*トワイライト・ゾーン*
最新 最初 全 
#601 [スピーディ]
テレビの画面では、ちょうど終盤にさしかかったところで、父はろくにナオト叔父さんのほうを見もしない。
ナオト叔父さんはテレビが光を投げかけている居間を出て、ほの暗い子供部屋に入ってゆく。
:11/04/16 11:29
:SH07B
:☆☆☆
#602 [スピーディ]
赤ん坊のユ―タは、くまのプ―さんの絵がついた足まで包むパジャマを着て眠っている。
乾いたおむつにくるまって、ぬくぬくと安らいでいる小さなユ―タ。
:11/04/16 11:31
:SH07B
:☆☆☆
#603 [スピーディ]
ナオト叔父さんが、禿げあがった額にはしごのようなシワを寄せ、明るい居間のほうにちらりと密かな視線を投げる。
そしてそばの椅子からクッションを取り、それを眠っている赤ん坊の顔の上にそっと、おおうように乗せる。
:11/04/16 11:33
:SH07B
:☆☆☆
#604 [スピーディ]
それを片手で押え、もう一方の手は赤ん坊の背中にぴったり当てる。
そして赤ん坊のもがきがやむとクッションを椅子にもどして、トイレへ用を足しにゆく。
:11/04/16 11:35
:SH07B
:☆☆☆
#605 [スピーディ]
もしも母が、その直後に赤ん坊の様子を見にこなかったら……
ユ―タは体じゅうに冷や汗が吹き出てくるのを感じた。
:11/04/16 11:36
:SH07B
:☆☆☆
#606 [スピーディ]
それが真相だったのだろうか?
そうかもしれない。
彼の心の声が、そうだったのだと告げていた。
話があまりにもぴたりと一致しているのだ。
:11/04/16 11:38
:SH07B
:☆☆☆
#607 [スピーディ]
テリトリーの女王ロ―ラ・デラシアンの息子は、生後6週間で、寝台で眠っているときに死んだ。
ジュンノスケとナオコの息子も、生後6週間で、ベビーベッドで死にかけた………そしてナオト叔父さんがそこにいたのだ。
:11/04/16 11:40
:SH07B
:☆☆☆
#608 [スピーディ]
母はいつもこの話の最後を笑ってしめくくった。
父がすごい勢いで、病院にすっ飛ばしたのは、ユ―タが息を吹きかえしたあとになってからだったのだ、と。
まるで笑い話みたいに…
:11/04/16 11:43
:SH07B
:☆☆☆
#609 [スピーディ]
「さあ行くぞ」
隊長が言った。
「はい」
と、ユ―タ。まだ頭がぼ―っとしていた。
:11/04/16 11:51
:SH07B
:☆☆☆
#610 [スピーディ]
「さあ、行きま…」
「し―っ!」
近づいてくる人声に気付いて隊長が、あたりに目を配った。
:11/04/16 11:52
:SH07B
:☆☆☆
#611 [スピーディ]
二人は物陰に身を潜めた。
その隙間から長靴をはいた足が歩いてくるのが見えた。
5足。兵隊用の長靴だ。
:11/04/16 11:54
:SH07B
:☆☆☆
#612 [スピーディ]
話の中で、1人の声がはっきり聞きとれた。
「…奴に息子がいたとは知らなかったな」
「蛙の子はしょせん蛙さ ―よ―く覚えとけよ、サイモン」
:11/04/16 11:56
:SH07B
:☆☆☆
#613 [スピーディ]
下品な笑い声がどっと起った。
学校で上級生たちが時たまあげるのと似た笑いだった。
:11/04/16 11:57
:SH07B
:☆☆☆
#614 [スピーディ]
内容は聞きとれないが、嘲るような声音があって、またもやどっと笑いながら、通り過ぎていった。
見ると、隊長は歯ぐきのあたりまで剥き出しにし、睨みつけていた。
:11/04/16 12:00
:SH07B
:☆☆☆
#615 [スピーディ]
「いまのを聞いただろう?」
隊長が言った。
「―急がなければ」
彼はユ―タをつかんで揺さぶりかねない気配を見せた。
:11/04/16 12:01
:SH07B
:☆☆☆
#616 [スピーディ]
「さあ早く。ジェイスンのために―」
「だれですって?」
ユ―タがぽかんとして聞き返したが、隊長はすでにユ―タを外に押し出して、荒々しく左のほうへ引っ張った。
:11/04/16 12:03
:SH07B
:☆☆☆
#617 [スピーディ]
「さっきとは違う通り道ですね」
「さっきの奴らのそばを通りたくないんでな」
隊長がささやき返す。
:11/04/16 12:05
:SH07B
:☆☆☆
#618 [スピーディ]
「あいつらはナオト卿の部下なのだ。 背の高い男を見たか?
向こうが透けて見えるくらい痩せ細っている奴だ」
「ええ」
笑みを浮かべながらも、目が笑っていなかった男のことを、ユ―タは思い出した。
:11/04/16 12:06
:SH07B
:☆☆☆
#619 [スピーディ]
ほかの連中とは違って、あの痩せた男には険しさがあった。
狂気じみた顔、それに―どこか見覚えのある顔だった。
:11/04/16 12:21
:SH07B
:☆☆☆
#620 [スピーディ]
「あれがオズモンドだ」
隊長がユ―タを右方向へ引っぱりながら、言った。
と、曲がりかどを曲がろうとした瞬間、
「隊長」
背後から声がした。
:11/04/16 12:22
:SH07B
:☆☆☆
#621 [スピーディ]
低いけれども、よく通る声。
隊長はぎくりと足を止めた。
声の主は、引き返して追ってきたのだ。
:11/04/16 12:24
:SH07B
:☆☆☆
#622 [スピーディ]
「紹介してもらえるだろうな、おまえの…その…息子に」
隊長は振り向きながら、ユ―タにもいっしょに向きを変えさせた。
:11/04/16 12:25
:SH07B
:☆☆☆
#623 [スピーディ]
目の前には、ガイコツのような男が立っていた。
隊長がさっきあれほど恐れていた男―オズモンドだった。
:11/04/16 12:26
:SH07B
:☆☆☆
#624 [スピーディ]
陰気な濃い灰色の目でこちらをじっと見ている。
その目の奥深くに、人を不安にさせるものが沈んでいるのを、ユ―タは感じとった。
:11/04/16 12:28
:SH07B
:☆☆☆
#625 [スピーディ]
そして突如、鋭く突き刺さってくるような恐怖をおぼえた。
(この男は狂っている)
:11/04/16 12:29
:SH07B
:☆☆☆
#626 [スピーディ]
―それはユ―タの念頭にごく自然にわき起った直感だった。
(こいつは完全に狂ってるんだ)
オズモンドは二人のほうへ2歩だけ近づいた。
:11/04/16 12:31
:SH07B
:☆☆☆
#627 [スピーディ]
左手に、牛追い鞭の生皮でくるんだ柄を握っている。
柄の先はわずかに細まって、黒いしなやかな腱へとつづき、それが男の肩に三重に巻きついている。
:11/04/16 12:32
:SH07B
:☆☆☆
#628 [スピーディ]
鞭の中軸はガラガラヘビくらいの太さがある。
その先端は十数本のさらに細い枝に分れていて、その枝の一本一本が生皮で編んだ細い鞭であり、
しかもその先端には、光る金属の爪がついていた。
:11/04/16 12:35
:SH07B
:☆☆☆
#629 [スピーディ]
オズモンドが柄を引っぱると、肩に巻きついていた鞭がシュッと音をたててはずれた。
彼が柄を振ると、金属の爪のついた生皮の鞭が、もだえるように動く。
:11/04/16 12:37
:SH07B
:☆☆☆
#630 [スピーディ]
「おまえの息子か?」
と、くり返して、オズモンドはさらに一歩二人に近づいた。
:11/04/16 12:37
:SH07B
:☆☆☆
#631 [スピーディ]
そのとき突然、この男になぜ見覚えがあったかを、ユ―タは理解した。
誘拐されそうになったあの日―あのときのベンツに乗った二人のうちの白いス―ツの男は、オズモンドだったのではないか。
たぶんそうだったのに違いない、とユ―タは思った。
:11/04/16 12:40
:SH07B
:☆☆☆
#632 [スピーディ]
隊長は片手でこぶしを作って額に当てると、体を前にかがめた。
一瞬ためらってから、ユ―タもそれに倣った。
:11/04/16 12:41
:SH07B
:☆☆☆
#633 [スピーディ]
「倅のルイスです」
こわばった声で隊長が演技をはじめた。
ユ―タが横目で見ると、彼はまだ頭を下げたままだ。
:11/04/16 12:43
:SH07B
:☆☆☆
#634 [スピーディ]
「うん、隊長。 それから、ルイス。
おまえたちに女王の御恵みを」
オズモンドの牛追い鞭の柄で触れられて、ユ―タは叫び声をあげそうになった。
:11/04/16 12:44
:SH07B
:☆☆☆
#635 [スピーディ]
それをぐっとこらえ、体をまっすぐに伸ばす。
オズモンドは狂気じみた陰気な目つきでユ―タを見据えている。
:11/04/16 12:48
:SH07B
:☆☆☆
#636 [スピーディ]
やっぱり、そうだ。
彼はあの日、ユ―タをさらっていこうとした男の1人だ。
胃袋がよじれ、煮えくり返るような気がした。
:11/04/16 12:49
:SH07B
:☆☆☆
#637 [スピーディ]
「おまえに息子がいたとは知らなかったよ、ファ―レン隊長」
オズモンドが言った。
:11/04/16 12:50
:SH07B
:☆☆☆
#638 [スピーディ]
隊長に話しかけながらも、目はユ―タに向けたままだ。
(ルイスだぞ)
と、ユ―タは自分に言い聞かせた。
(ぼくはルイスだぞ、忘れるな―)
:11/04/16 12:52
:SH07B
:☆☆☆
#639 [スピーディ]
「よせばよかったのですが」
と、隊長はユ―タを見ながら応じた。
「勿体なくも、宮殿に連れてきてやったのに、こいつめは犬みたいにこそこそ逃げ出しおって、遊んでおるところを―」
:11/04/16 12:53
:SH07B
:☆☆☆
#640 [スピーディ]
「そうか、そうか」
オズモンドはよそよそしい笑みを浮べた。
(彼は信じてないんだ)
そう思うと、ユ―タはまたも理性を失いそうになった。
:11/04/16 12:55
:SH07B
:☆☆☆
#641 [スピーディ]
(ただの一言も信じていないんだ!)
「男のガキは性悪なのだ。
みんな性悪だ。 自明のことだよ」
牛追い鞭の柄で軽くユ―タの手首をたたいた。
:11/04/16 12:56
:SH07B
:☆☆☆
#642 [スピーディ]
ぎりぎりまで神経を張りつめていたユ―タは、思わず悲鳴をあげてしまって、すぐに、恥ずかしさで顔を熱くほてらせた。
オズモンドが忍び笑いをもらした。
:11/04/16 12:58
:SH07B
:☆☆☆
#643 [スピーディ]
「性悪なのは、自明のことだ。
ガキはみんな悪い。
このおれもワルだった。おまえもワルだったんだろう、ファ―レン隊長、え? え? そうだろ?」
「そうです、オズモンドさま」
:11/04/16 12:59
:SH07B
:☆☆☆
#644 [スピーディ]
オズモンドは華奢ともいえる体つきだったが、この男にホモの感じはない。
たとえ言葉遣いにそれらしいものがあったとしても、それがうわべだけのものだということは明らかだった。
:11/04/16 13:02
:SH07B
:☆☆☆
#645 [スピーディ]
それより、はっきりと現れているのは、この男のはげしい敵意と…それと狂気だった。
「相当悪かったんだろう? どうしようもないワルだったんだろう?」
:11/04/16 13:03
:SH07B
:☆☆☆
#646 [スピーディ]
「その通りです、オズモンドさま」
ファ―レン隊長がこわばった声音で答えた。
顔の傷痕が午後の光に映えて、ピンクというより赤に近い色に輝いている。
:11/04/16 13:05
:SH07B
:☆☆☆
#647 [スピーディ]
そしてオズモンドは冷たく目で隊長を見た。
「おまえに倅がいたとは、だれも知らなかった」
「白痴なのです。おまけに怠け者だということもわかりました」
:11/04/16 13:07
:SH07B
:☆☆☆
#648 [スピーディ]
突然くるりと向き直って、ユ―タの横っ面を殴った。
たいして力はこもっていなかったが、隊長の手は、れんがのように硬かった。
:11/04/16 13:08
:SH07B
:☆☆☆
#649 [スピーディ]
「ふん、ワルだな。どうしようもないワルだ」
と、オズモンドは言ったが、その顔はうつろで、つかみどころがなかった。
:11/04/16 13:09
:SH07B
:☆☆☆
#650 [スピーディ]
「こら、性悪息子、立て。
親の言うことをきかない悪ガキは、罰を受けなければいかん。 悪ガキは尋問を受けなければいかん」
彼は鞭をふるってパシッと鳴らした。
:11/04/16 13:12
:SH07B
:☆☆☆
#651 [スピーディ]
するとオズモンドが手を伸ばしてきて、その蜘蛛のような手で、泥だらけのユ―タの腕をつかんだ。
そして、ぐいと引き寄せた。
:11/04/16 13:14
:SH07B
:☆☆☆
#652 [スピーディ]
気味の悪い灰色の目が、ユ―タの目をのぞき込んだ。
ユ―タはぼうこうが重くなるのを感じ、ズボンを濡らすまいと必死に我慢した。
:11/04/16 13:15
:SH07B
:☆☆☆
#653 [スピーディ]
「おまえはだれだ?」
と、オズモンドが訊いた。
その言葉はまるで、いつまでも宙に漂っているように思われた。
:11/04/16 13:16
:SH07B
:☆☆☆
#654 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age
:22/10/04 08:33
:Android
:nH.OoPsQ
#655 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/04 21:23
:Android
:nH.OoPsQ
#656 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/18 13:58
:Android
:h3l12Mig
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194