有空
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#249 [y]
第九話
:11/12/19 17:11
:SH04B
:Dv4U3wnw
#250 [y]
-マキ-
『じゃん!
達也さんみてみて!』
バーの営業時間が終わって一息着いたとき、隆之介からもらったお土産を取り出す。
「お、八ツ橋じゃん。どうしたのこれ」
『ヤツハシって読むんだ!
友達の修学旅行のお土産。
達也さんにもおすそ分けー』
:11/12/19 17:21
:SH04B
:Dv4U3wnw
#251 [y]
「お、気が利くな。
俺これすきなんだよねー。
開けていい?」
「うん、みんなで食べよー」
嬉しそうに包装を剥がす達也さん。
その時掃除していたもう1人の従業員、肇ちゃんも呼ぶ。
「『いただきやーす!』」
3人で、もちゃもちゃと食べ始める。
:11/12/19 17:23
:SH04B
:Dv4U3wnw
#252 [y]
なんか独特の匂いと食感。
でもおいしいかも…
「修学旅行のお土産かぁ…、マキちゃん、卒業したらどうすんの?」
八ツ橋の箱をみながら肇ちゃんが聞いてくる。
『んー、働く。』
「高校いけよ」
達也さんが言う。
:11/12/19 17:27
:SH04B
:Dv4U3wnw
#253 [y]
『俺勉強できないもん』
「できなくても入れるとこあるだろ。」
やっぱり達也さんは俺を学校に行かせたいらしい。
『あるだろうけど…絶対ヤンキーばっかじゃん。虐められたらどーしよー』
「こんな店出入りしてるやつがよく言うよ。」
『働けって言ったのは達也さんじゃん』
「俺は働けばいいって言っただけで…」
:11/12/19 17:29
:SH04B
:Dv4U3wnw
#254 [y]
「はいはいはいはい。二人とも揉めないの。
…マキちゃん、小百合さんは?なんていってんの?」
だんだん言い合いになりそうになったのを肇ちゃんが止めてくれる。
小百合さんもこのバーに来ることがあるので、小百合さんが俺の保護者だってことは肇ちゃんも知っている。
『俺のしたいようにしなって。』
昨日、先生と出会ったとき、小百合さんが言っていた言葉を思い出す。
:11/12/23 00:17
:SH04B
:hWVPPd0c
#255 [y]
『…でも、小百合さんは俺が高校行くの嫌だと思う。』
「なんで」
『俺の事を手放したくないから?』
いつだったか、小百合さんにつかさちゃんや隆之介と遊んだ事を報告したことがある。
その時小百合さんはちょっと悲しい顔をした。
多分、小百合さんは俺に小百合さん以外の存在があることが嫌なんだと思う。
俺は小百合さんを悲しませたくなかった。
だから、小百合さんの前で友達の話はしないことにしていた。
:11/12/23 00:21
:SH04B
:hWVPPd0c
#256 [y]
「…お前もっと自由に生きろよ。」
達也さんにため息をつきながら言われる。
…自由?
『自由だよ?』
「やっぱり高校いけ。」
『やーだ。』
達也さんに向かっていーっと歯をみせる。
そんな俺に達也さんは冷たく言った。
:11/12/24 08:32
:SH04B
:PhjFj.6w
#257 [y]
「お前、もっと広い世界みろって。いい加減親離れしろ。」
『…やだ。』
「前からちょっと思ってたけどさ、小百合さんのお前への執着は異常じゃないか?」
『…。』
「なんだよ、母親が息子を手放したくないって。ちょっと怖くねぇ?」
むかついて持っていたグラスの水を達也さんにぶっかける。
:11/12/24 08:34
:SH04B
:PhjFj.6w
#258 [y]
「ちょっ!!マキちゃん何してんの!?」
その勢いのまま、グラスも投げ捨てる。
地面に当たって割れた。
『小百合さんの悪口言うな。』
「…マキちゃん、落ち着けって」
宥めようとする肇ちゃんをふりはらって、店の外にでる。
小百合さんがおかしいんじゃない。
俺が小百合さんから離れたくないだけだ。
:11/12/24 08:46
:SH04B
:PhjFj.6w
#259 [y]
-幸-
夏休みの体育館。
湿度が高く立っているだけで汗をかく。
バスケ部の集団から真尾を呼びだす。
:11/12/27 23:26
:SH04B
:Z8T8VwtE
#260 [y]
「もう部活終わったか?」
体育館の入口の段差に腰をかけた真尾。
「うん。どうしたの?先生」
汗をタオルで拭きながら俺を見上げる。
「あー…、昨日、勝手なこといってごめんな」
「?」
「面談。帰ってから怒られなかったか?」
「あぁ、大丈夫だよ。余裕、余裕」
:11/12/27 23:36
:SH04B
:Z8T8VwtE
#261 [y]
「そうか、ならよかったんだけど。…お母さん、なんか言ってたか?」
「…若い先生はだめねって。」
苦笑いしかできない。
「でも俺は、嬉しかったよ。先生が俺のこと考えてくれて。」
「え?あ、そうか」
苦笑いが照れ笑いにかわる。
:11/12/30 12:53
:SH04B
:CkxVNWfE
#262 [y]
「進路考えるときに、最初は俺も高浜がいいと思ってたんだよね。
でも親あんな感じじゃん?だから諦めたんだ」
…なんだ、真尾も高浜がよかったのかよ!
「だったら高浜行けよ!諦めずに親御さん説得しよう!俺も手伝うから!」
熱くなって大きな声をだしてしまう。
そんな俺をみて真尾はくっくっくっと腹を押さえて笑い出す。
:11/12/30 13:06
:SH04B
:CkxVNWfE
#263 [y]
「先生、うける。」
「は?」
「必死だから。」
「必死じゃわりーかよ!」
なんか調子狂うな。
「俺、柴山にいって、バスケしようと思う。柴山で全国目指すのもおもしろいかなって」
にっこりと笑う真尾。
柴山は本当に弱小チーム。
人数すらそろわない年があると聞いたことがある。
:11/12/30 13:11
:SH04B
:CkxVNWfE
#264 [y]
「それは、むずかしいんじゃないか?」
俺は高浜で真尾の才能が潰れてしまうのが心配だった。
「むずかしいからおもしろいんじゃないかな。
3年になってもレギュラーになれるかわからない高浜でボール拾いとか筋トレするよりも、柴山で1年からレギュラーとってたくさん試合にでるほうが有意義でしょ。」
そういった真尾の顔は輝いていた。
自分の言っていることに迷いはないようだ。
:11/12/30 18:08
:SH04B
:CkxVNWfE
#265 [y]
「…真尾がそれでいいと思うなら応援するよ。」
「うん。ありがとう先生。頑張るよ。」
話も一段落ついて立ち上がる。
俺は職員室、真尾は玄関に向かうため体育館からのびる長い廊下を二人で並んで歩く。
:11/12/30 19:06
:SH04B
:CkxVNWfE
#266 [y]
「しかし大変だなお前も。今から将来決められてるなんてさ。
槙原の母親なんかさ、真尾の家とは逆でなんでも槙原本人にまかせるんだってさ。槙原があんなに自由気ままに行動するのも納得っていうか…」
ただの世間話、そんなつもりで話した事だった。
「こーちゃん、マキの母親に会ったの!?」
予想外の食いつき。
「え?ああ」
:11/12/30 19:06
:SH04B
:CkxVNWfE
#267 [y]
「どうだった?」
「?普通だったよ?礼儀正しいし槙原の事もちゃんと考えているみたいだったし…。
あーあと、美人でスタイルよかったな。」
「そーなんだ…」
「ん?どうした?」
しばらく何かを考えている真尾。
:11/12/30 19:07
:SH04B
:CkxVNWfE
#268 [y]
「マキは…自由なんかじゃないよ」
そうぽつりと言った。
「え?どういう「隆!おせーよ!!」
いつのまにか玄関に付いていて、バスケ部の…名前はわからないが真尾と仲がいい奴が待っていた。
:11/12/30 19:09
:SH04B
:CkxVNWfE
#269 [y]
「わりぃ!!…じゃあ先生、俺帰るねばいばーい」
そう言って走っていく真尾。
槙原は自由じゃないってどういうことだよ…。
-マキ-
:11/12/30 19:11
:SH04B
:CkxVNWfE
#270 [y]
「あれ、ストラップ増えてる。」
小百合さんは俺の携帯を持ち上げる。
『うん、修学旅行のお土産にもらったんだ。』
「ふぅん…」
しばらく小百合さんはストラップを眺めていた。
:11/12/30 19:13
:SH04B
:CkxVNWfE
#271 [y]
「アリック?」
『ん?』
「どこへも行かないでね」
『…うん。行かないよ。』
俺は自由じゃないのかな?
:11/12/30 19:14
:SH04B
:CkxVNWfE
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