2年A組
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#15 [我輩は匿名である]
打者にボールを出しながら、彩はぼーっと考えていた。
誰が彼女を殺したのか。どうしてそんな事になったのか。
単純に考えれば、龍也の言う通り凛が犯人そうではある。しかし昨日、彼女はピアノのレッスンがあると言っていた。
ピアノのレッスン先も凛の家も、事件現場とは正反対の場所にある。レッスンに行かなかったとなれば話は別だが…。
今日、担任の口から当然凛も今回の事件の事を聞いたわけだが、他のクラスメイトと同じような反応を見せただけで、特に変わったようなことはなかった。
「(凛が犯人ってのは…ないと思うんだよなぁ…)」
「大丈夫か?」
頭上から声が降ってきた。顔を上げると、ノックの手を止めて誠がこちらを見下ろしている。
:11/07/21 20:54
:PC/0
:a5gRyvU.
#16 [我輩は匿名である]
考えているうちに、ボールを出す手が止まっていたらしい。
「え?あぁ、ごめんごめん」
「…昨日の事か?」
やけに考え込んでいる彩を気遣ってか、誠が声をかける。
「…うん…」
「まぁあんな奴だし、高校でも同じようなことしてたんじゃねーの?」
「そう…かなぁ…」
特に仲が良かったわけでもないし、どっちかというとあまり関わりたくないタイプだったのだが、事が事だけに気になってしまう。
:11/07/21 20:54
:PC/0
:a5gRyvU.
#17 [我輩は匿名である]
「それか、通り魔とか。お前も気をつけろよ、一応」
「一言余計なんだよ!いつもいつも!」
「塩見!内村!まじめにやれ!」
2人そろって手が止まっていたため、監督から喝が飛んできた。
「…でも、うっちーは気にならないの?」
ノックを再開しつつ、彩はまた尋ねる。
「別…に!」
センター方向にボールを飛ばしながら、誠は答える。
:11/07/21 20:54
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:a5gRyvU.
#18 [我輩は匿名である]
つまんないの。彩は少しむくれてボールを放る。
「そんなに気になんのか?」
「うん…。なんか、嫌な感じがして…」
「考えすぎだろ」
誠は言い放って、まるで彩の不満を振り払うかのように、今度はレフト方向にボールを飛ばす。
「…今日はよく飛ぶね」
「…今日だけじゃねーよ別に」
確かに、誠の言う通り考えすぎだろう。そう自分に言い聞かせて、今日はもう考えようにした。
:11/07/21 20:55
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:a5gRyvU.
#19 [我輩は匿名である]
真っ暗な部屋で机のライト1つ照らし、男は1冊の卒業アルバムを眺めていた。
全員が晴れやかな笑顔で写った、思い出にあふれたアルバム。
「…ヒヒッ」
これから起こる事を考えると、思わず笑い声が漏れた。
「何人できるかなぁ〜?」
男は嬉しそうに、その夜ずっとそのアルバムを眺めていた。
:11/07/21 20:55
:PC/0
:a5gRyvU.
#20 [我輩は匿名である]
期待アゲ
:11/08/02 03:53
:N02C
:TAyNQ/E2
#21 [我輩は匿名である]
「おはよー」
次の日の朝。いつものように、座席が近い凛が、鞄を机に置いて彩の元にやってきた。
「おはよ」
「聞いてよ!昨日警察の人が来てね、『一昨日の夜10時ごろ何してましたか?』とか聞かれてさぁ!」
凛はかなり腹が立っていたらしく、登校して来て早々不満をぶちまけた。やはり警察もいじめの事を突き止めていたらしい。
「そうなんだ。でも、あの日ピアノ行ってたんでしょ?」
:11/10/23 10:50
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:sgkwcQ9o
#22 [我輩は匿名である]
「行ってたよ!そう言ったらおとなしく帰って行ったけどね。ホント、こっちはもうあんな奴の顔すら見たくないってのに!」
前の席に座って、腕を組んで鼻息を荒くする凛に、彩はどこかほっとした気分になった。
「そう…だよね。…通り魔かなんかかな?やっぱり。そうだと怖いなぁ〜」
「そうだねー。彩ちゃんも、あんまり遅い時間にうろうろしちゃだめだよ?部活の帰りとか気を付けてね」
「うん。ありがと」
彩は笑って頷いた。心のもやもやが、一気に晴れた気がした。
:11/10/23 10:51
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:sgkwcQ9o
#23 [我輩は匿名である]
一方、隣のクラスでは。
「飲酒運転?」
誠と龍也が昨日の話の続きをしていた。昨日はすっかり疲れてそれどころではなくなったらしい。
「あぁ。小山の親父が、飲酒運転で追突事故を起こしたらしい。それで何人か死んでる」
「はーん、それが原因でいじめられたって事か」
事情が大体わかり、龍也は頷く。
「そんなんでいじめられてたらたまんねぇな。悪いの親父だけじゃん」
「小松は何でも槍玉にあげるような奴だったからな。『お前の父ちゃん人殺しー』的なノリだったんだろ」
呆れたように誠は言う。
:11/10/23 10:53
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#24 [我輩は匿名である]
「くっだらね。女って怖ぇよなぁ」
わずらわしそうに、龍也がため息をつく。「確かに」と、誠も頷く。
「この話、1組ではするなよ。空気悪くなるから」
「わかってるよ。いじめられた張本人がいるクラスで、こんな話できるかよ」
「…今回の事件、犯人捕まるかな?」
誠は腕を組んで、まじめに龍也に問いかける。
何だ急に。龍也は少し首を傾ける。
:11/10/23 10:54
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