†horror†
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#361 [輪廻◆j6ceQ96kak]
自分自身の身に起きた事故はただの偶然。


そう思う事にし、新しい出会いと希望が待っている高校へと進んだ。


七瀬とは学校は離れ離れにはなったが、二人は今も親友として交友を深めている―


新しい高校生活のスタート。


しかしそれは同時に現在の彼女にもおける“魔のスタート”でもあった―



第3話 消失なる射影【完】

⏰:11/07/21 01:49 📱:T004 🆔:XtjzSh4A


#362 [輪廻◆j6ceQ96kak]
またあの夢だ。


暗闇の中で手足の自由がきかず、次第に息苦しくなり意識が薄れる。


そこで目を覚ます。


中学生の時に事故を起こした時から稀に見る夢。


夢から覚めた後も、まるで現実のようにハッキリと覚えている。


あの感覚を…。


思えばあの時から全ては始まっていたのかもしれない―

⏰:11/07/21 01:54 📱:T004 🆔:XtjzSh4A


#363 [輪廻◆j6ceQ96kak]
第4話【共鳴なる戦慄】


響歌『はっ!』

意識が途切れる瞬間に目を覚ます。

いつものアパートの部屋。


鳥の囀りが朝を伝える。

中学生の時のあの頃を思い出していた時に、またあの夢を見るようになっていた。


身体が重かった。

無理もない。


アルバイト先の仲間であり友達だった松下雪乃を亡くし、同じくアルバイト先の先輩だった吉田優斗が行方不明で響歌には精神的にショックが大きかった。

⏰:11/07/21 02:03 📱:T004 🆔:XtjzSh4A


#364 [輪廻◆j6ceQ96kak]
夜も二人の事やあの旅館での出来事などを考えると、寝られずにいる事も多々ある。


おかげでアルバイトには遅れる事もあり、店長にも幾度となく怒られる毎日が続く。


大学へは事情を話して休学届けを出している。


朝7時30分―


なんとか重い身体を起こして、キッチンに向かい冷蔵庫を開ける。

⏰:11/07/21 02:10 📱:T004 🆔:XtjzSh4A


#365 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『そりゃ何もないよね』

ここ最近はアルバイトから帰って来てもすぐに布団に入る事が多く、食べ物は買い溜めしておいたカップラーメンしかない状態だった。


仕方なくコンビニ袋に入った大量のカップラーメンの中から一つを出し、携帯電話を手に取る。


いつもはここらへんで雪乃からのおはようメールが送られてくる。


しかし、もう来る事はない。


そんな事はわかりきっているのに、ついつい携帯電話を開いてみる。


響歌『………』

⏰:11/07/21 02:16 📱:T004 🆔:XtjzSh4A


#366 [輪廻◆j6ceQ96kak]
電話帳を開いて、松下雪乃と吉田優斗のデータを消去し、携帯電話をベッドの上に乱暴に投げつけた。


途端に食欲が無くなり、カップラーメンのフタを中途半端に開けたままアルバイトの準備に入った。


午前8時を過ぎ、溜まったゴミ袋を持って早めに部屋を出る。


ゴミ捨て場にはいつも通り、掃除をしている隣人の武田の姿があった。


武田『あら村井さん、もう出掛けるの?』

⏰:11/07/21 02:30 📱:T004 🆔:XtjzSh4A


#367 [輪廻◆j6ceQ96kak]
精神的にも不安定でイライラしていた響歌は、武田の言葉を無視してゴミ袋をこれまた乱暴に投げ入れ、早歩きでその場を立ち去った。


武田『…………』

武田は首を傾げながら響歌の後ろ姿を黙って見ていた。


いつものバスに乗ってアルバイト先へと向かう。


店の店長や従業員は、雪乃や優斗の事を知らずにいる。


二人とは旅館に行ったという事で響歌に色々聞いてきたが、響歌は言っても信じてもらえないと思い、わからないと言い張った。

⏰:11/07/21 02:38 📱:T004 🆔:XtjzSh4A


#368 [でりーと]
でりーと

⏰:11/07/22 13:20 📱: 🆔:・・・


#369 [輪廻◆j6ceQ96kak]
今日も聞かれるのかと思うと、鬱になってくる。


二人の事を考えながらバスに揺られて外を眺めていると、窓の外に見覚えのある人物が目に入った。


響歌『…!!』

茶髪で長い髪をしたスラっとした体型の女性。


間違いなく、あの山の中で彼氏と思われる男性と一緒にいた女性だ。


響歌の命の恩人でもある人物だった。

⏰:11/07/22 13:32 📱:T004 🆔:7DA9vZNk


#370 [輪廻◆j6ceQ96kak]
早めにアパートを出た為、出勤にはまだ時間あると踏んだ響歌は、次の停留所でバスを降りて女性の元へ向かった。


響歌『あ、あの…』

女性は最初はキョロキョロしていたが、やがて振り返る。


『…はい?』

その特徴的なハスキー声にも聞き覚えがあった。


響歌『私の事、覚えてませんか?』

女性は首を傾げながら響歌の顔をジッと見つめる。

⏰:11/07/22 13:38 📱:T004 🆔:7DA9vZNk


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