その日が来る前に、2
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#602 [愛華]
今日の放課後。
誰もいない教室で、梓と俺に
白石から告げられた事実。
白石は、20歳まで生きられない
かもしれないということ。
手術は成功すれば治るけれど、
確率はかなり低いということ。
手術を受けるつもりはない、ということ。
俺も梓も何も言えなかった。
今日まで白石は……この事実に
どれだけ苦しんだんだろうか。
:10/12/21 17:24
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#603 [愛華]
「………あたしも同じだよ……」
梓は消え入りそうな声で言った。
「どうして那佑なんだろね。
那佑じゃなきゃだめだったのかな
他の誰かじゃだめなのかな」
「梓………」
「ひどいこと言ってる?あたし。
でもこんな気持ちになるなら…
自分が病気のほうがよかった」
:10/12/21 17:32
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#604 [愛華]
『あたしは梓とか直純くんよりも
先にいなくなっちゃうかもしれない』
白石は今日そう言った。
『でも、諦めない。絶対に
諦めない。一生懸命、生きる』
強い瞳でそう言った。
『……だから、側にいて下さい
笑ってて下さい。あたしを……
支えてください…』
:10/12/21 17:39
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#605 [愛華]
当たり前だろ、そんなの。
白石が嫌だっつっても……
側にいて支えてやるから。
「……梓。誰がなったってきっと同じだったんだよ」
「うん………」
「俺たちは白石を支えよう。
いつも通り笑えばいいんだ。
」
「うん。うん…………」
俺たちができるのは笑うこと。
白石が不安にならないように
支え続けることなんだ。
:10/12/21 17:44
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#606 [愛華]
「………タカには……」
「隆兄には言うな。やっと
2人の傷が癒えてきたのに、またこのことで掘り返す必要はない」
「……ん。わかった……」
本当は、怖かった。
今2人が再会したら、
もしかしたら………って。
汚いかもしれないけれど。
:10/12/21 17:48
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#607 [愛華]
今はまだ会わせたくない。
白石をとられたくない。
俺だって毎日必死なんだ。
大事なものを守ることに
必死なんだよ。
大丈夫。明日、また笑える。
いつも通りに、笑える。
:10/12/21 17:51
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#608 [愛華]
-那佑side-
:10/12/21 17:51
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#609 [愛華]
「はぁぁぁ!?」
「え?え?ダメ?」
いつもの昼休み。
梓と、直純くんと、あたしと。
「バイトしたいってあんた…
する必要なんかないでしょ?」
「したことないからしたいの!」
梓と直純くんは怪訝そうな顔。
:10/12/21 22:36
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#610 [愛華]
あの事実を話してからも、
2人はいつも通り接してくれる。
それが何より嬉しくて。
「なんか働いてみたいんだよね。
時間がもったいない気がしてさ」
「そんなにバイトしたいの?」
「うん!!」
:10/12/21 22:40
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#611 [愛華]
「………じゃああたしも」
「梓!!一緒にやってくれる?」
「え、じゃ俺も……」
「ううん。直純くんはいい。」
「………なに、この疎外感…」
あ、そういう意味じゃなかったんだけどな。迷惑あんまかけた
くなかった、っていう意味……
だったんだけど。
:10/12/21 22:48
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