2年A組
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#195 [我輩は匿名である]
「話…?」

南里の疑り深い声が、誠の携帯電話を通して彩にも聞こえる。

「…犯人なんじゃないかなぁと思う人が1人いるんですけど」

「…急に何かと思ったら…。本当に言っているの?」

「嘘だと思うんなら電話切りますよ」

「(…怖いよこの2人…)」

誠の隣に移動して電話の内容を聞く彩は、ちょっと肩を縮める。

「…誰?参考程度に聞いておくわ」

⏰:11/11/24 23:55 📱:PC/0 🆔:tI5MkzOk


#196 [我輩は匿名である]
「3〜4年前、この辺で殺人事件を起こしてた葛城歩って、覚えてます?」

「……えぇ、覚えてるわ。でも、なぜ彼だと?」

「手口が似てるから。…あと、俺たちが中学2年になってから、全く事件が起きなくなったから、もしかしたら何かあるんじゃないかと思って」

「…確かに、手口は似てるわね。でもあなた達のクラスメイトと彼は、何も接点なんてないでしょう?」

「今までの被害者もなかったはずですよ」

「よく調べてるのね」

「そりゃ、自分の命にかかってることですからね」

⏰:11/11/24 23:56 📱:PC/0 🆔:tI5MkzOk


#197 [我輩は匿名である]
「…いいでしょう。葛城は葛城で逮捕しなきゃいけない人間だし、こっちでも調べてみます。ありがとう」

「お願いします。俺たちもこんな事、もう嫌なので」

「そうね。それじゃあ、また何かあったら言ってください」

2人の電話はそれで終わった。

「これでいいだろ。…何だよ、その疲れ果てた顔は」

「…疲れるよ、うっちー達の電話聞いてると」

「?」

静かな言い合いを聞いていたような気がしてうなだれる彩に、誠は不思議そうに首をかしげた。

⏰:11/11/24 23:56 📱:PC/0 🆔:tI5MkzOk


#198 [我輩は匿名である]
その日の夜、保護者会に行ってきた母親から、“今日から1週間以内に新たな事件が起きなかった場合、午前中に限って全授業を再開する”という意見で決まったという事を聞いた。

1週間は、意外と早く過ぎて行った。その上、まるでその情報を犯人たちも知っていたかのように、事件が全く起こらなかった。

⏰:11/11/26 21:04 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#199 [我輩は匿名である]
月が替わった6月8日。ようやく彩たちが学校に行けるようになった。

それで彩達の緊張が和らぐわけではないが、久しぶりに友人たちに会うと、少しだけ気が休まる。

「彩ー!!」

登校して早々、皐が抱き着いてきた。

「おはよ」

「久しぶり!もう超暇だったー!」

よっぽどストレスがたまっていたのか、いつもに増してさらに声が大きい。

⏰:11/11/26 21:04 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#200 [我輩は匿名である]
「あっ、内村もおはよ!」

「…おはよ」

眠そうな顔の誠は、短く挨拶してさっさと自分の教室へ行ってしまった。

「もしかして一緒に来たの!?」

「え?うん、1人じゃ危ないから…って」

「そうなんだ」

そう言った皐の笑顔がなぜか、彩には暗く見えた。

⏰:11/11/26 21:05 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#201 [我輩は匿名である]
「彩ちゃーん!皐ちゃーん!」

今度は美穂が教室にやってくる。

すると、ちょうど同じタイミングで入ってきた忍とぶつかってしまった。

「あっ、ごめんなさい!」

美穂はそれだけ言って、小走りで彩たちの所へ走ってくる。

「久しぶり!元気だった?」

「元気だったよ!美穂は!?」

「私もー!」

仲良く抱き着いている2人を見て、彩はほっとしたように笑う。

⏰:11/11/26 21:05 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#202 [我輩は匿名である]
「相変わらず大きいほくろだねぇ♪」

「うるさいな!」

抱き着いた拍子に目に映ったのか、皐の首元のほくろを見て美穂が笑う。

「…彩ちゃん」

美穂は、今度は彩の方を向いて小さく笑う。

「…電話で聞いたよ、春香ちゃんの事。…気を落とさないで」

美穂に言われ、彩も同じように笑って頷いた。

⏰:11/11/26 21:05 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#203 [我輩は匿名である]
「それにしてもあの陰キャラ、美穂にぶつかっといてダンマリかよ!」

皐はよっぽど嫌いなのか、むすっとした表情で小言を言いながら忍の背中をにらむ。

「陰キャラ?」

「そう!さっき美穂がぶつかったやつ、岡本忍っていうオタクだよ」

「ふーん」

鼻息を荒くしている皐とは反対に、美穂がどうでもよさそうに返事する。

すると、その美穂の視界が急に真っ暗になった。

「きゃあ!?」

⏰:11/11/26 21:06 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#204 [我輩は匿名である]
「よっ♪」

「寺田君!」

美穂に目隠ししていた手を離し、龍也が笑う。

「おはよー」

「何しに来たんだよ」

「いやー青山が嬉しそうに入って行ったのが見えたからさ、俺も行こうと思って」

「何その理由」

自分も嬉しそうにデレデレしている龍也を見て、皐が呆れている。

⏰:11/11/26 21:06 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


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