2年A組
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#302 [我輩は匿名である]
しかし、そこには持ってきていたはずのピストルはない。

「どうしたの?大事な“道具”、忘れてきちゃった?」

頭が真っ白になっている彼をあざ笑うかのように、近くの通りを救急車が大きなサイレンを鳴らして通り過ぎて行った。

「あいつ…俺のピストル持ったまま…!」

岡本が苛立ったように言った。

この様子だと、今通った救急車で運ばれている人物が、彼のピストルを持っているように思える。

しかし、一体誰がどんな事を…?

⏰:11/12/14 21:41 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#303 [我輩は匿名である]
「本当に大事だと思うんなら、その子止めなよ。じゃないと、その子が可哀相なだけだよ?」

「“可哀相”…?ははっ、何が!?僕がお前たちを殺せば、あの子は喜んでくれる!それを見て僕はまた他の奴を殺す…最高じゃないか!!」

「“喜ぶ”…」

美穂は彼が発したその言葉に、首をかしげる。

その直後。

美穂の背後から乾いた銃声が聞こえたと同時に、岡本が仰向けに倒れた。

⏰:11/12/14 21:43 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#304 [我輩は匿名である]
何が起こったのかわからずに岡本を見てみると、額に穴が開き、どくどくと脈打ちながら出血している。

ちょっと間呆然としていたが、美穂は音を立てずに鞄のチャックを開け、中に入れている包丁の柄を握る。

もし撃ったのが警察なら、何か言うはず。しかし、警察官がこんな中途半端なタイミングで発砲するはずがない。

会話の途中で発砲したのは、岡本がこれ以上余計な事を口走らないため…そう考えるのが、1番つじつまが合う。

そうなれば、背後にいる人物は…。

「(終わらせてやる…。これ以上…誰も殺させない…!)」

美穂は恐れることなく、素早く包丁を取り出し、振り返る。

⏰:11/12/14 21:44 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#305 [我輩は匿名である]
それを振り上げた瞬間。

そこにいた人物を見て、美穂は思わず動きを止めた。

「…何で…?」

美穂が「何かの間違いだ」と自分の目を疑っていると、その胸に銃口があてられた。

目の前の人物が笑う。

そして…。

⏰:11/12/14 21:44 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#306 [我輩は匿名である]
銃声とともに、美穂の体は、撃たれた反動でその場に倒れ込んだ。

握っていたはずの包丁も、その衝撃でどこかに落としてしまった。

もう1発、美穂の服のポケットに向かって銃弾が飛んできた。

「(…私は…ここまで、だね…)」

自分を撃った犯人が立ち去って行く足音が聞こえる。

美穂は静かに目を閉じる。

死ぬのは怖くない。向こうで彼

⏰:11/12/14 21:45 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#307 [我輩は匿名である]
※PCの調子が悪く、途中送信になりました。何度もすみません。↓続きです。

死ぬのは怖くない。向こうで彼に会えるから。

ただこの手で仇を討てなかったことだけが、心残りだった。

意識がなくなるのを待っていると、ふと、自分のそばに誰かがいる気配がして、美穂は再び目を開ける。

美穂が倒れているすぐ傍にたたずむ、1人の男性。

それを見て、美穂は嬉しそうに小さく笑う。

⏰:11/12/14 21:47 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#308 [我輩は匿名である]
そこにいたのは、龍也だった。

龍也はしゃがみこみ、口を開く。

大丈夫?

聞こえるはずのない声が聞こえて、美穂は彼に向かって答える。

「…うん…」

今までのように優しく笑いかけてくれる彼を見て、美穂の目から、自然に涙が零れ落ちる。

⏰:11/12/14 21:47 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#309 [我輩は匿名である]
「…ごめんね…。…仇…、…討てなかった…」

美穂の言葉に、龍也は首を振る。

一緒に行こう。

そう言って、美穂に手を差し伸べた。

美穂はもう1度笑って、残った力を振り絞って血まみれの右手を上げ、龍也の手に重ねる。

その瞬間、美穂は意識を失い、その右手は静かに、冷たい地面の上に落ちた。

⏰:11/12/14 21:48 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#310 [我輩は匿名である]
美穂の最期を知り、彩は両手で顔を覆って泣いた。

その隣で、誠は呆然としながら、雑音しか聞こえないスピーカーを見つめている。

録音されていたのは、美穂が南里に電話したところから、美穂が倒れたと思う部分まで。

「…発見されたとき、彼女の携帯電話は銃で撃たれて粉々になっていたわ。おそらく彼女たちを撃った犯人は、電話が繋がっているのに気づいたんでしょう」

スピーカーを止め、南里が静かに言う。

「…こんな結果になっても、あの子は満足だったのかもしれない」

⏰:11/12/14 21:49 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#311 [我輩は匿名である]
「…どういう事ですか」

話せる状態じゃない彩の代わりに、誠が尋ねる。

「…青山さんの顔、…笑ってるように見えた」

南里は言いながら俯く。まるで、自分も涙を隠すかのように。

「…電話の内容から考えたら、岡本は青山と会う前に梶浦を襲った。でも何があったか、梶浦を撃った後にピストルを奪われて、仕方なく逃げてきた…ってところじゃないか。

梶浦が持ってたピストルの弾、この間2人を撃ったものと同じだったし…岡本のピストルで間違いないだろう」

腕を組んだまま、土谷が言う。

⏰:11/12/14 21:52 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


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