悪魔と天使の暇潰し
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#62 [匿名]
「その人あなたとの会話を録音してた。あなたには内緒って言ってたから盗聴みたいな事だと思う。」

浮気男の顔が青ざめていくのが分かる。目は泳ぎっぱなしで、動揺しているんだと誰が見ても気付くだろう。

「あなたは奥さんと子供が大切だと言った。それから、私の、事は、飽きたとも言ってた!」

ターゲットは途切れ途切れに、でも力強く話した。

⏰:11/05/17 13:14 📱:F06B 🆔:S1r7CZM.


#63 [匿名]
「本当の事を言ってよ。」

ターゲットはもう諦めているのかもしれない。

もしくはやっぱりお前が好きだ!と抱き締めてくれると期待しているのかもしれない。

確かにこのターゲットは馬鹿だと思う。男に騙されていいように利用されていた。

そんなターゲットよりも俺が呆れた人間は、この浮気男だ。こいつには痛い目に合ってもらわなきゃ気がすまない。

⏰:11/05/17 13:16 📱:F06B 🆔:S1r7CZM.


#64 [匿名]
その為にも、ターゲットには自殺してもらわなきゃいけない。

その為にも、今は浮気男に酷い言葉を言ってもらわなくてはならない。


「どうなるかね?」

隣にいるあいつが話しかけてきた。

「黙って見てろよ!」

俺だってどうしたら上手く行くか考えているんだ。

⏰:11/05/17 13:17 📱:F06B 🆔:S1r7CZM.


#65 [匿名]
ターゲットの言葉にも、浮気男は黙ったままだ。

「何も言わないって事は私の事がまだ好きって事?…だったら奥さんに言いに行く!」

ターゲットは浮気男に背を向け走りだそうとする。だが、浮気男が腕を掴みそれを止めた。

「ちょっ!待てって!」

さあ早く言えよ。

⏰:11/05/17 13:18 📱:F06B 🆔:S1r7CZM.


#66 [匿名]
「迷惑なんだよ。」

よし。

「円満に別れられたらいいと思ったのに、これじゃ無理だな。」

これが本当の浮気男の姿だぞ?ターゲットよ、よく見とけ。そう心の中で言う。

「もう君は必要ない。さっき話しにあったけど、飽きたんだよ。元から遊びで付き合ったんだから、もう遊びも終わりでいいだろ?」

⏰:11/05/17 13:19 📱:F06B 🆔:S1r7CZM.


#67 [匿名]
浮気男はターゲットを見下し、冷たい視線を向けたまま淡々と語る。

「もう俺に迷惑かけるのは、やめてくれ。」

嫌味な程にゆっくりと話す浮気男は、最後に勝ち誇った顔をした。

そんな顔が出来るのも、あと1日くらいだろう。

俺は悪魔だ。悪い事をした奴を放っておいたらいけない義務がある。

⏰:11/05/17 13:21 📱:F06B 🆔:S1r7CZM.


#68 [匿名]
ターゲットは何も言わずに下を向いたままその場を離れた。

唇を噛みしめ涙を堪えているのが分かる。

ゆっくりと歩いていく。
悲しいのか、悔しいのか、俺には判断出来ない。ただ、歩いていく姿に気力は感じられなかった。


「久しぶりにちょっと苛立ったかもしれない。」

「珍しいな、俺もだ。」

あいつと同じ事を考えるなんて滅多にない。

⏰:11/05/17 13:23 📱:F06B 🆔:S1r7CZM.


#69 [匿名]
四日目



ターゲットは高いビルの屋上にいた。

まだ陽が登ったばかりの午前5時。たまに車の通る音がするくらいで、とても静かだ。

きっとターゲットは昨日の出来事があり、眠れなかったのだろう。

化粧はボロボロで、髪の毛もぐしゃぐしゃだった。

⏰:11/05/19 10:30 📱:F06B 🆔:1nNFFqE2


#70 [匿名]
もう俺のやることはないな。何をしてもターゲットは死ぬだろう。

「僕が行って何か変わるかなー?」

ターゲットが自殺をしようとしているのに、隣の天使は悠長なことを言っている。

「余裕だな。おめぇもうすぐ負けんだぞ!?」

⏰:11/05/19 10:35 📱:F06B 🆔:1nNFFqE2


#71 [匿名]
「そしたらそしたで、君が僕を上回ったって事じゃないか。君は、僕に勝ってほしいの?」

ギクリとする。

そんなはずがあるわけないだろう。俺はこいつに勝ちたい。

そう思い込ませた。

「ふざけた事言うな。早く行かねーとターゲット死ぬぞ?」

ふわっと笑ってあいつが下に向かった。

⏰:11/05/19 10:38 📱:F06B 🆔:1nNFFqE2


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