天使と悪魔の暇潰し
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#283 [匿名]
ターゲットは暫く方針状態で、僕が声をかけても反応しなかった。一言も話さないまま僕たちの二時間は過ぎてしまい、その場を離れなければならなくなった。
この二時間が過ぎたので、これからどうなろうと僕の勝ちが決まった。
「またおめぇの勝ちかよ。気に食わねぇな!」
彼は僕より先に上に戻っていて、僕が戻るとすぐにこう言った。
:11/02/07 00:35 :F06B :☆☆☆
#284 [匿名]
「でももしかしたら今日中にターゲットは自殺するかもよ。ずっとあの調子だし。」
僕は彼の機嫌を取ろうとした訳ではなく、本当にそう思ったから言った。だけど彼は、僕が気を使ったと思ったらしい。
「もう暇潰しは終わったんだ。これからあいつがどーなろうと、俺の負けが勝ちになるわけじゃねぇんだよ。…次だな!次!」
彼はここ最近成長した。大人になった。僕はそれが少し嬉しくて笑ってしまった。
:11/02/07 00:42 :F06B :☆☆☆
#285 [匿名]
そしてターゲットは、次の日自首をした。
自殺をするか、もしかしたら逃げるかもしれないと考えていたので、正直嬉しかった。最後の母親の言葉が効いたのかもしれない。
僕はいつの間にか笑っていた。隣にいるターゲットの母親が、嬉しそうに泣くからだ。
:11/02/07 00:48 :F06B :☆☆☆
#286 [匿名]
>>283×方針状態
放心状態
誤字ばかりですみません(x_x;)
:11/02/08 02:05 :F06B :☆☆☆
#287 [匿名]
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今日は暇潰し最終日。
今回のターゲットは、妻子ある者を愛してしまった、愚かな女。
男の言う「愛している」という言葉を信じ、奥さんと離婚する事を願っている女。
年齢は二十代前半。相手の男は三十代半ば。
当たり前かもしれないが、男は本気ではなく、ただ若い女と体の関係を持ちたいと思っているだけの、どこにでもいる最低な男だ。
:11/02/08 22:19 :F06B :☆☆☆
#288 [匿名]
ターゲットは昨日、自殺をしようとした。その男に遊ばれていたとやっと気がつき、ショックが大きかったみたいだ。自分の命を捨てる程、あの男に魅力があるとは思えない。
ターゲットはビルの屋上にあがり、飛び降りようとした。だが、良いタイミングで僕が現れた。
「死んだらダメだ。僕は君が死んだら悲しい。」というような事を、一生懸命感情を込めて、ターゲットの目をずっと見つめながら言う。
突然現れた男にそのような事を言われたターゲットは、驚く程簡単に自殺をやめた。
:11/02/11 19:40 :F06B :☆☆☆
#289 [匿名]
「もっと早くあなたに会っていれば…」
とろーんとした目で僕を見つめるターゲットは、泣き真似みたいに涙を流した。
やっぱり人間は、簡単な理由で生き続ける事が出来る。死にたい理由が小さな事のように、生きたい理由も小さな事だ。僕からしてみたら。
彼女がいるから生きる。彼氏の為に生きる。まだ海外旅行に行ってないから、新しい靴を履きたいから。仕事がしたいから、家族が欲しいから。春が好きだから、来月好きな漫画の発売日だから、夢があるから、友達と遊ぶから。
:11/02/11 19:41 :F06B :☆☆☆
#290 [匿名]
だから生きる。
意識なんてしてなくても、人間の回りには生きる理由が沢山ある。ない人間なんて、僕は見た事がない。
今回のターゲットも、頭は悪いけど生きる理由なら死ぬ程ある。そして何故か僕は、命の恩人と言われ、ターゲットの実家に招待されてしまった。
それが今日、最終日。
もうターゲットが自殺をする事はないと断言出来る。その為にも僕は行かなくてはならない。ただ、面倒臭い。
:11/02/11 19:42 :F06B :☆☆☆
#291 [我輩は匿名である]
:11/02/14 01:42 :SH05A3 :☆☆☆
#292 [匿名]
ターゲットと駅で待ち合わせをして、家へと向かう。歩いて10分程の距離だったが、ターゲットがひたすら喋っていたので、とても長く感じた。
お父さんは普通のサラリーマンで、お母さんは専業主婦。という事だけは覚えているが、他は覚えていない。興味がない事や、自分の為にならない事は覚えない事にしている。
「ただいま!」とターゲットが元気よく玄関のドアを開けると、中から両親が出迎えてくれた。
:11/02/20 14:18 :F06B :W7R7DE9.
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