†horror†
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#558 [輪廻◆j6ceQ96kak]
>>557さん
そう言って頂けると力が湧きます。
ありがとうございます(^^)
――――――――――
何かに導かれるように、すっかり日が落ちた住宅街を歩く。
見慣れない風景に新鮮さを感じつつ麗奈の事を思い出しながら。
響歌『…………』
初めて出会った時の事や、自分の事をまるで身内のように扱ってくれた事を思うと、やがて涙が溢れ出しこぼれ落ちていった。
自分は麗奈に何もしてあげられなかった。
ただ隣にいて話を聞く事しかできなかった自分を呪いたい気分だった。
:11/09/30 00:41 :S004 :hh6EMtw6
#559 [輪廻◆j6ceQ96kak]
麗奈の代わりに自分が死ねばよかったんだとさえ思う。
自分の無力さをつくづく思い知り、人目を阻からずその場で泣きじゃくった。
まるで小さな子供のように―
:11/09/30 13:23 :S004 :hh6EMtw6
#560 [輪廻◆j6ceQ96kak]
どれくらいの時間泣いただろうか。
辺りはすっかり暗く、人の姿が見当たらない。
そんな中、響歌の背後から足音が聞こえてきた。
それは段々とこっちに近づいてくるようだ。
なぜか後ろを振り返ってはいけない気がし、響歌はその場で固まっていた。
響歌『(こ、この感じ…)』
この気配には覚えがあった。
:11/09/30 13:31 :S004 :hh6EMtw6
#561 [輪廻◆j6ceQ96kak]
数週間前に山で起こった出来事。
背後から近づいて襲いかかってきた、とある旅館のこの世に存在しないはずの女将。
あの体験と同じ感じがした。
響歌『(逃げなきゃ…)』
雪乃や麗奈の顔を思い浮かべた途端、さっきまで動かなかった足が動き、考えるより先に走っていた。
“あの時”と同じく―
:11/09/30 18:44 :S004 :hh6EMtw6
#562 [輪廻◆j6ceQ96kak]
以前は雪乃、そして今回は麗奈と導かれるように走った末、足を止めて上を見上げると蓮の家にたどり着いていた。
ここらへんの道は全くわからないというのに迷いもせず、そして背後から近づいてきた人物と鉢合わせする事もなく家に戻ってきた事を不思議に思った。
今度は麗奈が助けてくれたのかもしれないと思うと再び涙が溢れてくる。
蓮『村井?』
響歌の泣き声を聞きつけたのか、蓮が家のドアを開けて駆け寄る。
:11/09/30 18:57 :S004 :hh6EMtw6
#563 [輪廻◆j6ceQ96kak]
その後に続くように中から1人の警官と、蓮の父親も出てきた。
『大丈夫かい?』
警官がそう言って響歌の肩をトンと叩く。
響歌『……!!』
その時、何かゾクっとするような寒気を感じて警官の方に目をやると、そこには響歌の見覚えのある顔があった。
:11/09/30 19:19 :S004 :hh6EMtw6
#564 [我輩は匿名である]
めちゃくちゃ面白いです!
一気に読んでしまいましたw
続きが気になるけど終わってほしくない…そんな気持ちです。
本当におもしろいです!
今後の更新楽しみにしていますので、無理をなさらず頑張ってくださいね\(^-^)/
:11/10/02 04:52 :Android :eCyYU7o.
#565 [輪廻◆j6ceQ96kak]
>>564さん
そんなお言葉…私にはもったいないです。
でも嬉しいです(^^)
ありがとうございます!
これから過去篇など入る予定なのでお話はまだまだ続きます!
どうか最後までお付き合いください(^^)
:11/10/02 21:44 :S004 :LMa5fxW2
#566 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『…あ、あの時の…』
震えた手で警官を指さしながら言うと、彼はニヤリと微笑んだ。
蓮『村井、この人の事知ってんの?』
響歌と警官の顔を交互に見ながら聞く。
響歌『こ、この人…』
『とにかく、またお話を伺う事になるかと思うので、その時はご協力よろしくお願いします』
警官は響歌の言葉を遮り、蓮の父に向かってそう言うと、早々とその場を後にしていった。
:11/10/02 21:46 :S004 :LMa5fxW2
#567 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『村井さん、寒いから家に入りなさい』
蓮の父に言われ、蓮と一緒に家に入った。
リビングのソファに3人座り、少しの沈黙の後、最初に口を開いたのは蓮だった。
蓮『村井、さっきの警官知り合い?』
響歌『…あの時の…』
数年前の記憶が今、蘇ろうとしていた。
5年前…
響歌が高校生だった頃の記憶が今―
:11/10/02 21:49 :S004 :LMa5fxW2
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