†horror†
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#711 [輪廻]
 
 
蓮『おいオッサン、それは矛盾してるだろ。警察ならまず、この先生の持ってるナイフを捨てろとか言うっしょ』


  『ふーん、見た目とは違ってマトモな事言うじゃない』


蓮『アンタがマトモじゃねーんだよ』

2人のお互い一歩も退かない緊迫した言い合いはしばらく続いた。


  『…うまい事言うね。とにかく、その女を放してくれたら命だけは助けるよ。
親友の井本七瀬を早く助けたいでしょ?』


蓮『バカにすんじゃねーよ。
だったらまず、井本がそこの体育倉庫にいるかどうか証拠見せろよ』

ここで男が一瞬だけ、小さく舌打ちするのを響歌は見ていた。
 
 

⏰:11/12/07 16:23 📱:Android 🆔:IjLWb1I2


#712 [輪廻]
 
   
そして、男はついに本性を現すー


  『口の減らねぇガキだな。
そんな奴を黙らせるにはこれしかねえかぁ!』

男は帽子をその場に投げ捨て、腰の裏側に手を回し、そこから素早く拳銃を取り出して蓮の方に銃口をつきつけた。


響歌『……!!』


蓮『……ッ!!』


望月『村井さん、桐谷くん…残念だけどここでゲームオーバー。
桐谷くんにはデスネットからの通達はしてないけど、村井さんと一緒に死ねるなら本望よね?』

余裕の表情の望月が言う。
 
 

⏰:11/12/07 16:42 📱:Android 🆔:/aMYYSR6


#713 [輪廻]
 
 
蓮『ちっ…銃とか卑怯だろ…』

まだ強気な事を言う蓮だが、その表情はとても動揺していた。


  『ほら、死にたくねえならさっさとその女の手離せよ』


響歌『(ど…どうしたらいいの…? 誰か…助けて…お願い…!)』

目をぎゅっとつむり、心の中で祈る響歌。


男は拳銃の引き金をゆっくりと人差し指で押していく。


その時―


突然体育館の明かりがパッと消え、辺り一面真っ暗闇に包まれた。
 
  

⏰:11/12/07 17:04 📱:Android 🆔:kCCTFzeY


#714 [輪廻]
 
 
  『なんだ…?』


響歌『…えっ?』


蓮『…!?』


望月『…!?』

4人はこの状況に戸惑いを隠せず、ただ呆然とする。


外も暗いせいで誰の姿も見えない。


そんな中、暗闇で誰かが走り出した。


それが蓮なのか、望月なのか、あの男なのか…響歌には微塵もわからない。


確かな事は、足音は二つするという事だった。


一つは入り口の方に向かい、もう一つは響歌達の方に駆け寄ってくる。
 
 

⏰:11/12/07 17:25 📱:Android 🆔:x.xFNjwk


#715 [輪廻]
 
 
何が起きているのか理解できずその場で固まっていると、いきなり誰かの手が響歌の腕を掴み、耳元でこう囁く女の声がした。


  『こっち!』

手をひかれながら暗闇を走り、扉が開かれ、廊下へと出た。


響歌『誰…?』

廊下を走っている最中、もしかしたら望月なのかもしれないと思い、掴まれている手を払いのける。


すると向こうは立ち止まり、一言こう返した…


  『久しぶり…響歌』

やがて慣れてきた目で、その人物を見ると…


響歌『……ナナ? ナナなの?』

立っていたのはまぎれもなく、親友の井本七瀬だった。
 
 

⏰:11/12/07 17:51 📱:Android 🆔:5HxzjzY6


#716 [輪廻]
 
 
響歌『ナナ…なんでここにいるの?』


七瀬『ごめん、詳しい事は後で話す。
とにかく今は早く逃げよう!』

2人は、入ってきた裏口へと急ぐ。


そして外へ出た瞬間、一発の銃声が響いたー


響歌『…!!』

その銃声を聞いてすぐ思い浮かんだのは蓮の姿だった。


響歌『蓮! 蓮が!』


七瀬『…だめ!』

血相を変え再び校内に入ろうとする響歌を七瀬が止める。
 
 

⏰:11/12/08 13:14 📱:Android 🆔:Cun1p.Yo


#717 [輪廻]
 
 
響歌『だって! 蓮が…!』


七瀬『キリなら大丈夫だよ!
とにかく落ち着いて響歌!』


響歌『…………』


銃声がしてから数分が経過した所で、校門の方からパトカーのサイレンが聞こえ、同時に裏口から蓮が走って出てきた。


響歌『…蓮!』


蓮『なんだよ村井…その顔…』

涙でボロボロになった響歌の顔を見て、蓮は苦笑いする。
 
 

⏰:11/12/08 13:16 📱:Android 🆔:Cun1p.Yo


#718 [輪廻]
 
 
響歌『さっきの音は…?』


蓮『わかんねえ。
さっき体育館で電気が消えた時、チャンスだと思ってあのオッサンを取り押さえようと思ったんだけど…』


響歌『じゃあ…入り口の方に走っていったのは蓮だったの?』


蓮『まあな。でも、さすがにあんな暗くちゃ無理だった』


七瀬『ちなみに電気を消したのは、あたしなの』

思いがけない七瀬の言葉に、2人は同時に七瀬の方を見る。
 
 

⏰:11/12/08 13:18 📱:Android 🆔:Cun1p.Yo


#719 [輪廻]
 
 
蓮『井本、お前だったの?
でもどうやって消した? 電源の所には誰もいなかったよな?』


響歌『う、うん…』

今度は2人顔を見合わせる。


そんな2人を見て、七瀬はクスリと小さく笑った。


七瀬『やっぱり2人共変わってない…』


蓮『…は? どーゆー意味だよ?』


七瀬『なんでもない。
体育館の電気は、ブレーカーを落としたんだよ』


響歌『あっ! ブレーカー…』

なるほど、と納得した顔をする。
 
 

⏰:11/12/08 13:20 📱:Android 🆔:Cun1p.Yo


#720 [輪廻]
 
 
蓮『なんだ、ブレーカーか…。
ところで井本、お前はどこで監禁されてたの?』


七瀬『体育館のステージを上がった横にあるブレーカーとかある小さな部屋だよ。
そこで気失ってたみたいで…起きたら、外からキリの声が聞こえてきたの』


蓮『…5年も会ってなかったのに、よく俺の声だってわかったな』


七瀬『覚えてるに決まってるじゃん。だって…』

その先を言おうとした所で、パトカーから数人の警察官が降りてきて、こちらに駆け寄ってきた。
 
 

⏰:11/12/08 13:21 📱:Android 🆔:Cun1p.Yo


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