悪魔と天使の暇潰し
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#205 [匿名]
俺が立ち上がるとすぐに、ナイフ男三人の穴はまた新たな円陣を組む事によって埋められた。
七人の輪の中に俺がいる。
「もう許さねーぞ!」
誰も許してなんて言ってない。
「本気出してやる!」
出した所で状況は変わらないのに。
「お前らは本気で俺達を怒らせたみたいだな!」
俺は自分の身を守っただけだ。
「なめられたもんだぜ!」
それはお前らが馬鹿すぎるのが悪い。
:11/07/25 19:36 :F06B :MpkiitL6
#206 [匿名]
一通り心な中で受け答えをしてから、ターゲットの様子を見た。
無我夢中でスーツ男達を切りつけている姿があり、倒れて動いていないスーツ男が明らかに増えていた。
心配はないだろう。
「お友達の心配してる暇があんなら、自分の心配しろよな!」
叫び声が背後から聞こえ、振り返るとすぐ側にスーツ男が一人立っていた。
両手で持ったバットが高らかに上げられ、今まさに降り下ろした瞬間だった。
:11/07/25 19:40 :F06B :MpkiitL6
#207 [匿名]
きっと普通の人間だったら、避けきれずに殴られ死ぬだろう。
だが、何度でも言うが、俺は悪魔だ。その降り下ろす速度も、遅くて遅くて待ちきれないくらいだ。
教えてやりたい。
俺は人間ではない。悪魔なんだよ、と。
だからそんなに頑張って殺そうとしても、無駄だ、と。
避けようかどうしようか悩み、避けるのはつまらないと結論が出た。
:11/07/25 19:43 :F06B :MpkiitL6
#208 [匿名]
見上げると、バットが俺の頭を真っ直ぐに狙っている。
あと20センチでぶつかる。俺は右手を頭の上で構えて、バットが手に当たるのを待った。
音は鳴らなかった。
俺の掌にバットが当たり、それを握る。
「こんなんで俺が殺せるとでも思ったのか?」
俺がそう言うと、スーツ男の顔が青ざめていった。
笑みすら浮かんでいた表情が、パッと強張った。
「なめられたもんだぜ」
このセリフは俺にこそ相応しい。スーツ男達が言ったところで、ただの勘違いだ。
:11/07/25 19:46 :F06B :MpkiitL6
#209 [匿名]
バットをスーツ男から奪った。驚くほど簡単に、バットを手放すものだから拍子抜けしてしまう。
武器が二つになった。
右手で奪ったバットを左手に持ち替え、ナイフを右手に持つ。
「どっからでもかかってこいよ!」
勇者にでもなった気分だ。
血の気の引いたスーツ男達が束になって攻撃をしてきた。
一人では勇気が出なくても、大勢になれば気が大きくなる人間そのもの。ださくてこっちが恥ずかしくなる。
:11/07/25 20:00 :F06B :MpkiitL6
#210 [葵]
あげ(・∀・)
:11/07/29 01:06 :SH06A3 :☆☆☆
#211 [匿名]
:11/07/29 21:39 :F06B :VoEUyrqo
#212 [匿名]
全員無我夢中で俺を殴ろうとしてくる。不恰好で隙がありすぎる。
正面から頭を狙ってきた奴を軽くかわし、後ろに回り込む。そして後頭部をバットで殴った。
次に俺の後ろにいた男。振り返らずにナイフを後ろに向けて振った。俺の肩より上にナイフを振ったが、後ろにいたのは背の高い男で、ちょうど心臓に刺さった。
ナイフを抜くと血がドバッと出た。最悪。
そのままその男の右にいた男の首を切った。
血が飛び散る。
最悪。
:11/07/29 23:00 :F06B :VoEUyrqo
#213 [匿名]
それからも隙だらけのスーツ男達を、呆れながらも刺していった。
刺す、抜くと血が出る。
切る、首から血が出る。
刺す、抜くと血が出る。
切る、抜くと血が出る。
の繰り返し。
そして何人も殺していくと徐々に血にも慣れた。
慣れたというよりは、もう諦めた。血を避け続けては誰も殺せない。
そして、驚くほど早く俺は全員を倒しきった。
:11/07/29 23:09 :F06B :VoEUyrqo
#214 [匿名]
俺の周りは息をしていないスーツ男達が沢山倒れている。
そこらじゅうに血が流れて、壁にも飛び散っていた。
自分に言い聞かせる。
これは俺達のターゲットを守る為で、決して悪い事ではないと。
守っているのだから、天使のあいつも、俺を責めたりはしないだろう。
しないよな?
しないでくれ。
:11/07/29 23:15 :F06B :VoEUyrqo
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