2年A組
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#31 [我輩は匿名である]
「どこの防犯カメラにも映ってない?」
刑事課所属の刑事が、怪訝そうな顔で聞き返す。土谷信一。45歳。今回の女子高生殺人事件の捜査員の1人である。
「はい…。近くのコンビニ、ガソリンスタンド、マンションなどの全ての防犯カメラを確認しましたが、犯人らしき人物は…。すみません」
部下の若手刑事が、なぜか申し訳なさそうに報告する。彼が悪いわけではないのだが。
「う〜ん…」とうなり声をあげながら、土谷は考え込む。犯人のような格好をしていなかったためわからないのか、防犯カメラに映らないルートを通ったのか。
後者なら土地勘がかなりある者の犯行という事になる。
:11/10/23 11:50
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#32 [我輩は匿名である]
凶器になった刃物も何も残っていない。場所が場所だけに、目撃者もいない。完全にどん詰まり状態だ。
彼女の周囲の人間からの情報で、どうやらかなりのいじめっ子だった事は突き止めた。いじめられた生徒からの仕返し、という見方も早くに浮上した。
しかし、それも昨日の聞き込みから全て白紙に戻された。
中学1年の時のいじめの標的・佐竹結衣、2年の時の標的・小山凛、3年の時の標的・藤井洋子、高校1年の時の標的・川井愛華、そして2年になってからいじめられていた寺田紗英。この全員にアリバイがあった。
佐竹は吹奏楽部で、部活後友人と帰宅中。小山はピアノのレッスンに、藤井は友人とカラオケ行ってた。川井と寺田は仲がいいらしく、一緒にご飯を食べに行っていた。
これは難儀な事件に当たったものだ。土谷は大きくため息をつき、早くも疲れた顔で捜査資料を手に取った。
:11/10/23 11:51
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:sgkwcQ9o
#33 [我輩は匿名である]
>>26さん
申し訳ありませんが、私にはその方法はわかりません。
こちらは小説板ですし、使い方板の方で聞かれた方が良い答えが返ってくるのではないでしょうか?
:11/10/23 11:54
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#34 [我輩は匿名である]
「ねぇねぇ、キャッチボールしよ!」
部員が休憩している間、彩は美穂と皐に声をかける。
「やるー!」
「あたし汗かきたくないからパスー」
ベンチに座ったままの皐とは正反対に、美穂が嬉しそうに立ち上がる。
「うっちー!グローブ貸して」
「えー?お前の手にはぶかぶかだと思うけど」
「いいの!」
:11/10/23 14:00
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#35 [我輩は匿名である]
「じゃあ私は…」
「あっ、俺の使う?」
誰のグローブを借りようか悩んでいた美穂に、龍也が真っ先に名乗りを上げた。
「いいの?」
「いいよ。はい」
龍也は笑顔で、美穂に自分の青いグローブを手渡した。
「ありがとう!」
「うっちーとは違って、菊池君は爽やかだねぇ」
「ほっとけ」
彩にからかわれて、誠はフンとそっぽを向く。
:11/10/23 14:00
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#36 [我輩は匿名である]
「彩ちゃん、行こ♪」
「うん!」
2人はそれぞれ、それほど大きくない手に大きなグローブをはめて走りだす。
休憩中はよく、こうやってマネージャー同士でキャッチボールをする。部員たちが野球をしているのを見ると、やはり自分たちもやりたくなってしまう。
キャーキャー言いながら下手なキャッチボールを始める2人を、部員たちが笑って見るのもいつもの事だ。
「ほぼ毎日やってるのに、ホント下手だな。あいつら」
「そりゃ女子だもん」
「女子でもプロ野球リーグとかあるじゃん」
:11/10/23 14:01
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#37 [我輩は匿名である]
「まぁ…」
龍也にもっともな事を言われてしまい、皐は口をつぐむ。
「青春だねぇ〜」
龍也はキャッチボールをする2人を見ながらそう漏らした。
どことなくデレデレしている龍也を、誠と皐が黙って見つめる。
「なぁ、こいつ、どっちかの事が好きなのかな?」
「…そんな感じだな」
「どっちだと思う?」
こそこそ話しながら、誠も皐も一緒に、彩と美穂に目をやる。
:11/10/23 14:01
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#38 [我輩は匿名である]
「彩ちゃん、今日調子いいねー!」
「そうー?」
「内村君のグローブだからー?」
「はぁっ!?何それ!?そんな事あるわけないじゃん!!」
こっちはこっちで、同じような話で盛り上がっている。
焦っているのか、顔を少し赤くして言い返す彩を見て、美穂が笑っている。
「変な事言わないでよー!!」
彩が叫びながらボールを投げると、勢い余って地面にたたきつけられ、そのまま何度かバウンドして変な方向にボールが飛んで行ってしまった。
:11/10/23 14:02
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#39 [我輩は匿名である]
「…どっち…?」
「…意外と、不器用な彩の方かもしれないよ」
誠と皐は話しながら、再び龍也に目を向ける。
「そんな事言う美穂はどうなのよー?好きな人とかいるんじゃないのー?」
「いないよー」
彩の質問に即答する美穂に、彩はがくっと肩を落とす。こんなにバッサリ切り捨てるという事は、本当にいないのだろう。
:11/10/23 14:02
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#40 [我輩は匿名である]
「私も彩ちゃんみたいに、恋したいなー♪」
「だから!違うってば!」
「なんでー?絶対好きなんだと思ってたのに」
美穂に意外そうに問いかけられ、彩は自分でも首をかしげる。
「んー…なんか…好きっていうか、幼馴染だし、どっちかというとお兄ちゃんみたいな感じしか…」
「えー?聞こえないよー」
聞こえていないのか、聞こえていない振りなのかわからないが、美穂は大げさに耳に手を当てて体を前傾させる。
「もういい!!」
本気で答えようとした自分が恥ずかしくなり、彩は声を荒げながら力いっぱいボールを投げた。
:11/10/23 14:03
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