悪魔と天使の暇潰し
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#197 [匿名]
「どうする?」

俺があいつに聞いた。

「どうするもなにも、今から作戦会議する時間なんてねーぞ。こういう時は殺られる前に、殺るだけだ!」

そうターゲットが言うと同時に、どこから出したのか、ナイフを構え出した。


「お前いつの間に!?」

身体検査をする事もなく、手足を縛る事もなく、俺達が自由に動ける状態にしたままだったのだから、ターゲットの反抗は安易に想像出来たはずだ。

それなのに、スーツ男達の反応は想定外の事が起きた!という反応だった。

⏰:11/07/20 15:00 📱:F06B 🆔:Vta.hKMw


#198 [匿名]
「おい、俺にも何か武器くれよ!」

いくらなんでも死ぬまで人間を殴ったりはしたくない。そんな悪趣味は俺にはない。

「しょーがねーな。」

ほらっとターゲットがナイフを放り投げた。仕事がないのに二本も隠し持っているとは、殺し屋は大変だ。

「やるぞ!」

スーツ男達が武器を見て立ち止まり戸惑っている今、こっちから仕掛けた方が有利になる。

とりあえず刺されないようにしよう。俺は刺されても死なないんだから、こんな所でターゲットに、その点を怪しまれたくはない。

⏰:11/07/20 15:08 📱:F06B 🆔:Vta.hKMw


#199 [匿名]
俺がそんな心配をしていると、ターゲットは地面を蹴り、スーツ男達目掛けて走った。

まずは一人目。
一番ターゲットの近くに居た男。いきなり自分に向かって勢いよく走り寄ってきたターゲットの速さに、ついていけていない。

あっという間に首を切られ倒れた。

血が噴き出し、周りのスーツ男達に飛び散る。


その後ろに立っていた男が二人目。前の男が呆気なく倒れ、ターゲットと目が合う。
咄嗟に鉄パイプを大きく振り上げターゲットの頭を狙った。

それがいけなかった。ターゲットはまた地面を蹴り、一歩でその男の懐に入り、左胸を刺した。

そして引く抜く。男は後ろに倒れた。

⏰:11/07/21 15:51 📱:F06B 🆔:7xgv.6LI


#200 [匿名]
ターゲットが、ただのナンパ野郎だと思っていたスーツ男達は怯んだ。

そりゃそうだ。
ターゲットは普通の若者にしか見えない。ちょっと顔がいいからって女を弄ぶ男そのものだ。


それが蓋を開けてみたら、この有り様だ。

一般人を殺すと脅し、痛め付けるだけ痛め付けて、もう俺の女に近づくな!とでも言いたかったのだろう。


やっぱり同情してしまう。可哀想なスーツ男達。

⏰:11/07/21 15:52 📱:F06B 🆔:7xgv.6LI


#201 [匿名]
ターゲットの様子を見ていた俺を、スーツ男達が十人程囲んでいた。

「よそ見してていいのか?」

「こうなったら殺すしかない!」

などと口々に話している。やっぱり殺すつもりは元々なかったみたいだ。


ナイフを持っている者がたったの三人で、他は鉄パイプやバットを持っている。

先にその危ない三人を殺そう。ちょうどナイフを持った三人は俺の目の前に並んでいた。これは一気に殺すのに最適だ。

今ターゲットが一人目を殺したやり方をマネしてみた。

⏰:11/07/22 22:33 📱:F06B 🆔:f4Qhwrxk


#202 [匿名]
地面を蹴り、真ん中の男に突っ込む。ターゲットよりもスピードは早い自信があった。

その結果、男は抵抗する事も出来ない内に、俺に首を切られ倒れた。

血が少し顔にかかった。
最悪。

「この野郎!」

右の男が俺の腹を刺そうとナイフを下の方に構えた。左の男も同じ様にナイフを下の方で構え、俺にぶつかろうとしている。

そんな二人の間にいる俺は、右の男を殺そうと向きを変えていたので、前後を挟まれている形となった。

⏰:11/07/22 22:38 📱:F06B 🆔:f4Qhwrxk


#203 [匿名]
このままだと腹と背中を同時に刺されてしまう。

だが、タイミングを逃さなければ、楽に二人は死んでくれる。

前後にあるナイフが皮膚に当たるか当たらないかの際どい瞬間を、俺は狙っていた。

着ている洋服にナイフが触れた瞬間、俺は体を横にずらした。ギリギリだったため、転んだように手を地面についたが、その瞬間苦しそうな声が二つ聞こえた。

俺を刺そうとした男二人は、俺がいきなりいなくなるもんだから、勢いを抑えきれずお互いを刺してしまった。

⏰:11/07/22 22:47 📱:F06B 🆔:f4Qhwrxk


#204 [匿名]
「うっ…」

苦しそうに倒れる二人はまだ息をしている。

「ごめんなー。苦しい思いさせて。すぐ楽にしてやるから」

これは俺の本心だ。

膝をつき、ブスッと一発心臓を刺してやった。

また血が飛び散る。こんな経験は初めてだ。

立ち上がりながら、右の頬についた血を左手の甲で拭う。血が拭えるどころか、伸びているのが見なくても分かった。

⏰:11/07/22 22:52 📱:F06B 🆔:f4Qhwrxk


#205 [匿名]
俺が立ち上がるとすぐに、ナイフ男三人の穴はまた新たな円陣を組む事によって埋められた。

七人の輪の中に俺がいる。


「もう許さねーぞ!」

誰も許してなんて言ってない。

「本気出してやる!」

出した所で状況は変わらないのに。

「お前らは本気で俺達を怒らせたみたいだな!」

俺は自分の身を守っただけだ。

「なめられたもんだぜ!」

それはお前らが馬鹿すぎるのが悪い。

⏰:11/07/25 19:36 📱:F06B 🆔:MpkiitL6


#206 [匿名]
一通り心な中で受け答えをしてから、ターゲットの様子を見た。

無我夢中でスーツ男達を切りつけている姿があり、倒れて動いていないスーツ男が明らかに増えていた。

心配はないだろう。


「お友達の心配してる暇があんなら、自分の心配しろよな!」


叫び声が背後から聞こえ、振り返るとすぐ側にスーツ男が一人立っていた。

両手で持ったバットが高らかに上げられ、今まさに降り下ろした瞬間だった。

⏰:11/07/25 19:40 📱:F06B 🆔:MpkiitL6


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