天使と悪魔の暇潰し
最新 最初 🆕
#81 [匿名]
「思った以上に上手くいったぜ!」

店の外で見張るといった彼は、迷わず上へ戻ってきて、僕の隣で二人の様子を見ていた。

「店の外にいなくていーのか?」
僕が訪ねると

「こっちの方が見やすいしな!外からじっと見てたら怪しいだろ?」
と、答えた。

「あんな不様なふられ方しちゃー死にたくもなるよなぁ?唯一の光だった優しい女に嫌われたんだ!」

⏰:10/11/04 18:18 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#82 [匿名]
そうだなぁ、確かに今生きる人間は死にたくなるのかもしれない。と天使のくせに僕は思った。

ターゲットにとってあの女性は、最後のチャンスだったのだろう。

ターゲットは女性恐怖症になったかもしれない。

最後だと決めた恋が呆気なく終わりを迎え、何もかも終わったと勘違いをしただろう。

⏰:10/11/04 18:23 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#83 [匿名]
恋愛、仕事、学業、趣味、食事、友人。

人間の心は全てを1つの風船に入れてしまう。何かがダメになり、その部分に針が刺さるとパンッと風船は割れて、他の物まで一緒に粉々に萎れてしまう。

一つ一つを違う風船に入れればいいのだ。一つの風船、例えば恋愛の入った風船が割れても、他の友人が入った風船、趣味が入った風船は割れない。

他に頼る風船があるのだ。

⏰:10/11/04 18:32 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#84 [匿名]
今のターゲットは完全に前者だろう。

食事のコースはメインが出たばかりだった。
ターゲットは残りを食べる気もなく、途中で席をたち、会計を済まし一人で店を出た。

足取りが重く、一歩一歩にいろいろな思いが積もっているように感じた。

僕は今ターゲットの所に行こうか迷ったが、止めた。きっと僕の慰めの言葉は、逆効果になるような気がしたのだ。

⏰:10/11/04 18:39 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#85 [匿名]
四日目


今日のターゲットは一日目と同じスーツを着て、仕事をしている。

案の定表情は暗い。

仕事もはかどらない様で、パソコンに向かって作業をしたかと思えばすぐに手が止まり、考え事をしている。その繰り返しで、時計は12時を回っていた。

同僚達は昼食を取るべく出掛けていく。ターゲットはそれでもまだ考え事をしている様子だった。

⏰:10/11/06 22:42 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#86 [匿名]
結局ターゲットはそのまま動く事なく、何も食べずに昼休みを過ごした。

恋愛というものは、こうも人間の心を左右するのかと思うと、怖くなる。

子孫を残したいだけなら、死ぬ程悩まなくて良いはずなに。人間は面倒臭い。

⏰:10/11/06 23:13 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#87 [匿名]
今日も僕はターゲットと接触する気にはならなかった。

そう簡単には自殺するようには思えなかったし、それならわざわざ関わる必要はないと思ったからだ。

僕とは反対に、彼は今日も、何をしてやろうかと企んでいる。

悪戯をしようとする子供のように無邪気だが、考えてる事は残酷だ。

人間を自殺させるんだから。ただの暇潰しで。

⏰:10/11/07 01:02 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#88 [匿名]
ターゲットはのそっと席を立ち、トイレに向かった。

そのすきに彼は、ターゲットの机の上にある資料のようなものを消した。

彼は姿を消して、ターゲットの会社に入ったようで、他の人には彼の姿は見えていない。

⏰:10/11/08 12:33 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#89 [匿名]
しばらくしてターゲットは戻ってきた。相変わらず表情は暗く、足取りは重い。

席につき、ぼーっとバソコンの画面を見ている。いや、見ているというか、そちらに顔が向いているだけだ。

机の上にあるはずの資料が無くなった事に気付いたのは、暫くしてからだった。

⏰:10/11/08 19:07 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#90 [匿名]
「おい、お前。そろそろ出来ただろ?見せろ」

社長だか、部長だか、課長だか、僕には何者だか分からない偉そうな男が、ターゲットに声をかけた。

「あ、あ、はい!」

そこで初めて机の上に目をやる。あれ?という顔になる。そして徐々に焦りだし、ばたばたとあちらこちらを探し始めた。

⏰:10/11/08 19:13 📱:F06B 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194