天使と悪魔の暇潰し
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#214 [匿名]
>>213葵さん
ありがとうございます!

⏰:10/12/23 17:46 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#215 [匿名]
彼は目を瞑り、刺されたお腹辺りを押さえていた。

「もうどっか行ったよ。」

僕かそう教えてあげると、彼はパチッと目を明け、スクッと立ち上がった。

「俺演技上手くね?」

刺さった包丁を抜くと、放り投げた。

⏰:10/12/23 17:49 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#216 [匿名]
前にも言ったが、僕達は死なない。怪我もしないし、風邪も引かない。

包丁を抜いて出来た穴は、触っていれば塞がる。

刺されて平気な人間などいないから、ターゲットは彼を殺したと思うかもしれない。かなり深く刺さっていたみたいだし、致命傷になってもおかしくない。

死ななくても、重症である事は間違いないだろう。

⏰:10/12/23 17:55 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#217 [匿名]
「あ!俺、いい事思い付いた!幽霊になるわ。」

僕達は死なない。だから幽霊にはなれない。

人間のように生きていないから、人間からしてみれば、幽霊も天使も悪魔も、同じなのかもしれないけど。

「幽霊のふりして、あいつにとりつくってのはどーだよ!かなり怖くねーか?怖いよな!毎日耳元で、呪ってやるーって囁くんだよ!怖くなって、死にたくなるよな?な?」

⏰:10/12/23 18:03 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#218 [匿名]
やっぱり彼は楽しそうだ。人間の不安や恐怖心を煽るのが、この上ない楽しみのようだ。

悪魔だからいいものの、天使や人間だったら、かなりの悪趣味だと思う。

「僕だったら泣いちゃうかも。」

ちょっと馬鹿にして言ったつもりだったのだが、彼には理解されていなくて、ただ自信を付けさせてしまったみたいだ。

⏰:10/12/23 18:08 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#219 [匿名]
「まあ、作戦も決まった事だし!…あれでも食いにいくか?」

彼の言うあれとは、ハンバーガー。僕達の大好物だ。

作戦が決まったのは彼だけで、僕は何も決まっていないが、彼の話に乗る事にした。

ハンバーガーが食べれるなら、勝ち負けなんてどうでもいい。と、思ったりもする。

⏰:10/12/23 18:12 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#220 [匿名]
二日目


とりあえずターゲットの様子を見る事にした。

仕事に行く時や、どこかに出掛ける時などに、偶然を装い遭遇出来たらいいなと考えた。
が、一向に外へ出ない。朝から様子を見て、もう18時を回ってしまった。

ずっとパソコンをいじっていて、そこから動こうとしない。ポテトチップスやらのお菓子の袋やカップラーメンのカップなどが散乱している。

⏰:10/12/26 11:35 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#221 [匿名]
「あいつヒデェ生活してんなー。あの散らかりよう見ると、毎日こんな生活してんじゃねぇの?」

彼はターゲットを見る時、いつも苦い顔をする。生理的に受け付けないんだろうな。彼と一緒で、僕も受け付けない。

人を殺しておいて、いつもと変わらない毎日を送っているなんて、信じられない。

「僕、あの家行って来ようかな。」

一軒家で、両親と住んでいる事は分かった。父親はいなかったが、きっと仕事だろう。母親がせっせと晩御飯を作っている。

⏰:10/12/26 11:44 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#222 [匿名]
「じゃあ俺も行くよ。幽霊になってな!」

あまり乗り気にはなれなかったけど、彼と一緒に行く事にした。勿論彼は姿を消している。人間には見えないけど、僕には見える。彼の前に来たらうっすら姿を現すんだろう。

ターゲットの家の前。何のへんてつもない普通の一軒家だ。「金子」というらしい。

ピンポーン。
彼がインターホンを勝手に押した。

⏰:10/12/26 11:52 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#223 [匿名]
「はい!」

きっと母親だろう。女性の声が聞こえる。

「あ、すみません。鈴木と申しますが、息子さんとお話がしたいんですけど。」

鈴木と適当に名乗った。

「お前なんか怪しくねーか?もっとそれらしーこと言えねぇのかよ。」

「君が勝手に押したから、何も考える時間なかったんだよ。」

⏰:10/12/26 11:57 📱:F06B 🆔:☆☆☆


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