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#182 [愛華]
「あ、正しくは『出したいけど
出せない』……って感じか?」
「なんであんたにそんなこと
言わなきゃなんないんだよ!」
「はは、図星だな!やるなぁ滝!
女の子見る目あるよお前」
「黙れクソ親父!!」
ムカつく!!なんだかんだ
言ってもやっぱ父なわけで。
離れていても考えてることは
お見通しなわけで……。
:11/03/02 15:03
:840SH
:HjyICsOQ
#183 [愛華]
父さんは椅子に座ったまま
のけ反るように天井を見上げる。
「……でもそれはちょいとさ、
陽向ちゃんにとっちゃ酷
なんじゃないの?」
「…………酷?」
俺が聞き直すと、俺を見ないまま父さんは続ける。
「だって陽向ちゃんは滝のこと
家族みたいに思ってるんでしょ」
:11/03/02 15:09
:840SH
:HjyICsOQ
#184 [愛華]
グサッ…………
「陽向ちゃんからしたらさぁ、
滝の気持ちはいい迷惑じゃん。
てゆーか滝の気持ち知ったら
安心して一緒にいれないよね」
グサグサッ…………
自分が今まで見ないふりを
していたことを見事に
撃ち抜かれた気がした。
:11/03/02 15:13
:840SH
:HjyICsOQ
#185 [愛華]
『家族になりたい』
陽向さんはそう言った。
つまりそれは………
俺を『そういう目』でしか
見れないということ。
それを根本から覆すにはそれ
相応の努力が必要なわけで。
「…………はぁ〜……」
俺はため息をつきながら
机に頭をコツンとつける。
:11/03/02 15:18
:840SH
:HjyICsOQ
#186 [愛華]
「なに?落ち込んでんの?」
「違う。後悔してる。
間違えた………」
「間違えた?なにを?」
父さんは興味津々というように
身を乗り出して俺の言葉を待つ。
「…………出会った頃。
とにかく怖がらせないように、
信頼してもらえるように…って
そればっか考えて接したこと。
………をすげぇ後悔してる」
:11/03/02 15:26
:840SH
:HjyICsOQ
#187 [愛華]
「ふぅん……」
「家族として接したことなんか
一回もないんだけどなぁ…」
そこまで話してハッとした。
なんでこんなこと話してんだ。
「まぁ父さんは応援するよ。
愚痴りたくなったらおいで」
「もう来ないし。」
ハハハッと笑いあう。
:11/03/02 15:31
:840SH
:HjyICsOQ
#188 [愛華]
「……………母さん、元気?」
俺が静かにそう聞くと、父さんは
少し悲しそうな顔をして
「元気すぎて迷惑なくらいだよ」
と笑った。
元気すぎて迷惑って。
意味わかんないし。
でも一応笑っておいた。
:11/03/02 15:36
:840SH
:HjyICsOQ
#189 [愛華]
コーヒーが飲み終わったのと
ほぼ同時に授業終了のベルが
なったので俺は立ち上がった。
「あ、授業出るの?」
「いや、陽向さん迎えに行って帰る
明日から授業はいるわ」
「わかった。またな」
「うん」
陽向さん、どこにいんのかな…
:11/03/02 15:45
:840SH
:HjyICsOQ
#190 [愛華]
そんなことを考えながら
ドアに手をかけると、後ろから
父さんに呼び止められる。
「………滝!」
「ん?まだなんかある?」
「……陽向ちゃん、可愛いから
ボケッとしてるともってかれる
かもよ。学校には敵なんか
いくらでもいるんだからな」
「…………余計なお世話だ」
:11/03/02 15:50
:840SH
:HjyICsOQ
#191 [愛華]
ガチャン………
ドアを閉める音が響いた。
今の言葉が
あながち間違いではないような
気がしてならない。
そんな俺の不安がすぐに
当たることになるなんて
この時は知る由もなかった。
:11/03/02 16:07
:840SH
:HjyICsOQ
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