亡き君に告ぐ
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#182 [我輩は匿名である]
どこがいいんだ。
業務用冷凍室のような広いところならともかく、家庭用の冷凍庫に押し込められて死ぬなんてドリフのコントでもそんなのはない。

それはともかく、少年の言葉が気にかかった。

傍にいる、名前も知らない少年の死に方。

事故だろうか。

⏰:11/01/27 10:34 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#183 [我輩は匿名である]
「…君は殺されたの?」

少し遠慮がちに聞くと、少年は一瞬笑顔を消すが、またニコニコと笑い始める。

「…違うよ。事故だったんだ」

「…事故…」

少年は見た目からして小学2、3年生くらいだろうか。

⏰:11/01/27 10:39 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#184 [我輩は匿名である]
その年齢なら事故死でも納得がいくが、まだ幼い少年の急な死を憐れに思った。

「僕はブランコから投げ出されたんだよ…」

少年の笑顔の中にどこか悲しげなものが混じっていたのは、きっと気のせいじゃない。

⏰:11/01/27 10:40 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#185 [我輩は匿名である]
「この話は終わり!さあ、お姉さんはどうやって美しく死ぬつもりなの?」

「…私は」

美しく死ぬことは難しい。
餓死は醜いし、きっと誰かしら異臭に気付き腐敗してる遺体を見付けるだろう。

それだけは嫌だった。

やはり凍死が一番理想的だが、用意が出来ない。

⏰:11/01/27 10:41 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#186 [我輩は匿名である]
エベレストにでも行く?

なんて、冗談。
それならば。

「…樹海に行く。綺麗なドレスを着た白骨死体なんて素敵じゃない?昔お母さんが話してくれた令嬢も、綺麗なドレスを着た白骨死体で見つかったの」

彼女のような、死して尚愛されるような美しい死体に。

⏰:11/01/27 10:41 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#187 [我輩は匿名である]
「…磁場が狂う程奥に行かなければ死体なんてすぐに見付けられちゃうよ」

「樹海でコンパスが効かないなんて話、信じてるの?それに失敗すればまたやり直せるんでしょう?」

満足のいくまで、私は何度だって死んでみせる。

その時の私は、自分が一度感じた死への恐怖にまだ気付けないでいた。

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⏰:11/01/27 10:41 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#188 [我輩は匿名である]
報復など、醜いだけだと


―死して尚、屍―

⏰:11/01/29 21:15 📱:SH04B 🆔:T5g04vLM


#189 [我輩は匿名である]
『僕は君の友達だよ』


僕の友達は、僕を置いて逃げたんだ。

事故なのはわかっていた。

けれど、僕は薄れゆく意識の中で走り出す君の背中を見たんだ。

僕はあの時、確かに生きていたのに。

⏰:11/01/29 21:15 📱:SH04B 🆔:T5g04vLM


#190 [我輩は匿名である]
「今度は僕が背中を押してあげるよ」


降り続く雨が強くなり、彼を濡らす。

僕は彼の背中を強く押す。

ギィ、とブランコが揺れる。


「―やめろっ!!」

⏰:11/01/29 21:16 📱:SH04B 🆔:T5g04vLM


#191 [我輩は匿名である]
彼が暴れ出すと、悲しいかな所詮は子供と大人の力の差。

彼はブランコから手を離し、前から地面に落ちた。

「手を離したら危ないよ…僕みたいになっちゃうじゃないか…」

「はぁッ…はぁッ…」

みっともなくも、地面に拳を握り締め彼は起き上がろうとしない。

⏰:11/01/29 21:16 📱:SH04B 🆔:T5g04vLM


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