天使と悪魔の暇潰し
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#46 [匿名]
彼の悪戯が効いているみたいだ。

さぁ、1、2、3で目を瞑ればそのまま死ねます!せーのっ!とカウントダウンを始めたら何の迷いもなく目を瞑るだろう。今のターゲットなら。

「死んでも大変ですよ?まず死人の行列に並ばなきゃいけないんです。」

⏰:10/10/26 20:56 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#47 [匿名]
そう。この地球にいる人間を含めた生き物は一日に何万と死んでいる。
死んだ瞬間死人の行列に並び順番を待つ。
神様への列だ。

神様は、何故死んだか、やり残した事はないか、生前の悪事など様々な事を聞かれる。

それまでの行列に大体二年は並ぶことになる。

⏰:10/10/26 21:03 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#48 [匿名]
「行列?」
ターゲットはハハッと笑う。

「そうです。神様までの。それから神様にいろんな事を聞かれるんです。面倒臭いですよ。特に自殺の場合は質問が多くて。」
僕は正直に事実を伝えた。励ますつもりではなく、笑わせようとしたつもりもない。

「君は面白い事を言うんですね!ありがとう。自殺は面倒臭そうだから止めとくよ。」

⏰:10/10/26 21:11 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#49 [匿名]
三日目

とりあえず昨日は良かったんじゃないかな。最後に笑ったターゲットは今まで見たことのない顔をしていた。

彼も自分がターゲットと接触してからはどこかへ行ってしまって、僕とターゲットの接触は全く見ていなかった。

きっとハンバーガーでも食べに行ったのだろう。マイペースな所が彼の長所だ。

⏰:10/10/29 19:52 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#50 [匿名]
ターゲットは昨日と同様、今日も休みのようだった。

ただ違うのは服装だ。ビシッとしたジャケットを着ていている。髪の毛も整えられていて昨日より五歳は若く感じる。

出勤の日も同じようにすれば、回りの態度も変わるのにと思う。

いったい何があるのだろう。仕事よりも気合いの入れる行事があるのだろうか。

⏰:10/10/29 20:02 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#51 [匿名]
僕と彼は上からターゲットを見守る事にした。

電車に乗り一番端に座る。そして立つ。ドアの前に歩いて行く。

そわそわと、キョロキョロ辺りを見回してる姿は実に怪しい。

挙動不審な男に、回りの乗客も嫌な目で見ている。絶対にかかわりたくない、目があってはいけないと、わざと目をそらす女性も沢山いた。

⏰:10/10/29 22:25 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#52 [匿名]
しばらくして電車が停車すると、ターゲットは慌てて降りた。慌てる必要はどこにもないのに。

少し歩き、大きな時計台の前で止まり、深呼吸をしている。

また辺りをキョロキョロし始めたので、誰かと待ち合わせをしているのだと分かった。

⏰:10/10/29 22:30 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#53 [匿名]
大体三十分は経っただろうか。ターゲットは時計を気にしながらキョロキョロと辺りを見回している。

「ちょっと僕行ってくる」

隣で退屈そうに頬ずえをついている彼は、おぅとあくび混じりの返事をした。

たいした作戦があったわけではない。ただ、なんとなく、行こうかなと思ったくらいだ。

⏰:10/10/30 11:50 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#54 [匿名]
ターゲットの後ろに立ち肩をポンポンと叩いた。するとビクッと肩が上がり、次には満面の笑みで振り返った。

「昨日はどうも。僕の事覚えてます?いや〜こんな所で会うなんて奇遇ですね!」

昨日と同じように、笑顔と人当たりの良さを全面に出し、声をかけた。

ターゲットは待ち合わせの相手が来たと思ったに違いない。笑顔から、目を見開きびっくりした顔になると、すぐに表情が曇った。

⏰:10/10/30 11:56 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#55 [匿名]
「やぁ、昨日はどうもありがとう。覚えているよ。あんな事を言う人には出会った事がなかったから、印象深かったよ。」

まあ、人間は神様の事なんて全く知らないから、あんな忠告は出来ないだろう。


「ところで何をしているんです?一人で。」

「あ、いや、ちょっと待ち合わせで。」

何故か顔を赤くし、照れ始めるターゲット。実に気持ちが悪い。

⏰:10/10/30 12:03 📱:F06B 🆔:☆☆☆


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