悪魔と天使の暇潰し
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#52 [匿名]
「最後に言っとくけど、俺は嘘なんてつかねーし、あんたを騙すつもりでもねーから。」

ターゲットは下を向いたままだが、小さな声を出して泣き始めた。

「本当なの?」

「ああ。今日にでも聞いてみろよ、本人に。」

上手く行った。かなりスムーズにターゲットがショックを受けている。それで浮気男本人の口から別れ話があったら、生きていられないだろうな。

⏰:11/05/08 18:31 📱:F06B 🆔:ZMQXqiQY


#53 [匿名]
それから、何も言わずにターゲットを公園に残し、俺は上へ帰った。

これからターゲットと浮気男の動きを上から確認する。出来れば今日これから別れ話をしてくれたら最高なんだけどな。


「見てたよ。」

いつの間にか隣にはあいつがいた。

「上手く行ったぞ!」

「そうみたいだね。」

⏰:11/05/08 18:34 📱:F06B 🆔:ZMQXqiQY


#54 [匿名]
「まさか音声を録音しているとは思わなかったよ。君はいつも行き当たりばったりだから、今回もそうだと思った。」

馬鹿にされてるのか誉められているのか。

「成長したね。」

「うるせぇ!」

上から目線で、馬鹿にされているのは分かる。なのに嬉しくなってしまうから、こいつは凄いなと思う。

天使のくせに悪魔の気持ちがよく分かっているんだ。

⏰:11/05/08 18:36 📱:F06B 🆔:ZMQXqiQY


#55 [匿名]
「とにかく、お前も見とけよ!これからもっと大変な事が起きるかもしれねーからなぁ!」

照れ隠しですぐに話をそらした。

「大変になるのは僕だけだよね?」

「ああ、そうだな。」

「負けちゃうかもな。」

そんな事思ってもないくせに。

⏰:11/05/14 23:35 📱:F06B 🆔:2I2Cz.76


#56 [匿名]
そんな話をしていると、ターゲットに動きが見えた。涙を拭いて駅へと歩き出す。

「浮気男に会いに行くのかな?」

「会うんじゃねーか?」

あのターゲットは相当惚れ込んでそうだったし、俺の言った事を完全に信じたとは思えない。それなら会いに行くだろう。

さっき変な男にこんな事言われたのー!全くやんなっちゃうよねー。なんて笑いながら浮気男に報告するかもしれない。

⏰:11/05/14 23:36 📱:F06B 🆔:2I2Cz.76


#57 [匿名]
もしくは何もなかったかのように、いつもの甘えた態度で接するかもしれない。

人間は良く分からない。特に女の考えている事なんて未知の世界だ。



「君は本当に運だけはいいよね。」

ため息をつきながらあいつが言った。

もしかしてと目を凝らすと、ターゲットの目の前には浮気男がいた。

⏰:11/05/14 23:38 📱:F06B 🆔:2I2Cz.76


#58 [匿名]
ターゲットはやっぱりニコニコ笑っている。何も無かったように浮気男の腕にまとわりつく。

だが浮気男はそれをほどいた。真剣な顔でターゲットの前に立つ。

「終わりにしよう。」

浮気男の言葉にターゲットは驚かない。

「何で?奥さんにばれたの?私ならいつまででも待てるよ!あ、もう結婚なんてしなくてもいい!浮気相手のままでもいいから、お願い捨てないで…。」

⏰:11/05/14 23:40 📱:F06B 🆔:2I2Cz.76


#59 [匿名]
惨めだ。見ているこっちが恥ずかしくなった。

この女は自分の事しか考えていない。好きになっちゃったんだからしょうがない。なんてふざけた事を平気で言うんだ。

自分が幸せになる為なら、誰が不幸になってもいいと考えている。

そんな考え方で幸せになれると思ったら大間違いだ。俺みたいな悪魔が放っとかない。

⏰:11/05/17 12:45 📱:F06B 🆔:S1r7CZM.


#60 [匿名]
「もう辞めよう。君の幸せを考えたら、俺と一緒にいるべきじゃない。」

何を言っているんだ、この浮気野郎は。最後の瞬間まで素敵な男性でいたいのか?そりゃずるいだろ。

「本当に私の事を考えてくれてるの?」

ターゲットはそう思いたいだろうが、そんな訳ないに決まっている。最後まで騙される気なのか、この馬鹿な女は。

⏰:11/05/17 13:12 📱:F06B 🆔:S1r7CZM.


#61 [匿名]
「ああ。」

浮気男は深くうなずき、真剣な顔でターゲットを見つめる。

このまま円満に別れられても困る。

「今日ね、変な男の人から、あなたの話を聞いたの。」

変な?俺の事か?
ターゲットが話し出す。

⏰:11/05/17 13:13 📱:F06B 🆔:S1r7CZM.


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