◎△ モダン。
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#13 [。Я]
‐3‐
下校途中、ナツミは駅の近くにある100円ショップに一人で立ち寄っていた。
テスト勉強のためのノートなどを買うためだ。
あるひとりの女子高生が店内に入ってきた。
暗い茶色の長い髪をゆるく巻いて、グレーの大きめのカーディガンに目立つ真っ赤なリボン。
短い紺色のスカートをはいて、最近ではあまり見かけなくなったルーズソックスにローファー。
メイクもバッチリしている。
:11/02/03 18:03
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:d3Soa1Cw
#14 [。Я]
ナツミは彼女が何故か気になって、何気なく見ていた。
その女子高生は化粧品コーナーに向かい、商品のつけまつ毛をひとつ手にとった。
それをそっとカーディガンのポケットに入れた。
ナツミは見てしまった。
ナツミの視線に気づいたのか、女子高生はそちらを見た。
ナツミは声も出ず、口が軽く開いていた。
女子高生は小悪魔のような笑顔を作る。
:11/02/03 18:11
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#15 [。Я]
そのままナツミの方に向かって歩いてきた。
ナツミの横を歩きながら、彼女の右肩を軽く2回叩いた。
ナツミにはそれが『誰にも言わないで』というサインに思えた。
女子高生は店を出ていってしまった。
店員に言おうか迷ったが、やっぱり言えなかった。
真面目なナツミは少し罪悪感を抱えながら、家に帰った。
万引きなんてよくあることだ、と自分に言い聞かせた。
:11/02/03 18:22
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#16 [。Я]
‐4‐
電車の中は少し暑いくらいだった。
外は晴れていて、雲はほとんど見えない。
太陽の光が、暖房の少し効いた電車の中に差し込む。
ナツミは前の駅で友達と別れて、一人で長い座席に座っていた。
その目の前に誰かが座った。
ナツミはすぐに分かった。
確かにあの女子高生だ。
:11/02/03 18:34
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#17 [。Я]
ナツミが携帯を触っている彼女を少しの間見ていると、彼女は顔を上げた。
すかさず目をそらした。
だが、その女子高生はナツミのことを覚えていたらしく、ナツミのすぐ横に移動してきた。
彼女はナツミを笑顔でじっと見ている。
ナツミは無視し続けた。
女子高生もめげずに見続けた。
二人にはすごく長く感じただろうが、ほんの数秒のことだった。
:11/02/03 18:42
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#18 [。Я]
先に口を開いたのは、意外にもナツミだった。
「何ですか?」
「こないだ100円ショップにいた子だよね?」
ナツミが言ったあとすぐ、女子高生も口を開いた。
「えっ…。」
ナツミは一瞬戸惑ったが、軽く頷いた。
「あの後、店員に言ったの?」
「言ってないです。」
ナツミは下を向いたまま答えた。
「なんで言わなかったの?」
:11/02/03 18:50
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#19 [。Я]
女子高生の言葉が意外だったので驚いた。
「なんでって…。あんなふうに肩叩かれたら言えない…」
ナツミはおどおどしながら答えた。
「それでも言う人はいるよ。」
そう言って、彼女は急におとなしくなった。
しばらくの間沈黙が続いた。
不思議な間だった。
普通、沈黙というのは居心地が悪いものだ。
:11/02/03 18:57
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#20 [。Я]
相手次第で長く、重く、感じることもある。
しかし、穏やかだった。
天気のせいだろうか。
沈黙の1分間 ― 。
この時間は、二人を落ち着かせた。
この時間のおかげで、二人の距離が縮んだように思えた。
:11/02/03 19:04
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#21 [。Я]
今度は、女子高生が先に口を開いた。
「ねぇ、また会える?」
さっきと明らかに声のトーンが違う。
ナツミは驚いて、やっと女子高生の方を見た。
答えることができなかった。
電車が駅に着いた。
「ここで降りるね。じゃあ、また。」
女子高生は得意の笑顔でそう言って、電車を降りていった。
:11/02/03 19:12
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#22 [。Я]
よく運命の人とは『赤い糸』で結ばれているという。
それは男女の関係のことをさす。
しかし、それだけではないのではないだろうか。
例えば、家族、友達、上司や先輩、後輩。
どんな関係にも結びつけられるだろう。
あの二人もそうかもしれない。
:11/02/03 19:21
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