天使と悪魔の暇潰し
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#175 [匿名]
五日目 最終日
あれから、彼はターゲットの様子を見る事なく、ボーッとしたり、あたふたしたりの繰り返しで、忙しそうに過ごしていた。
僕は下に降りるタイミングを計っていたが、なかなか掴めず、見舞いに来たお母さんが、ターゲットのいる病室に着いてしまった。
今日も目が腫れている。
:10/12/06 15:10 :F06B :☆☆☆
#176 [匿名]
大切な話がある、とお母さんはターゲットをどこかへ連れて行った。
そして結局、下に降りる事なく、四日目が終わってしまった。
そして今日、最終日。
僕は下に行く必要はなかった。もうターゲットの気持ちは固まっているに違いない。
僕が何をしても、きっと何も変わらない。変える必要もない。
彼には何も言わず、二人を上から眺める事にした。
:10/12/06 15:15 :F06B :☆☆☆
#177 [我輩は匿名である]
あげ”(ノ><)ノ
:10/12/09 07:35 :S001 :w3hWK2fI
#178 [もも◆DwVzW5MnkQ]
続ききになります
:10/12/09 13:59 :SH02A :3xmwpjNA
#179 [匿名]
:10/12/10 01:12 :F06B :☆☆☆
#180 [匿名]
「これ。」
彼が手に持っているのは小さなビンで、中に薬のようなものが入っている。それをターゲットに手渡した。
「盗んできた。これ飲めば、楽に死ねる。あとはお前のタイミングで飲め。俺が居たら嫌なら帰る。見届けて欲しいなら此処に居る。」
「…うん。」
ターゲットは、手に持っているビンを見つめながら呟いた。
:10/12/10 01:27 :F06B :☆☆☆
#181 [匿名]
「私さ、絶対に治らないから、早く死にたいって思ったんだ。」
「おう、聞いた。」
「これ以上苦しむのが怖くて…これ以上、私が私じゃなくなるのが怖かった。」
彼は黙ってターゲットの話を聞いている。
:10/12/10 01:32 :F06B :☆☆☆
#182 [匿名]
「これ以上、お母さんに泣いて欲しくない。私のせいで誰かが苦しんでると思ったら、なんか…なんか痛くて。」
ターゲットは苦しそうな顔をしている。
「こんな状態で生きているのが、辛かった。」
今まで溜まっていた物が、言葉と一緒に流れ出た。
辛いに決まっている。
痛いに決まっている。
:10/12/10 01:40 :F06B :☆☆☆
#183 [匿名]
「もし、1%でも助かる可能性があるなら…」
「え?」
黙ってターゲットを見ていた彼が口を開いた。
「1%でも助かる可能性があるなら、それに賭けたいと思うのは、間違った事かな?」
ターゲットは彼を見る。
:10/12/10 01:47 :F06B :☆☆☆
#184 [匿名]
昨日お母さんが言った話は、寿命だとか延命治療だとか、そういう話ではなかった。
治る可能性がある。
外国へ行けば、新たな技術が進歩しており、手術が出来る。
ただ成功する可能性は低い。手術を始めてみなければ何も分からない、というような話だった。
何もせず死を待つか、少しでも可能性があるなら、それに託してみるか。
:10/12/10 01:53 :F06B :☆☆☆
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