悪魔と天使の暇潰し
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#145 [匿名]
>>143
>>144

どうもありがとうございます!読んでくださって嬉しい!

今日落ち着いたら書きたいと思います(^^*)

⏰:11/06/27 08:58 📱:F06B 🆔:DzZSXfcA


#146 [匿名]
中も薄暗い。
正面にカウンターがあり、椅子が6個並んでいる。一番右に男が一人と、真ん中の2席に男女が一組座っていた。

テーブル席は全部で3席しかなく、どこもゆったりとしていた。

ターゲットは迷わず、一番カウンターから遠い場所にあるテーブル席に座った。

俺達はターゲットの向かいに並んで座った。ソファーの柔らかさが気持ちい。


カウンターの中には、長髪で髭の生えた男が一人。30代前半だろう。そしてもう一人若い女がいた。長い黒髪を後ろで結わいている。とても綺麗だった。

⏰:11/06/27 17:59 📱:F06B 🆔:DzZSXfcA


#147 [匿名]
そんな美人が俺達に近寄ってきた。笑顔は向けてくれていないが、だるそうには感じない。

「今日は一人じゃないんだ。お友達?」

美人がターゲットに言った。

「ああ。そんなとこだ。」

ターゲットが否定しない事に驚いた。

「珍しい。」

そう言うと美人はうっすらと笑った。

「うるせぇな!早く酒持って来いよ。」

⏰:11/06/27 18:00 📱:F06B 🆔:DzZSXfcA


#148 [匿名]
「全く。いつから私に命令出来るくらい偉くなったわけ?」

美人は全く怯まない。

「うるせぇ。」

心なしか、ターゲットの口調は弱くなっていく。

「いつものでいいの?」

「ああ。」

「お友達は何にする?」


美人が俺達の方を向いた。笑顔は向けてくれない。

「彼と同じもので。」

あいつが言うので、俺も頷いた。

⏰:11/06/27 18:01 📱:F06B 🆔:DzZSXfcA


#149 [匿名]
美人は三人の注文を聞くと、バーカウンターの中に入って行った。


「仲良さそうだったけど、あの女性とは友達なの?それとも常連だから?」

あいつが聞いた。


「姉貴だよ。」

姉貴と聞いて、何故か少し驚いた。だけど驚く事でもない。

「確かに、よーく見りゃあ似てんのかもな。」

くっきりした目鼻立ちが、言われてみれば似ているような気がした。

⏰:11/06/27 19:22 📱:F06B 🆔:DzZSXfcA


#150 [匿名]
「それにしても美人だね。」

あいつは興味なさそうに言った。

「そうか?あ、ちなみに隣にいる髭の男が姉ちゃんの旦那だから。」

「へぇ。お似合いだな。」

「おう。」

「そんな事より、二人は知ってんのか?お前の仕事について。」

無駄な話をするつもりはなかった。ターゲットについて、出来るだけ情報を集めたかった。

「ああ。」

ターゲットはためらいもなく答えた。

⏰:11/06/27 21:46 📱:F06B 🆔:DzZSXfcA


#151 [匿名]
「二人は協力してくれんだ。俺だけじゃ集めきれないターゲットの情報も、調べてくれる。」

「へぇ、仲間がいたんだな。」

そんな話をしていると、美人が酒を持って現れた。

緑と透明の二種類のグラデーションのカクテルが三つ並んだ。

「ジンベースのカクテルなの。いつも濃いめに作ってるけど、二人は大丈夫?」

美人は、さっきと同じツンとした表情で聞いてきた。駄目なんです。なんて言ったら、目の前のカクテルをぶっかけられそうな迫力がある。

⏰:11/06/27 23:20 📱:F06B 🆔:DzZSXfcA


#152 [匿名]
俺達は酒を飲んでも酔わない。だからどんなに強い酒でも、どんなに大量に飲んでも何も変わらない。

「大丈夫です。」

あいつが返事をすると、美人は眉毛を少し上げただけで、去っていった。


「早速だけど、お前は何で俺に死んで欲しいわけ?」

カクテルをカラカラと軽く混ぜ、一口飲むと、ターゲットは俺にそう言った。


「俺のターゲットがお前だからだ。」

「誰かに俺を殺せって頼まれたのか?」

「さあ?どうだろうな。」

「誰だよ!」

「そんな事誰が言うかよ。」

⏰:11/06/29 00:14 📱:F06B 🆔:A75d7Lp6


#153 [匿名]
本当はそんな奴いない。
ただターゲットを自殺させるには、誰かに恨まれていると思わせていたほうが、効果がある気がした。

「まあ、言う訳ねーよな。」

ターゲットは笑った。


「こんな仕事をしてんだから、恨みは相当かってるよ。誰かに狙われる事は、想定してる。」

ターゲットはもう一口飲みながらそう言った。


「お前らも俺と同じような事をしてんだろ?詳しく聞かせてくれよ。」

そうだなあー、と隣に座っているあいつが考え出した。天使と悪魔です。なんて言えないから、何て嘘をつこうか悩んでいるのだろう。

「俺は悪魔で、こいつが天使だ。」

目の前のカクテルを飲みながら、あいつよりも先に俺が答えてやった。

口の中に、アルコールと柑橘類の香りが広がった。

⏰:11/06/29 00:18 📱:F06B 🆔:A75d7Lp6


#154 [匿名]
想像通り、ターゲットは笑った。

はあ?と馬鹿にした後、腹を抱えて笑った。

こいつもこんな風に笑っていると、普通の若者なのになと思った。


「お前は変な奴だとは思ってたけど、こんな事言うほど頭が可笑しいとはな!」

「うるせぇなー」

本当の事を言うと、いつもこうなる。人間は俺達の名を知っているくせに、存在しないと勝手に決めつけている。

⏰:11/06/30 17:22 📱:F06B 🆔:AjWxtfLw


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