悪魔と天使の暇潰し
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#208 [匿名]
見上げると、バットが俺の頭を真っ直ぐに狙っている。
あと20センチでぶつかる。俺は右手を頭の上で構えて、バットが手に当たるのを待った。


音は鳴らなかった。
俺の掌にバットが当たり、それを握る。

「こんなんで俺が殺せるとでも思ったのか?」

俺がそう言うと、スーツ男の顔が青ざめていった。

笑みすら浮かんでいた表情が、パッと強張った。

「なめられたもんだぜ」

このセリフは俺にこそ相応しい。スーツ男達が言ったところで、ただの勘違いだ。

⏰:11/07/25 19:46 📱:F06B 🆔:MpkiitL6


#209 [匿名]
バットをスーツ男から奪った。驚くほど簡単に、バットを手放すものだから拍子抜けしてしまう。

武器が二つになった。
右手で奪ったバットを左手に持ち替え、ナイフを右手に持つ。

「どっからでもかかってこいよ!」

勇者にでもなった気分だ。


血の気の引いたスーツ男達が束になって攻撃をしてきた。

一人では勇気が出なくても、大勢になれば気が大きくなる人間そのもの。ださくてこっちが恥ずかしくなる。

⏰:11/07/25 20:00 📱:F06B 🆔:MpkiitL6


#210 [葵]
あげ(・∀・)

⏰:11/07/29 01:06 📱:SH06A3 🆔:☆☆☆


#211 [匿名]
>>210葵さん
どうもありがとうございます!

⏰:11/07/29 21:39 📱:F06B 🆔:VoEUyrqo


#212 [匿名]
全員無我夢中で俺を殴ろうとしてくる。不恰好で隙がありすぎる。

正面から頭を狙ってきた奴を軽くかわし、後ろに回り込む。そして後頭部をバットで殴った。

次に俺の後ろにいた男。振り返らずにナイフを後ろに向けて振った。俺の肩より上にナイフを振ったが、後ろにいたのは背の高い男で、ちょうど心臓に刺さった。

ナイフを抜くと血がドバッと出た。最悪。


そのままその男の右にいた男の首を切った。

血が飛び散る。

最悪。

⏰:11/07/29 23:00 📱:F06B 🆔:VoEUyrqo


#213 [匿名]
それからも隙だらけのスーツ男達を、呆れながらも刺していった。

刺す、抜くと血が出る。
切る、首から血が出る。
刺す、抜くと血が出る。
切る、抜くと血が出る。
の繰り返し。

そして何人も殺していくと徐々に血にも慣れた。
慣れたというよりは、もう諦めた。血を避け続けては誰も殺せない。


そして、驚くほど早く俺は全員を倒しきった。

⏰:11/07/29 23:09 📱:F06B 🆔:VoEUyrqo


#214 [匿名]
俺の周りは息をしていないスーツ男達が沢山倒れている。
そこらじゅうに血が流れて、壁にも飛び散っていた。



自分に言い聞かせる。
これは俺達のターゲットを守る為で、決して悪い事ではないと。

守っているのだから、天使のあいつも、俺を責めたりはしないだろう。

しないよな?
しないでくれ。

⏰:11/07/29 23:15 📱:F06B 🆔:VoEUyrqo


#215 [匿名]
俺はあいつの冷めた目が苦手だ。

優しい顔をしていて、人間の前ではいつも笑顔のくせに、上へ戻ると冷たい顔になる。

「あんなに人間を殺していいと思っているのか?」

と冷静にあいつが言うのが想像でき、憂鬱な気持ちになる。

ターゲットのため!と言い訳を何度も唱えてみた。

⏰:11/07/29 23:17 📱:F06B 🆔:VoEUyrqo


#216 [匿名]
ターゲットを見てみると、その周りには、あと三人敵が立っていた。

見事に三人ともナイフを持っていて、ターゲットを囲み、構えている。

ターゲットは三人を順番に睨みながら、肩で息をしていた。


「情けねーな!まだ終わらねーのかよ!」

首の骨を鳴らし、わざとらしく欠伸をしながらターゲットに声をかけた。


「うるせぇな!すぐ終わる」

ターゲットが怒鳴る。

⏰:11/08/02 12:56 📱:F06B 🆔:G6A90LOs


#217 [匿名]
よく見ると、ターゲットの顔や腕、脚などに傷がいくつもついていた。

いくら腕のいい殺し屋でも、一度に大勢と殺り合うのは簡単な事ではないみたいだ。

「手伝ってやろうか?」

「いらねぇよ!」

「3対2だったら楽勝だろ」

「いらねぇって!」

「強がりやがって」

「てめぇ黙ってろ!殺すぞ」

「おー怖い怖い」

⏰:11/08/02 12:57 📱:F06B 🆔:G6A90LOs


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