†horror†
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#111 [輪廻◆j6ceQ96kak]
男湯の脱衣場を見ると、座り込む雪乃がいた。


池崎『お客様…どうかなされましたか?』

女将の声に気づいた雪乃はゆっくり振り向いて、風呂場の方を指さした。


その方向に2人が目をやると、奥に真っ赤な何かが見える。

⏰:11/05/09 12:54 📱:T004 🆔:mHDv0ug.


#112 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『え…?』

その赤いものが何なのか、響歌にはすぐわかった。


響歌『血…?』


池崎『なんでございますって!?』

女将は一瞬腰を抜かしそうになったが、何かに気づいたように体制を戻し…

そして一言つぶやいた。


池崎『まさか…狼鬼様が…?』

⏰:11/05/09 12:58 📱:T004 🆔:mHDv0ug.


#113 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『狼鬼? それって何ですか…?』

恐る恐る響歌が聞くと、女将は震えながら答えた。


池崎『狼鬼様は…この山に言い伝えのある神様です…』


響歌『…神様?』


池崎『私は見た事がありません。しかし言い伝えによると、その狼鬼様は狼の顔で鬼のような形相をした、山を守る神様だと言われています』

⏰:11/05/09 13:05 📱:T004 🆔:mHDv0ug.


#114 [輪廻◆j6ceQ96kak]
吉田が聞いたら、嘘だと言ってバカにするような話だ。


しかし女将の震えた体と表情からは嘘とは感じられない。


響歌『とにかく! その話しは後で聞かせてください。女将さんはお風呂場の様子をお願いします。私は雪乃を部屋に連れて行きます!』


池崎『か、かしこまりました!』

響歌は床に崩れ落ちた雪乃の肩に手をやり、ゆっくりと立たせた。

⏰:11/05/09 13:11 📱:T004 🆔:mHDv0ug.


#115 [輪廻◆j6ceQ96kak]
部屋の料理はすっかり冷めていた。


雪乃を座椅子に座わらせ、響歌はその隣に座る。


響歌『…雪乃。一体何があったの?』


雪乃『…………』

よっぽど信じられない光景を見たのだろうか、雪乃の響歌を見る目は焦点が合っていない。

⏰:11/05/09 13:15 📱:T004 🆔:mHDv0ug.


#116 [我輩は匿名である]
つづきよみたい

⏰:11/05/10 18:28 📱:SH706iw 🆔:Ca8bmaZw


#117 [輪廻◆j6ceQ96kak]
>>116

ありがとうございますm(_ _)m

少しですが更新します。

⏰:11/05/10 23:40 📱:T004 🆔:HiXM/dJ.


#118 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『吉田さんは…?』


雪乃『ゆ、優斗が…』


響歌『どうしたの…?』

尋常ではない雪乃の表情。

この先を聞くのが怖かったが、響歌は問いただす。


雪乃『血まみれで…倒れてた…』


響歌『他に誰かいなかったの?』

ここまで言うと、雪乃の首がカクンと下がり響歌の問いに答える間もなく気を失った―

⏰:11/05/10 23:46 📱:T004 🆔:HiXM/dJ.


#119 [輪廻◆j6ceQ96kak]
気絶した雪乃をその場に寝かせると、奥からバタバタと足音が。


女将の池崎は響歌達の部屋に入るなり大声で叫ぶように言った。


池崎『大変でございます! 吉田様が浴場からいなくなられているんです!』


響歌『どういう事ですか!』

パニック寸前の女将に対して冷静に問う響歌。

⏰:11/05/10 23:52 📱:T004 🆔:HiXM/dJ.


#120 [輪廻◆j6ceQ96kak]
池崎『よ、浴室は血まみれで…吉田様の姿はありませんでした…。ああ、まさか狼鬼様の仕業…』


響歌『わ、私はそういうのは信じないんですけど…』


池崎『狼鬼様は汚れた心を持った者を襲います。そして身体を一つ残らず噛み砕いて食べると言われています…。もし吉田様が狼鬼様に食べられてしまったとしたら…あああ』

⏰:11/05/11 00:01 📱:T004 🆔:Oyb1g7Z2


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