天使と悪魔の暇潰し
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#92 [匿名]
みかさん
ありがとうございます!!
めちゃくちゃ嬉しいです!
:10/11/08 22:28 :F06B :☆☆☆
#93 [匿名]
「おい、どうした?」
課長だか、社長だか、偉そうな人が、なかなか資料を持って来ないターゲットに対して苛立ち始めた。
「あ、すみません!いやーあの、ここに置いておいたんですけど」
ターゲットはさらに焦る。
:10/11/08 22:41 :F06B :☆☆☆
#94 [匿名]
「ないのか?」
社長だか…偉い人が、ターゲットの近くまで寄ってきた。
「いや、あ、あの、あるはずなんです!」
「…はず?」
「いや、いや、あるんですけど、ないんです。」
「どういう事だ?本当に仕上げたのか?さっきからボーッとして、仕事をしているようには見えなかったんだがねぇ。」
:10/11/08 22:48 :F06B :☆☆☆
#95 [匿名]
「…すみません。」
探しても探してもない資料。当たり前だ。彼がさっき消してしまったのだから。
「もう一度作り直します!」
ターゲットは椅子に座りパソコンに向かう。
「もういい。期限の守れない者は必要ない。おい!田中ー!こいつの代わりに新しく作ってくれ。」
ターゲットの斜め前に座る田中という男に、その社長だかなんだか偉そうな奴は声をかけた。
:10/11/09 02:25 :F06B :☆☆☆
#96 [匿名]
田中という男は、面倒くさそうな顔を一瞬だけしたが、すぐにキリッとした目付きに変わり、わかりました。と返事をした。
わざとらしくターゲットの前でため息をつく。
「先輩。何で後輩の僕が、先輩の尻拭いをしなきゃいけないんですかねぇ。」
嫌味たっぷりの言葉に、ターゲットは下を向く事しかできなかった。
:10/11/09 02:29 :F06B :☆☆☆
#97 [匿名]
その日ターゲットは定時になると、こそこそと帰った。
自分の居場所がなく、煙たがられる場所に居たくはなかったのだろう。
それに、残業するほどの仕事がなかったのだ。
なぜ、こんなにも僕の人生は上手く行かないのだろう。と思ってるに違いない。
教えてあげたい。
悪魔が取り付いてるからだよ、と。でも安心してほしい。天使も付いてるよ。
:10/11/09 13:42 :F06B :☆☆☆
#98 [匿名]
僕は今日、ターゲットと接触するかわりに、昨日の女性に会いに行こうと考えた。
ターゲットを今救えるのは、僕の言葉ではなく、あの女性の言葉だろう。
その女性の会社の前で待ち伏せする事にした。
スーツを着て、少し歳をとってみた。多分、二十代後半に見えるだろう。
僕が会社の前に着いてから、ほんの5分ほどで、女性は出てきた。
:10/11/09 13:49 :F06B :☆☆☆
#99 [匿名]
すぐに声をかける。
「あの、失礼します!」
なるべく誠実に、なるべく真面目そうに、なるべく優しく声を発した。
「どちら様で?」
顔だけこちらに向け、警戒した声で女性は答えた。
「昨日のレストランで、あなたに逃げていただく為にお手伝いをさせていただいた…覚えてます?その上司でございます。」
お手伝いというか、無理矢理というか。まあ、何でも良い。
:10/11/09 13:57 :F06B :☆☆☆
#100 [匿名]
「あぁ!お世話になりました。どうもありがとうございます。」
言葉は感謝しているが、その表情は暗かった。
「いえ。その件なんですが、ちょっとお話をしなければならない事がありまして。」
はあ、と女性は空気の出るような返事をした。
「ここではちょっとあれなので、場所を移してもよろしいでしょうか?」
「え、えぇ大丈夫です。」
:10/11/09 14:02 :F06B :☆☆☆
#101 [匿名]
僕達は近くのカフェに入る事にした。時間帯がよかったのか、あまりコーヒーが美味しくないのか、他の客はあまりいなかった。
店員に端の席に案内してもらい、コーヒーを2つ頼んだ。
「すみません、突然で。何かお約束などはなかったですか?」
警戒心を解いてもらおうと、良い人柄を演じる。
「いえ、帰るだけでしたから大丈夫です。…で、何かあったんでしょうか?」
女性は早く話が聞きたいみたいで、そわそわしていた。
「えっとですね、まず謝らなければなりません。」
:10/11/09 14:09 :F06B :☆☆☆
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