*トワイライト・ゾーン*
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#311 [スピーディー]
「怖くなって、こっちへ戻ってきたいと思ったら、またそいつを飲めばいいのさ」

トニ―が言った。

⏰:11/02/24 22:22 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#312 [スピーディー]
「壜もいっしょについてくるんですね?

ぜったいに?」

病気の母とナオト叔父さんがこちらの世界にいるのに、自分だけ神秘の世界に行ったっきり戻ってこられなくなったら、それこそ目も当てられない。

⏰:11/02/24 22:24 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#313 [スピーディー]
「ぜったいさ」

「ならいいけど」

ユ―タは壜を口まで持っていった…が、また離してしまった。

ひどい匂いがしたのだ

―まるで油脂が腐ったような匂いだった。

⏰:11/02/24 22:26 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#314 [スピーディー]
トニ―・パ―カ―はユ―タをみつめた。

口許に微笑がうかんでいたが、目は笑っていなかった。

それどころか、甘えを許さない、厳しい目付きだった。

⏰:11/02/24 22:29 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#315 [スピーディー]
ユ―タは壜をトニ―のほうに差し出して、「お返しします」 と言ったが、それは弱々しい囁き程度の声だった。

「だめ?」

⏰:11/02/24 22:30 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#316 [スピーディー]
トニ―は返事をしなかった。

ユ―タの母が死にかけていることや、ナオト叔父さんがいまにもこの地にやってくるかもしれないことを、改めて指摘することもしなかった。

⏰:11/02/24 22:33 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#317 [スピーディー]
「オ―ケイ」

ユ―タは唐突に言った。

「どうしてもっていうのなら、飲みます」

ふたたび壜に口をあてて、何も考えずに飲んだ。

⏰:11/02/24 22:35 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#318 [スピーディー]
思っていたよりも、ずっとひどい味だった。

ひどく甘ったるい、腐ったような味で、いわば生きたブドウではなく、熟成しないままに腐敗したブドウで作ったワインのようだった。

⏰:11/02/24 22:36 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#319 [スピーディー]
ぐっと呑みこむと、かすかに温かいものが、喉をカタツムリのように這い下りてゆく。

ぎゅっと目をつむり、反抗しそうになる喉を押さえつけた。

⏰:11/02/24 22:38 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#320 [スピーディー]
「トニ― 」

ユ―タは目を開け、そのあとの言葉が出てこなくなった。

トニ―の姿はなかった。

⏰:11/02/24 22:40 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


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