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#46 [愛華]
天宮に持ち上げられたあたしの腕に激痛が走る。
長袖のTシャツからは血が
じんわりとにじんでいた。
「この暑いのに長袖なんか変
だと思ったんですよ。
どうしたんですか、これ?」
「だから関係ないってば…」
「家で手当してあげますから。
来てください」
「余計なお世話」
:11/02/19 16:25
:840SH
:VlElYrtI
#47 [愛華]
あたしがそう言うと、天宮は
悲しそうな目であたしを見る。
べ、別にあたし間違ったことは
言ってないし…………
そんな目で見ないでよ。
「………だ、だいたいなんで
あたしにそんなかまうの?
赤の他人でしょ?あたしたち」
「……………」
:11/02/19 16:41
:840SH
:VlElYrtI
#48 [愛華]
「家出娘がめずらしい?
なんかいやらしいことしようとか考えてんじゃないのー?」
「……………」
笑えよ、馬鹿。
天宮の無言の圧力が重い……。
「………手当だけですから。
させてもらえますか?」
「……………やだ」
:11/02/19 16:49
:840SH
:VlElYrtI
#49 [愛華]
「なにもしませんから」
あたしは自分の傷を見る。
治療道具なんかにお金なんか
使いたくないし…………。
頼るわけしゃない。
利用させて、もらうだけ。
「じゃあ………包帯だけもらう」
「………!!十分です」
天宮は満面の笑顔を浮かべた。
:11/02/19 22:02
:840SH
:VlElYrtI
#50 [愛華]
天宮って………変。
まぁいいや。包帯だけもらって
さっさとホテルに戻ろう。
天宮と一定の距離を保ちながら
一緒の道を歩く。
日は暮れはじめていた。
横から見る天宮はよく見ると
綺麗な顔立ち。
きっとモテるんだろうな。
学校でもこんな喋り方なのか?
………どーでもいいか。
:11/02/19 23:38
:840SH
:VlElYrtI
#51 [愛華]
「そこらへんに座って下さい」
そんなことを考えてるうちに
いつのまにか天宮の家についた。
そこまで広くはないけど、
一人暮らしには十分なマンション
知らない家の匂いがする。
あたしはふかふかのソファに
遠慮がちに腰を下ろした。
「……あれ、救急箱………」
:11/02/20 12:32
:840SH
:EuWhtOcA
#52 [愛華]
「救急箱ないの?」
「いや、確かここに…あった!」
天宮は戸棚の中から白いケースを取り出した。
それを持つと、あたしの隣の椅子にゆっくり座った。
「…………手、出して下さい?」
「…………お願いします…」
天宮はちょっとだけ微笑むと
包帯を丁寧にほどいてゆく。
:11/02/20 12:38
:840SH
:EuWhtOcA
#53 [愛華]
なんか……………変な感じ。
人にこんなに優しく触れられたのなんていつぶりだろうか?
「……ずいぶんずさんな包帯の
巻きかたですね……」
「悪かったね」
天宮は包帯を取ると、むきだしになっている傷に消毒していく。
「……新しい包帯だけくれれば
それでいいって言ったじゃん」
:11/02/20 12:43
:840SH
:EuWhtOcA
#54 [愛華]
「そんなんだったら、ずっと
治らないままですよ!化膿してるじゃないですか………
見たところ切り傷ですけど…
どこでどうやってこれを?」
天宮は真剣な顔で聞く。
「……前の家でちょっとね」
あたしがそう言うと、天宮は
「そうですか」とだけ言った。
傷は綺麗なガーゼを当てられ、
綺麗な包帯で包まれていく。
:11/02/20 12:51
:840SH
:EuWhtOcA
#55 [愛華]
天宮は器用だった。
手当が終わると、血で汚れた
あたしのTシャツを水で洗って
くれた。貸してもらった天宮の
Tシャツは甘い匂いがした。
知らない家の匂いにも慣れた頃。
「………さて。そろそろ
聞かせてもらえますか?」
紅茶を飲みながら天宮が言った。
:11/02/20 14:39
:840SH
:EuWhtOcA
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