亡き君に告ぐ
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#53 [不発花火]
「それなら一人でも平気なのに」


私の独り言は、放課後の誰もいない教室に響き渡った。

⏰:10/12/23 02:04 📱:SH04B 🆔:vGZkDNeY


#54 [不発花火]
翌日は、椅子がなかった。

教室を見渡せば、掃除用具入れの前にポツンと置かれていた。

私が取りに行けば、後ろでクスクスと笑い声が聞こえた。


涙が零れそうになるのを必死で堪え椅子に手をかけた瞬間、背中に軽い衝撃を感じた。

振り返れば、ゴロゴロと転がるジュースの缶。

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#55 [不発花火]
誰かに意図的に当てられたことは考えなくてもわかった。


「お前生きてる価値ないよ」


私は、私の中で限界を感じた。

ずっと堪えてきた。

靴がなくなっても、無視されても、お弁当をひっくり返されても、ずっと我慢してきた。

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#56 [不発花火]
教室中に響く笑い声を背に、溢れる涙を耐え切れず、走って教室を後にする。


一人には慣れていたはずだった。

学校を卒業するまで耐え切ってみせると、そう思ってた。

でも、寂しかった。
ずっと寂しかった。

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#57 [不発花火]
一人でも平気な、魚になりたかった。

そうすれば一人でも気高く、美しく生きていけるのに。


私の足が向かった先は、青い綺麗な海だった。

テトラポッドに足を掛け、海に沈む。

着ていた制服が水を吸い込み、私の体は深く深く海の底に沈んだ。

⏰:10/12/23 02:05 📱:SH04B 🆔:vGZkDNeY


#58 [不発花火]
自然と、苦しくなかった。

ふと、目の前に一匹の魚が現れた。

私がずっと憧れていた、美しく気高い竜宮城の使い。


でも虹色に輝いているはずの体は白く変色していて、それが腐敗した死体だと気付いた瞬間、私の中で恐怖を感じた。

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#59 [不発花火]
「ひっ」

声にならない悲鳴が口から漏れ、酸素が口からゴボ、と溢れ出すのを感じた。

途端に強烈に息苦しくなり海面に出ようともがくが、長く大きい竜のような死体が体にのしかかり、私を海の底へと沈めていった。

⏰:10/12/23 02:05 📱:SH04B 🆔:vGZkDNeY


#60 [不発花火]
あれ程までに焦がれた魚。

海底ではそれが私の体に重くのしかかり、身動きが取れなくなった。

死体からは小さな虫のような魚がうごめいている。


死にたくない、と思ってしまった。

⏰:10/12/23 02:06 📱:SH04B 🆔:vGZkDNeY


#61 [不発花火]
私が憧れ、焦がれた魚。

頭の中で響く、笑い声。


意識は沈んでいく。


深い、深い暗い海の底に。


END

⏰:10/12/23 02:06 📱:SH04B 🆔:vGZkDNeY


#62 [不発花火]
「わたし、夢を見たの。
明日、あなたが死ぬ夢を」


―夢を見る少女―

⏰:10/12/23 02:08 📱:SH04B 🆔:vGZkDNeY


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