悪魔と天使の暇潰し
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#23 [匿名]
「話したい事があるんだけど、いいかな?」
俺はあまり演技はしない。前に警察と幽霊を演じて、それはそれは上手くターゲット達を騙したけど、疲れる。
「何でしょうか?」
浮気男の嫌な顔は崩れない。
「ここじゃ話しにくい内容なんだけど、いいの?」
俺の言葉に浮気男の顔はどんどん歪んでいく。
:11/05/02 13:13 :F06B :ITgRPnl6
#24 [匿名]
怪しい者を見る目だ。ただそれは正しい判断だと思う。
「勧誘か何かならお断りします。宗教だとか絵画や壺には興味がありません。」
では、と浮気男は帰ろうとするので、とっさにあの写真を見せてみた。
ターゲットと浮気男が腕を組ながらホテルから出てくる写真だ。
「なっ!」
慌てた男は、写真を取り上げようとするので写真はポケットにしまった。
:11/05/02 13:14 :F06B :ITgRPnl6
#25 [匿名]
「これさ奥さん宛に送りつけられたくないよね?浮気バレたら嫌だよね?」
不気味に笑ってみせる。
「か、金か?いくら欲しいんだ!金なら用意する!」
「…一億。」
人差し指を立てて浮気男の鼻すれすれの位地で見せてあげる。分かりやすいように。
「え、いい、一、一億!?」
驚きすぎだろ。
:11/05/02 13:18 :F06B :ITgRPnl6
#26 [匿名]
笑いが込み上げてくる。
「嘘に決まってんじゃん。金なんかいらねーよ!」
何でもかんでも金で解決しようとしやがって。俺はそういう人間が大嫌いだ。
「じゃあ何なんだ?」
自分がからかわれた事に怒りが込み上げてきたのか、浮気俺の眉間には皺が寄る。
「…ただ」
:11/05/03 14:52 :F06B :KitM6Z2s
#27 [匿名]
「ただ、この女と別れて欲しいんだ。どーせ本気じゃねーんだろ?もしこの女が本気で好きなら今の家族と離れろ。奥さんと離婚して、子供とは一生会うな!…さあ、どっちがいい?」
浮気男は何かを考えている。
「悩む事かよ。」
正直ガッカリだ。ガッカリだし悩まれては困る。
「てめーにとって一番大切なのは何だ?若いだけで何も考えてないあの馬鹿な女か?」
:11/05/03 14:54 :F06B :KitM6Z2s
#28 [匿名]
「…そんなわけないだろ!」
浮気男が口を開いた。
「俺が一番大切なのは妻と娘だ!二人を手放すつもりはない!」
一安心だ。
「それでいい。あの女とは終わりにするな?嫌とか言うんじゃねーぞ。」
「ああ、もう十分遊んだ。そろそろ飽きてきた所だったからな。」
:11/05/03 14:57 :F06B :KitM6Z2s
#29 [匿名]
「悪い男だなー。」
悪魔の俺が感心してしまう。
「それでいいんだろ?それだけでいいんだよな?」
浮気男はもう冷静さを取り戻していた。
「ああ、それだけでいい。しっかりやれよ。期限は明後日までだ。俺はお前達を見ているからな。変なマネしたら家族崩壊すると思え。」
浮気男の顔が少し強ばった。
「ばれないと思ったら大間違いだからな?」
:11/05/03 15:00 :F06B :KitM6Z2s
#30 [匿名]
「お前は何者なんだ?何でこんな事をする。誰かに頼まれたのか?」
俺が帰ろうとすると浮気男から質問が飛んできた。疑問に思うのは当たり前だ。
見ず知らずの男に浮気の証拠を握られ、脅される。普通なら金を要求される所だが、それもなく、ただ別れろと言う。
「あの女の男か?」
そう思わせといた方がいいのか悩む。
:11/05/03 15:02 :F06B :KitM6Z2s
#31 [匿名]
「違う。この女の事は何も知らない。」
俺は正直者だ。
悪魔には珍しいんだ。
「じゃあ一体誰に?」
「誰でもねーよ。俺はただの悪魔だからな。」
「つまらん比喩だな。」
この浮気男は基本的に物事に動じない奴なのかもしれない。
「こんなに的確な比喩は他にはないと思うけどな。」
:11/05/03 15:04 :F06B :KitM6Z2s
#32 [匿名]
三日目
ふわふわとあいつが下から戻って来た。
「おう!どーだ?順調か?」
俺はこれからターゲットに絶望を与えに行く所だ。そう考えると笑顔が止まらなくなる。
「うん。まあ普通かな。」
今日もあいつは余裕だ。
こいつが焦る事はあるのか?
:11/05/04 22:09 :F06B :dCxt.5wQ
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