†horror†
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#211 [輪廻◆j6ceQ96kak]
>>210さん
ありがとうございます。
2話も異様に長くなってしまいましたが、ここからラストまで一気に下り坂でいきます(^^)
:11/07/03 22:55 :T004 :kUqtO3H2
#212 [輪廻◆j6ceQ96kak]
話し終わった後、男は突然首をしかめた。
男『池崎旅館…? 確かそこは半年前に経営不振で女将が焼身自殺して、後に廃館になったはずだけど…』
響歌『…え? そんなはずは…。だって私達、現に昨日そこに来て…』
男『夢か何か見てたんだろうね…』
この男は何を言っているのだろうと思ったが、今の言葉の中の一つがひっかかった。
:11/07/03 23:01 :T004 :kUqtO3H2
#213 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『女将が焼身…自殺?』
男『ああ。新聞にも取り上げられてたはずだけどね。旅館の裏に焼却炉があるんだけど、そこに自ら入って自殺…だったかな』
ここへ来て、響歌の中で何かが繋がり始めていた。
焼身自殺した女将…
焼却炉…
旅館の狼の間にあった何かの焼けた物体…
昨夜、山の中で見た同じ物体と臭い…
:11/07/03 23:05 :T004 :kUqtO3H2
#214 [輪廻◆j6ceQ96kak]
途端に背筋が凍った。
男『だ、大丈夫かい? 顔が青白いけど…』
響歌『わからない…』
男の言葉を無視して独り言のように小さくつぶやいた。
強烈な目まいと吐き気が響歌を襲う。
男『しっかりしなさい!』
意識が飛びそうになる瞬間、男の大声でハッと我に帰った。
:11/07/03 23:10 :T004 :kUqtO3H2
#215 [輪廻◆j6ceQ96kak]
男『もう少しで旧道だ。そこからなら携帯電話も繋がると思う』
響歌『は、はい…』
目まいと吐き気も一瞬の出来事だったかのように、スッと収まった。
男に言われるがまま、再び歩き出す。
唯一、吉田と雪乃の事が気がかりで警察に頼めばなんとかしてくれると信じて…。
:11/07/03 23:17 :T004 :kUqtO3H2
#216 [輪廻◆j6ceQ96kak]
10分ほど歩いた所で、車道が姿を現した。
樹海のような山から脱出できたこの感覚に、響歌は神様に感謝したくなるほどであった。
男『携帯電話は、と…。私のは大丈夫みたいだ』
響歌も迷わず自分の携帯電話のディスプレイに目をやる。
アンテナは2つと不安定ではあるが、繋がらないよりはマシだという事で早速警察に電話をした。
:11/07/03 23:26 :T004 :kUqtO3H2
#217 [輪廻◆j6ceQ96kak]
110のボタンを押して、最後に通話ボタンを押そうとした時だった。
隣にいた男の手が響歌の腕を掴んだ。
響歌『な、なにするんですか…?』
男『せっかくここまで案内してやったんだ。礼くらいはしてもらわないとな』
男の目はさっきまでとは断然違っていた。
:11/07/03 23:30 :T004 :kUqtO3H2
#218 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『ちょっと放してください!』
手を振り払おうとするが男の力は強く、放れない。
男『アンタも雪乃って子と同じようにして欲しいのかい?』
男はニヤリと笑って言った。
響歌はその目つきと発言に何かとてつもない恐怖を感じ、体が震える。
:11/07/03 23:34 :T004 :kUqtO3H2
#219 [輪廻◆j6ceQ96kak]
男は更に詰め寄る。
男『雪乃って子がどうなったか知りたい?』
響歌『…雪乃をどこにやったんですか…?』
聞くのが怖い。
しかし今はそんな事を言っている場合ではなかった。
男『あの子なら昨日の深夜、森の中を歩いてるのを見かけてね…』
響歌『…それで雪乃はどこに!』
男は裂けそうになるくらいに口を大きく開けてニカッと笑うと、響歌に止めをさすような一言を言い放った。
:11/07/04 00:01 :T004 :wweJ6902
#220 [輪廻◆j6ceQ96kak]
男『殺したよ…』
響歌『……え……?』
男『聞こえなかったかい? 殺したって言ったんだよ』
それを聞いた瞬間、もう全てが終わったと思った…。
冗談を言っている様子はない。
男の視線は響歌をずっと捕らえている。
この場から一刻も早く逃げないと殺される…
そう直で感じた響歌は、男の手を最大限の力を使って振り払った。
:11/07/04 00:11 :T004 :wweJ6902
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