†horror†
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#732 [輪廻]
蓮『マジで? アパートはどうすんの?』
響歌『管理人さんも、隣の部屋に住んでた人も死んじゃったから…あのアパートにいるのが怖くなっちゃって。
それに、ナナもちゃんと家に帰って両親に謝ったみたいだし、私も実家が恋しくなっちゃって』
蓮『そうだな。
あ、結局その管理人殺したのって…先生だったのかな。
あとお前が今言った、隣に住んでたって人も』
響歌『ううん…2人は大切な人って訳でもなかったから…わからない』
蓮『先生が生きてれば理由を聞けたんだけどな。
なんていうか…モヤモヤが残るんだけど』
響歌『そういえばあの男、望月先生の味方みたいだったけど、どこに行ったんだろうね。
私は、あの人が捕まるまで一生モヤモヤが消えないと思う』
そう言って響歌は小さく拳を握りしめる。
それを見た蓮は、その上にそっと優しく手を乗せた。
:11/12/09 12:44 :Android :mKA2fdo2
#733 [みゆ]
もう終わりが近そうで寂しいです(>_<)
でも楽しみでもあるので頑張ってください(^O^)
:11/12/09 12:58 :841SH :Mhx5GMaU
#734 [輪廻]
>>733さん
いつもコメントありがとうございます(^^)
はい。もう少しなのでどうか最後までお付き合いください(^^)
:11/12/09 14:02 :Android :qdq6jceQ
#735 [輪廻]
蓮『それなら俺も同じ。
次見つけたら今度こそ取っ捕まえてやる。
お前も、奴を見かけたり何かされそうになったらすぐ連絡しろよ』
響歌『あ…ありがと…』
蓮『って…あ…悪ィ!』
赤面しながら手を放す蓮に、自然と笑みがこぼれる響歌。
当然その夜はよく眠れ、例の夢も見る事はなかった。
翌日ー
:11/12/09 23:29 :Android :FeU18146
#736 [輪廻]
午前7時30分、清々しい秋晴れの空。
帰る準備をし、リビングに行くと、蓮の父がいつものようにキッチン側のテーブルでコーヒーカップを片手に新聞を読んでいた。
『あ、村井さん…おはよう』
響歌の姿に気づくと、これまた明るい顔で軽く頭を下げて言う。
響歌『おはようございます。
あの、蓮はまだ…?』
『ああ、まだ一度も起きて来てないよ。
あいつも、剛史や麗奈の事があってからここ数週間、ろくに眠れてなかったらしい。
でも数日前の事が解決してからか、色々吹っ切れたんだろう…よく眠ってたよ』
響歌『そうですか…。
じゃあ、蓮が起きたら伝えてもらえませんか?
…“ありがとう”って』
:11/12/09 23:51 :Android :y4fwpmAg
#737 [輪廻]
『…もう行っちゃうのかい? 何か食べていってからでも…』
響歌『あ、いえ…大丈夫です。
あの、あと…』
口ごもる響歌に、首を傾げる蓮の父。
響歌『あと…“お父さんと仲良くするように”とも伝えてください』
『…む、村井さん…』
響歌『本当にお世話になりました。
あと、映画のチケットもありがとうございました』
そう言い、頭を深々と下げ、とても長く居たように感じた蓮の家を後にした―
:11/12/10 00:07 :Android :jBqEDOEA
#738 [輪廻]
実家に帰る前に響歌は一度、実家から徒歩20分ほどの距離にある、今まで住んでいたアパートに寄った。
部屋の鍵は開いており、久しぶりの部屋に入る。
響歌『(ここ出てからあんまり経ってないのに、何年かぶりに来たように感じるな…)』
少し室内を見渡したあと、クローゼットを開け、隅の方に置かれた大きめのリュックを取り出し、その中に入るだけの服を詰め込む。
響歌『(まだあるけど、また取りに戻ればいっか)』
最後に、忘れずにアパートの契約書をまるめてポケットに入れ、その部屋を出た。
:11/12/10 00:34 :Android :fF4w8sxA
#739 [輪廻]
リュックを背負い階段を下りた所で、ふと何かの気配を感じ、ハッと後ろを振り返る。
すると管理人の部屋の前に、黒いフード付きの服を着た男の姿があった。
その男はフードで鼻から上を隠していたが
唯一、露出しているニヤリとさせたその口元を見て、すぐにあの男だとわかった。
響歌『な…なんで…?』
驚いた顔をし、その場から後ずさりする。
:11/12/10 00:48 :Android :5h.uFjjc
#740 [輪廻]
男は、そんな響歌に襲いかかって来る訳でもなく、その場で響歌に笑みを浮かべながら、ただじっと立っている。
その顔に吸い込まれるように視線を外す事ができず、やがて身体や手足も震えだす。
立ったまま金縛りにあったような感覚になり、それはしばらく治まる気配はなかった。
すると突然、男がゆっくりと響歌の元に歩み寄ってきた。
響歌『だ…誰か…』
大声で助けを呼ぼうとしたが、よく見ると、朝の9時前だというのに周りに人の姿はない。
まるで、この世に自分とこの男しかいないのかと思わせるようにー
:11/12/10 01:16 :Android :5LxjkoDI
#741 [輪廻]
そして、ついに男は響歌のすぐ目の前に立った。
これは夢であって欲しいと、目をぎゅっとつむりながら心の中で祈る。
すると男は、響歌の耳元でぼそっと呟いた。
『ゲームはまだ終わらないよ…』
その言葉を聞いて、ぱっと目を開けて周りを見回すと、そこに男の姿はもうなかった―
:11/12/10 17:32 :Android :spUdrKjc
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