悪魔と天使の暇潰し
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#24 [匿名]
怪しい者を見る目だ。ただそれは正しい判断だと思う。
「勧誘か何かならお断りします。宗教だとか絵画や壺には興味がありません。」

では、と浮気男は帰ろうとするので、とっさにあの写真を見せてみた。

ターゲットと浮気男が腕を組ながらホテルから出てくる写真だ。

「なっ!」

慌てた男は、写真を取り上げようとするので写真はポケットにしまった。

⏰:11/05/02 13:14 📱:F06B 🆔:ITgRPnl6


#25 [匿名]
「これさ奥さん宛に送りつけられたくないよね?浮気バレたら嫌だよね?」

不気味に笑ってみせる。

「か、金か?いくら欲しいんだ!金なら用意する!」

「…一億。」

人差し指を立てて浮気男の鼻すれすれの位地で見せてあげる。分かりやすいように。

「え、いい、一、一億!?」
驚きすぎだろ。

⏰:11/05/02 13:18 📱:F06B 🆔:ITgRPnl6


#26 [匿名]
笑いが込み上げてくる。

「嘘に決まってんじゃん。金なんかいらねーよ!」

何でもかんでも金で解決しようとしやがって。俺はそういう人間が大嫌いだ。

「じゃあ何なんだ?」

自分がからかわれた事に怒りが込み上げてきたのか、浮気俺の眉間には皺が寄る。

「…ただ」

⏰:11/05/03 14:52 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#27 [匿名]
「ただ、この女と別れて欲しいんだ。どーせ本気じゃねーんだろ?もしこの女が本気で好きなら今の家族と離れろ。奥さんと離婚して、子供とは一生会うな!…さあ、どっちがいい?」

浮気男は何かを考えている。

「悩む事かよ。」

正直ガッカリだ。ガッカリだし悩まれては困る。

「てめーにとって一番大切なのは何だ?若いだけで何も考えてないあの馬鹿な女か?」

⏰:11/05/03 14:54 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#28 [匿名]
「…そんなわけないだろ!」

浮気男が口を開いた。

「俺が一番大切なのは妻と娘だ!二人を手放すつもりはない!」

一安心だ。

「それでいい。あの女とは終わりにするな?嫌とか言うんじゃねーぞ。」

「ああ、もう十分遊んだ。そろそろ飽きてきた所だったからな。」

⏰:11/05/03 14:57 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#29 [匿名]
「悪い男だなー。」

悪魔の俺が感心してしまう。

「それでいいんだろ?それだけでいいんだよな?」

浮気男はもう冷静さを取り戻していた。

「ああ、それだけでいい。しっかりやれよ。期限は明後日までだ。俺はお前達を見ているからな。変なマネしたら家族崩壊すると思え。」

浮気男の顔が少し強ばった。

「ばれないと思ったら大間違いだからな?」

⏰:11/05/03 15:00 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#30 [匿名]
「お前は何者なんだ?何でこんな事をする。誰かに頼まれたのか?」

俺が帰ろうとすると浮気男から質問が飛んできた。疑問に思うのは当たり前だ。

見ず知らずの男に浮気の証拠を握られ、脅される。普通なら金を要求される所だが、それもなく、ただ別れろと言う。

「あの女の男か?」

そう思わせといた方がいいのか悩む。

⏰:11/05/03 15:02 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#31 [匿名]
「違う。この女の事は何も知らない。」

俺は正直者だ。
悪魔には珍しいんだ。

「じゃあ一体誰に?」

「誰でもねーよ。俺はただの悪魔だからな。」

「つまらん比喩だな。」

この浮気男は基本的に物事に動じない奴なのかもしれない。

「こんなに的確な比喩は他にはないと思うけどな。」

⏰:11/05/03 15:04 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#32 [匿名]
三日目



ふわふわとあいつが下から戻って来た。

「おう!どーだ?順調か?」

俺はこれからターゲットに絶望を与えに行く所だ。そう考えると笑顔が止まらなくなる。

「うん。まあ普通かな。」

今日もあいつは余裕だ。
こいつが焦る事はあるのか?

⏰:11/05/04 22:09 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#33 [匿名]
「ターゲットの奴、泣いたりしてなかったか?」

もしかしたらあの浮気男がもう別れ話をしているかもしれない。

「いや、そんな事はなかった。まだ浮気男が話していないんじゃないかな?」

ああそうか。

「…つーかお前、昨日も俺の事見てたのかよ!」

あいつはニコッと笑う。

⏰:11/05/04 22:11 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


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