言う母親だな。
でも あたたかい。
あんたは大丈夫だよ って
言ってくれてるみたいで
:10/10/09 00:56
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#25 [愛華]
「自分の大切なものはね、
自分だけのものじゃないの。
もったいないでしょう?
だからね、誰かのために使うの」
アイスが夕日の暖かさで
少しずつとけてゆく。
「たまには喧嘩してもいいよ。
だって男の子だもんね。でも、
その強さは……いつか隆則に守るべき人ができた時に使いなさい」
もうアイス、しょっぱくて
食べれないな。
:10/10/09 01:06
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#26 [愛華]
「泣いちゃだめだよ。その涙も
いつかにとっておくの。
そのほうが素敵でしょう?」
俺は鼻水と涙をぬぐった。
カッコ悪い。やだ、こんな自分。
「たくさんの人に会って
たくさんの人と話して……
いつか誰かのために泣きなさい」
母さんはティッシュを俺にくれた
なんで箱ティッシュなんか持ち歩いてんだよ。ばかじゃねぇの…
:10/10/09 01:12
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#27 [愛華]
母さんがくれた言葉
今でも覚えているよ
強さは守りたい人のために
笑顔は幸せにしたい人のために
涙は 愛したい人のために
その全てが重なる時
自分を全部その人に懸けてもいい
そう思えた時
:10/10/09 12:42
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#28 [愛華]
その人はきっとあなたにとって
1番大切な人になるよ。
その時まで
男の子は泣いちゃだめだよ。
中一の夏 友達を失った。
罪による罰を知った。
:10/10/09 12:47
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#29 [愛華]
そしてその日の夜
俺の父さんと母さんは死んだ。
買い物に行った帰り道に
信号無視したワゴンに衝突。
俺と直純が病院に着いた時には
意識不明の重体。
父さんと母さんは傷だらけだった
:10/10/09 12:55
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#30 [愛華]
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「御家族の方はこちらへ……」
「……隆兄、隆兄なんなの?
父さんと母さんは?どこ?」
「……いいから。直純おいで」
俺は直純の手を強く握った。
病室に入るとたくさんの管に
繋がれた二人がいた。
………なんだよこれ。なんだ。
:10/10/09 13:00
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