悪魔と天使の暇潰し
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#175 [匿名]
「…勝手に言ってろ」
ターゲットは俺から逃げるようにレジに並んだ。
帰り道、ターゲットは嫌な顔をしたが、俺は気付かぬふりで隣を歩いた。
ターゲットは何も喋らない。さっきの俺の言葉が、効いていればいいけど。
…ん?
そもそも罪悪感なんてこの男にあるのか?
今日も人を殺しちゃったなー。可哀想だったなー。もし子供がいたら子供は非行に走ってしまうだろうなー。あー本当申し訳ない。
なんて考えがある奴が50人も殺せるのか?
もしかしたら俺は、的外れな事を言っていたのではないか?
:11/07/12 18:57 :F06B :Y9s0yC6I
#176 [匿名]
そういえば、あいつも断定はしていなかった気がする。
「自分が強く思い込みをすればするほど、それが事実とは異なっていても、事実であると勘違いしてしまう、事がある時もあるらしい。」
あいつはそう言っていた。なんともあやふやじゃないか!
俺はあいつに騙されたのか?良く考えてみれば、敵の悪魔が有利になる情報を、易々と提供する馬鹿な天使がいるか?
今日上へ帰ったら文句を言ってやる。怒鳴り散らして喚いてやる。
:11/07/12 22:54 :F06B :Y9s0yC6I
#177 [葵]
:11/07/13 04:01 :SH06A3 :☆☆☆
#178 [匿名]
>>177葵さん
ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです(^^*)
:11/07/13 20:52 :F06B :XVRIBGCs
#179 [匿名]
「なあ。」
そんな事を考えていたら、ターゲットがいきなり声を出した。俺に言ったらしい。
「お前、喧嘩強いんだよな?」
「当たり前だろ」
悪魔が人間に負けるわけがない。力も速さも運動神経も人間なんかより上回っている。
そして何よりも殴られたって刺されたって、たいした痛みは感じない。
傷は触れればすぐに治る。
そんな俺が人間相手にやられるわけがないのだ。
:11/07/14 12:27 :F06B :mPWudR..
#180 [匿名]
「だよなー悪魔だもんなー」
「お前馬鹿にしてんだろ?」
「し、て、な、い、よ!」
「片言じゃねーか!」
「そ、ん、な、こ、と、な、い、よー!」
「やめろ!面倒くせぇ」
「あはは、笑わせんなよ」
「それはお前だろーが!」
無駄な会話だ。
こんな会話をしている場合じゃない。
:11/07/14 12:29 :F06B :mPWudR..
#181 [匿名]
「で?お前の知り合いか?」
コンビニを出た時から、視線は感じていた。
「さあ?よくわかんねぇ」
俺の知り合いなわけがないし、完全にターゲットの知り合いな事は間違いないはずだが、後ろにいて顔が見えないせいか、ターゲットも誰だか分からずにいる。
つけられた。
最初は2、3人だったが、コンビニから遠くなるにつれ人数は増えている様子だ。
多分後ろに10人はいる。
:11/07/14 12:33 :F06B :mPWudR..
#182 [匿名]
「お前を恨んでる奴なんて死ぬ程いるんだろうなー」
冗談を言ってみた。でも実際に狙われると、冗談が冗談じゃなくなってしまうみたいだ。
「うるせぇな。ダッシュで逃げるか戦うか」
現に張本人は笑っていない。
俺達が歩いている場所はコンビニのある大通りを一本奥に入った人通りの少ない道だ。
ターゲットの家までは走って一分でつける距離。
この道の始まりと終わりに、立入禁止の標識があるのか?と疑えるほど、一般人がいなかった。
:11/07/14 12:36 :F06B :mPWudR..
#183 [匿名]
「逃げるのも大変そうだ」
前から仲間らしい大群が俺達の方へ向かって来るのが見えた。
10人はいるように見える。って事は後ろも合わせて20人?
「お前って疫病神だな」
と、ターゲットが言う。
「まぁ悪魔だからな、否定できねぇ。だけど俺の悪運は強い!」
「なら隙を見て逃げろよ。どうせこいつらの標的は俺だろ?」
ターゲットが首を鳴らす。喧嘩の前の威嚇なのか、逃げる前の準備運動なのか、どちらにも見えた。
:11/07/14 12:38 :F06B :mPWudR..
#184 [匿名]
「いや、俺は逃げねぇよ?」
カッコつけんなよ!とターゲットが俺を睨んだ。
「今ここでお前に死なれちゃ困んだよ。…明後日自殺してもらうんだからなー」
冗談に聞こえないように、真顔でターゲットを見た。
「どっちみち俺は死ぬしかねーのか?」
「ああ。そういう事になる」
「だったら今殺されても俺からしたら変わんねぇな?自分で命を捨てるより、誰かに殺られる方が、意外にマシかも」
ターゲットが鼻で笑う。
:11/07/14 12:43 :F06B :mPWudR..
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