悪魔と天使の暇潰し
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#33 [匿名]
「ターゲットの奴、泣いたりしてなかったか?」
もしかしたらあの浮気男がもう別れ話をしているかもしれない。
「いや、そんな事はなかった。まだ浮気男が話していないんじゃないかな?」
ああそうか。
「…つーかお前、昨日も俺の事見てたのかよ!」
あいつはニコッと笑う。
:11/05/04 22:11 :F06B :dCxt.5wQ
#34 [匿名]
「見られてたらまずかったか?」
あいつは終始余裕の笑みで俺を見ている。
「まあいずれ分かる事だ。一々そんな事気にしたりしねーよ!」
本当はこいつを驚かせてやりたかった。焦りながら、どうしようと悩む姿を笑いながら見たかった。
だけどいつもこいつの方が一枚上手なんだ。
:11/05/04 22:12 :F06B :dCxt.5wQ
#35 [匿名]
「まあ今は思う存分笑っとけ!そんな風に笑ってられるのも今だけだからな!」
そうだ、今日はこれからターゲットに絶望を味わってもらうんだ。
浮気男がターゲットに別れを切り出していないのなら、その前にネタばらしをしてしまおう。
そのあとに浮気男の口から別れ話を切り出されたら、そりゃあもう立ち直れないだろう。死ぬかもしれない。
:11/05/04 22:15 :F06B :dCxt.5wQ
#36 [匿名]
「これから行って来るからお前は上で大人しく見とけよな!」
あいつの目を指差す。
「はいはい。」
そんな風に笑っていればいいんだ。俺は込み上げてくる感情を抑えつつ下に降りた。
:11/05/04 22:16 :F06B :dCxt.5wQ
#37 [匿名]
夜の8時。空は黒く、街の明かりが賑やかに感じる。
ターゲットは一人家を出て駅に向かって歩いている。相変わらず髪の毛はくるくるしていて、スカートは短めだ。
駅の改札の前、ターゲットが向かってくるのを待つ。若い男にいきなり声をかけられたらきっと警戒するだろうな。もしかしたら俺の事を無視するかもしれない。
:11/05/07 17:49 :F06B :igzhg2pM
#38 [匿名]
どう声をかけようか悩んだが、良いアイディアは浮かばない。しょうがない、行動あるのみだ!
ターゲットが視界に入る。俺がずっとターゲットを見ていると目が合った。
すぐに目を反らされる。想定の範囲内だ。
悩んでいてもしょうがないんだから声をかける事にした。
「ねぇねぇ。」
:11/05/07 17:51 :F06B :igzhg2pM
#39 [匿名]
「はい!」
ターゲットは笑顔で振り返った。目がキラキラと輝いている。
想定外だ。
「ちょっと話したいんだけど、いいかな?」
「10分くらいなら〜」
ターゲットは上目遣いで俺を見てくる。
「あ、ありがとう。」
:11/05/07 17:53 :F06B :igzhg2pM
#40 [匿名]
駅から少し遠ざかり、人通りの少ない公園のベンチに腰掛けた。
「何ですか〜?話しって。」
早くこの場を去りたい。
「君さ、彼氏いるでしょ?」
「え?」
ターゲットは困った顔をした。
:11/05/07 17:55 :F06B :igzhg2pM
#41 [匿名]
「その彼氏の事なんだけど、そいつはもう結婚してんだ。子供もいる。どこにでもいる幸せな家庭を築いてんだよ。」
ターゲットは下を向いたまま何も喋らない。そりゃショックだろう。自分が騙されていたんだから。
「君は騙されてたんだ。」
「…知ってます。」
え?知ってる?
:11/05/07 17:58 :F06B :igzhg2pM
#42 [匿名]
「彼に家庭がある事は知ってます。それでも好きになってしまったんです!」
俺が自分に好意を抱いていないと分かったターゲットは上目遣いをやめ、喋り方もハキハキとしだした。
「彼には家庭がある。だから身を引け。そう言いに来られたんですか?」
:11/05/07 18:02 :F06B :igzhg2pM
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