†horror†
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#106 [輪廻◆j6ceQ96kak]
雪乃『うわ〜響歌見て! お風呂も広いよ!』
雪乃は大きな浴室を見てはしゃぐようにして言う。
響歌『確かに広いね。建物はちっちゃく感じたのに』
雪乃『もう! そういう話はやめようよ〜。ここは細かい事気にしないで純粋に楽しもう?』
響歌『そうだね、ごめんごめん』
こうして、まるで貸切にでもなったような誰もいない湯船に浸かった。
:11/05/06 13:15 :T004 :c7ITtZXU
#107 [輪廻◆j6ceQ96kak]
風呂から戻ると、部屋には豪勢な昼食が用意されていた。
野菜から魚介類まで様々なジャンルの料理に響歌達は絶賛。
雪乃『なにこれすごいね!』
響歌『旅館といえば料理だよね』
その料理に興奮している2人だが、ふと雪乃が吉田がまだ戻っていない事に気がつく。
:11/05/09 12:26 :T004 :mHDv0ug.
#108 [輪廻◆j6ceQ96kak]
雪乃『そういえば優斗まだお風呂入ってるのかな…』
響歌『確かに…。もう上がってるかと思ったよ』
雪乃『ちょっと見てくるね』
響歌『いってらっしゃい』
着物姿の雪乃は部屋を出て行った。
響歌は改めて料理を凝視しながら座椅子に座る。
:11/05/09 12:30 :T004 :mHDv0ug.
#109 [輪廻◆j6ceQ96kak]
そして、ちょっとつまみ食いをしようと野菜料理に添えられたミニトマトに手を伸ばした瞬間だった。
雪乃『いやあああああ!!』
お風呂場の方から雪乃の今まで聞いた事のないような絶叫が。
響歌『雪乃!?』
伸ばした手を引っ込め、響歌はすぐに声のする方へ向かった。
:11/05/09 12:36 :T004 :mHDv0ug.
#110 [輪廻◆j6ceQ96kak]
廊下へ出た時、ちょうど同じく悲鳴を聞きつけたであろう女将の池崎と鉢合わせた。
池崎『今の声はなに事でいらっしゃいますか?』
響歌『わかりません。お風呂の方から…』
2人は顔を見合わせ、雪乃が向かった男湯へ。
:11/05/09 12:42 :T004 :mHDv0ug.
#111 [輪廻◆j6ceQ96kak]
男湯の脱衣場を見ると、座り込む雪乃がいた。
池崎『お客様…どうかなされましたか?』
女将の声に気づいた雪乃はゆっくり振り向いて、風呂場の方を指さした。
その方向に2人が目をやると、奥に真っ赤な何かが見える。
:11/05/09 12:54 :T004 :mHDv0ug.
#112 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『え…?』
その赤いものが何なのか、響歌にはすぐわかった。
響歌『血…?』
池崎『なんでございますって!?』
女将は一瞬腰を抜かしそうになったが、何かに気づいたように体制を戻し…
そして一言つぶやいた。
池崎『まさか…狼鬼様が…?』
:11/05/09 12:58 :T004 :mHDv0ug.
#113 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『狼鬼? それって何ですか…?』
恐る恐る響歌が聞くと、女将は震えながら答えた。
池崎『狼鬼様は…この山に言い伝えのある神様です…』
響歌『…神様?』
池崎『私は見た事がありません。しかし言い伝えによると、その狼鬼様は狼の顔で鬼のような形相をした、山を守る神様だと言われています』
:11/05/09 13:05 :T004 :mHDv0ug.
#114 [輪廻◆j6ceQ96kak]
吉田が聞いたら、嘘だと言ってバカにするような話だ。
しかし女将の震えた体と表情からは嘘とは感じられない。
響歌『とにかく! その話しは後で聞かせてください。女将さんはお風呂場の様子をお願いします。私は雪乃を部屋に連れて行きます!』
池崎『か、かしこまりました!』
響歌は床に崩れ落ちた雪乃の肩に手をやり、ゆっくりと立たせた。
:11/05/09 13:11 :T004 :mHDv0ug.
#115 [輪廻◆j6ceQ96kak]
部屋の料理はすっかり冷めていた。
雪乃を座椅子に座わらせ、響歌はその隣に座る。
響歌『…雪乃。一体何があったの?』
雪乃『…………』
よっぽど信じられない光景を見たのだろうか、雪乃の響歌を見る目は焦点が合っていない。
:11/05/09 13:15 :T004 :mHDv0ug.
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