2年A組
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#95 [我輩は匿名である]
誠の身長は173,2cm。利き腕も左。そこまでは鑑識によって提示された犯人の条件と合致している。
「…こいつのアリバイは?」
「『自宅で寝ていた』との事です」
「22時に就寝か。今のガキにしてはえらく健康的じゃねぇか」
土谷は鼻で笑う。
「次の事件の時も、『自宅にいた』そうです」
「へぇ。それほどあてにならないアリバイはねぇな?南里警視」
「そうですね」
:11/10/29 22:27
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:IXofk9bg
#96 [我輩は匿名である]
南里は少し笑う。
「それと…3つ目の事件。どう思われます?」
「あ?あぁ、ピストルでやられてたやつか?あれは右利きらしいな。さっき鑑識の奴から聞いた」
「えぇ」
「複数犯…だろうな。今回は今までみたいにナイフ使ってないところ見ると、気が小さい奴がやったんじゃねぇの」
「なぜそう思われます?」
「ナイフじゃ相手の死ぬ感触が手に残る。それに、何発も撃っといて大した場所に当たってなかった。ありゃ殺しに慣れた奴の手口じゃない」
:11/10/29 22:29
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:IXofk9bg
#97 [我輩は匿名である]
「最初の容疑者は、手慣れていると?」
「ま、そういうことになるわな。その内村ってガキがどんな奴なのかは知らんが」
「ごく普通の男の子でしたよ。ちょっと無愛想な真面目男子って感じの。まぁ…まだ外部の人間の可能性もありますし、先入観を持ちすぎるにはまだ早すぎますね」
「へっ、確かにな」
おどけたように笑う土谷を、南里は真剣な目で見つめる。
「…土谷警部。あなたにお願いがあります」
「あん?エリート警視がこんなしょぼいおっさんに何のお願いが?」
:11/10/29 22:29
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:IXofk9bg
#98 [我輩は匿名である]
「私と手を組んでいただきたいんです」
南里の思いもよらない申し出に、土谷は思わずきょとんとする。
「…何でまた?」
「私たちはこの近辺の事に詳しくありません。所轄と警視庁で手を組んだ方が、より動きやすく、容疑者に近づけると思うんです」
「…あんた、変わってるな。警視庁のお偉いさんは皆、所轄を馬鹿にしてる頑固おやじばっかだと思ってたのによ」
:11/10/29 22:30
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#99 [我輩は匿名である]
「…まぁ、そういう人間が多いのは事実ですが」
南里は残念そうに苦笑する。
「いいぜ!その話、乗ってやろう。どこまでもあんたの足になりますよ、お嬢さん」
「ふふっ、足だなんてやめてください。…では、改めてよろしくお願いします」
「こちらこそ」
2人は笑いあい、固く握手した。
:11/10/29 22:30
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:IXofk9bg
#100 [我輩は匿名である]
土曜日。彩はしとしとと雨が降る窓の外を見ながら、携帯電話を片手に話し込んでいた。
「私の所にも来たよ!」
電話からは、春香の元気な声が聞こえてくる。
「『あの日は何していましたか?』とか、そんなのしか聞かれなかったけど」
「やっぱり元2Aはみんな警察に呼ばれたんだね。…あの中に犯人がいるなんて思いたくないけど」
「っていうか、人殺せるような子いなかったよね」
「うーん…」
彩は頷きながら、窓の外の風景に目を止めた。
:11/11/04 16:21
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#101 [我輩は匿名である]
雨の中、傘をさして向かいのマンションから出てきた男性。
「うっちー…?」
ジャケットのポケットに手を入れ、どこかに出かけていく誠の姿を、彩はじっと目で追う。
「彩?内村君がどうかしたの?」
「え、ううん。どっか行くみたいだったからさ。…大丈夫かな」
周りでこのような事件が起きている中、1人で出かけるには危険すぎる。彩は不安そうに、離れていく誠の背中を見つめる。
「彩って、本当内村君好きだよね」
春香のその言葉に、彩は思わずきょとんとする。
:11/11/04 16:22
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:EdsrP/zo
#102 [我輩は匿名である]
「はぁ!?」
「だってそうじゃん。今もじーっと見てるんでしょ?内村君の事」
「みっ、見てないよ!」
「嘘。絶対見てたね、その慌てっぷり」
春香がからかうように笑う。
「内村君のどこがいいの?ほとんど笑わないし、『話しかけるな』ってオーラ出しまくりじゃない?」
「そうでもないよ?そんなオーラ出てるかなぁ」
彩は「うーん」と首をかしげる。
:11/11/04 16:22
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:EdsrP/zo
#103 [我輩は匿名である]
「女子はみんな怖いって言ってたよ?たまに『かっこいい』って言ってた子もいたけど」
春香の心の底からの疑問を聞きながら、彩は幼いころの事を思い出した。
:11/11/04 16:22
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:EdsrP/zo
#104 [我輩は匿名である]
「うっちー?」
まだ小学校低学年だった頃。あの日も今日のような雨だった。
学校の帰り道、一緒に帰っていた誠が、ふと足を止める。
その視線の先には、道路の端にぽつんとある黒い影。
誠は何も言わず、それに近づいていく。彩もまた、興味津々でついていく。
しかし、それが何なのかわかった時、彩はついてきたことを後悔した。
それは、車に轢かれたらしい子猫の死体だった。
「…かわいそう」
動かない子猫を見て、誠はぽつりとつぶやく。
:11/11/04 16:23
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