悪魔と天使の暇潰し
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#132 [匿名]
「電車のホームだ。」
「お前刺すだけじゃなくて、突き落とす事も出来んのか!」
「ああ。一通りの殺し方は身に付いているし、バレる心配もない。」
自信に満ちた顔だ。
最寄り駅から電車に乗って、一度だけ乗り換え地下鉄のホームについた。
ここにターゲットは現れるらしい。しっかりと調査済みみたいだ。
:11/06/13 18:06 :F06B :VWDbyeCI
#133 [匿名]
パラパラと人が階段から降り、ホームに溜まってきた。
溜まるといっても、俺達の他に3人いたサラリーマンに、5、6人増えただけだった。
終電よりも早く、帰宅ラッシュを過ぎた時間なので、いつもこの電車のホームはこのくらいの人しかいないらしい。
その中で一人、他のサラリーマンとは雰囲気の違う男が現れた。
:11/06/17 14:40 :F06B :i5j7jaOw
#134 [匿名]
「あれが殺すターゲットだ。」
そいつは小太りで、身長も小さい。チンピラですが?という出で立ちで、ふらふらしながら立っていた。
「あれ酔っぱらってんな?」
「ああ。絶好のチャンスだ。お前らはここで待ってろ。」
そう言うと、ターゲットはすたすたと歩き出した。
「まもなくー3番線にー電車が参ります。」
白線の――とアナウンスが流れ出し、奥の方から、ゴーっという電車の近付く音がした。
:11/06/17 14:43 :F06B :i5j7jaOw
#135 [匿名]
電車はまだ止まるために、速度を落としていないように感じる。電車の走る音が大きくなってきた。
殺されるチンピラターゲットは、ふらふらと電車が来る方を覗いたり、ゴルフのスイングをしていた。
全く、緊張感のないやつだ。自分が殺されるなんて1ミリも考えていないのだろう。
俺達のターゲットは、自然にチンピラターゲットに近付いていた。
:11/06/17 15:02 :F06B :i5j7jaOw
#136 [匿名]
足音が聞こえない。確かに歩いているのに、浮いているみたいだった。
チンピラターゲットは、男が自分に近付いて来ている事に、全く気付いていない。
電車がホームに入ろうとした、まさにその時。
ターゲットは殺す相手の真後ろまで近付いていた。
:11/06/17 15:14 :F06B :i5j7jaOw
#137 [匿名]
そしてターゲットがチンピラターゲットの後ろを通り過ぎると同時に、男の体がふわっと宙を舞った。
そして線路に落ちた。落ちたとほぼ同時に電車が通り、轢かれた。
ドンッという音と、電車の急ブレーキの音で、回りは騒然とした。
だが誰一人、状況を把握出来ていない。
何が起こったか分かっているのは、俺達二人だけらしい。
:11/06/17 15:20 :F06B :i5j7jaOw
#138 [匿名]
さすがだ。そう言う他に、何も言葉が出なかった。
「完了!」
周りがザワザワとしだした時、遠回りをし、清々しい顔をしてターゲットが俺達の元へ戻ってきた。
ちらほらいた他のサラリーマンと駅員を残して、俺達はその場を離れた。
見事、誰にもばれずに、ターゲットは人殺しをやってのけた。
:11/06/17 15:25 :F06B :i5j7jaOw
#139 [匿名]
「人身事故だってよ。」
「また飛び降り?迷惑だよなー。死にたいなら一人で首でも吊って死ねよな!」
すれ違うサラリーマンがそんな話をしていた。
この殺人は、自殺という事で片付くんだな、とふと考えた。
「誰も俺が殺ったとは思ってないみたいだな。」
そう言うターゲットは、自信満々で、自慢気な顔をしていた。
:11/06/22 12:20 :F06B :geuAFvbY
#140 [匿名]
「俺の仕事は終わりだ。」
駅を出ると、ターゲットは煙草に火をつけ、すたすたと歩き出した。
「どこに行くんだ?」
「何処だっていいだろ。」
「家には帰らないのか?」
「ああ。」
「何処に行くんだ?俺達にはまだ時間があんだよ。」
「何の時間だよ。」
暇潰しは1日2時間だからだ!なんて言えない。
:11/06/23 20:18 :F06B :cUgMVL8s
#141 [匿名]
「少し話をしないか?」
あいつがふわっとした笑顔をターゲットに向けた。
「何を話すって言うんだよ。何もないだろ。」
「お前になくても俺にはある。いや、お前にもあるんじゃねーのか?俺達が何者か気にならねーのかよ。」
挑発するように、俺は真っ直ぐターゲットを見て言ってやった。
ターゲットの眉間に皺が寄る。俺の表情を見て、何が隠されているのか探っているみたいだ。
:11/06/23 20:19 :F06B :cUgMVL8s
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