ぼくらのみかた
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#1 [輪廻◆j6ceQ96kak]
今あなたの目の前に立っている人物は味方と判断しますか?


それとも―


敵か味方か、判断できるのは自分しかいないのです―

――――――――――

†horror†を書いている輪廻です。
同時進行で更新していきます。

⏰:11/08/08 18:53 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#2 [輪廻◆j6ceQ96kak]
チャイムで目が覚めた。


教室内がざわめき始める。


どうやら退屈な授業が終わったようだ。


ひとときの夢を見ていたのにチャイムで現実へ引き戻されるとは俺もまだまだだな。


俺は高見 順一(たかみ じゅんいち)

高一の16才。


恋愛も勉強も興味なし。

この高校も偏差値が低かったからたまたま受かった。


恋愛に興味ない、消極的=草食系男子と世間は言う。


俺がその部類だろう。

⏰:11/08/08 19:06 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#3 [輪廻◆j6ceQ96kak]
草食系男子の反対である肉食系男子という言葉も存在するらしい。


最近、教室内では女子共がこれらの言葉をよく連発する。


『恋人にするなら草食系?肉食系?』

男を動物みたいに言わないでくれ、と言いたい所だが人間も立派な動物である事を理解している為、男子共は女子共に反発できない。


俺の学校では女子の方が圧倒的に多く、男子は不利になる状況もしばしあったりする。

⏰:11/08/08 19:15 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#4 [輪廻◆j6ceQ96kak]
その為、この学校では女子が優勢。


男子は気が弱そうな奴らばかり。


逆に女子は気が強く荒っぽいのが多い。


だからこの学校で結ばれたカップルなんて見た事がない。


ほとんどの女子は別の学校の男子と付き合ったり、前略プロフィールと呼ばれるサイトで知り合い結ばれたという情報が多数。


そこまでして恋人が欲しいのか、と俺はよく疑問に思う。

⏰:11/08/08 19:21 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#5 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『恋人は自分を支えてくれるパートナー』

ある女子がそう言っていた。


ますます理解できない。

支えてくれるパートナーなら友達だけで十分じゃないか?


前略プロフィールと呼ばれるサイトとかで恋人同士になったとしてもさんざん遊ばれてすぐ捨てられたりするだろ、というのが俺の考えだ。


女子には、アンタの考えが理解できないと言われてしまったが。

⏰:11/08/08 19:26 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#6 [輪廻◆j6ceQ96kak]
俺は運命的な出会いしか信じない。


例えば食パンを口に入れながら家を出る。


曲がり角で一人の男とぶつかる。


『大丈夫ですか?』

と手を差し伸べる男。


少女漫画などでよく見られるシチュエーションだ。


もっとも、そんな都合よい展開が何度もある訳ではない事は知っている。


でも俺はそういうのだけは嫌いじゃない。

⏰:11/08/08 19:30 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#7 [輪廻◆j6ceQ96kak]
手を差し伸べてきた男が、いわゆる草食系男子と呼ばれる奴だったら?


何の展開も期待できないだろう。


肉食系男子だとしても、見た目がチャラければ肉食系女子じゃない限りすぐに去っていくだろう。


草食系と肉食系の間は存在しないのだろうか?


と日々どうでもいい事を考えている次第だ。

⏰:11/08/08 19:36 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#8 [輪廻◆j6ceQ96kak]
休み時間だ。


いつものように大きな欠伸をしていると、友達の一人が俺の所にやってきた。


『よ。相変わらずのんびりした顔してんな』

お前に言われたくないと思った。

その言葉をそっくりそのままお返したい。


こいつも草食系だと俺は思っている。


俺と同じで彼女ができた事もないし、そういう意味では俺と気が合うのかもしれない。


少し悲しいが。

⏰:11/08/08 19:39 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#9 [輪廻◆j6ceQ96kak]
でも、俺を裏切るような言葉が奴から飛び出した。


『高見…お前だけには言っとくか。俺さ、彼女できたんだよね』


…は?

なんだこのいきなりすぎる展開は。


俺は苦笑いした。


『冗談はやめろよ』

思わずそう言ったけど、考えてみればこいつは嘘や冗談を言うような奴ではなかった。

⏰:11/08/08 19:43 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#10 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『いやマジで。前略プロフィールってあるだろ?』

…出た。


こいつは草食系と見せかけて、実は隠れた肉食系なのか?


俺は奴の顔をガン見した。


『な、なんだよ。信じてないならメール見てみるか?』

見たくはないけど、真意を知る為には見るを得なかった。


奴から見せられたメールには、その相手であろう女子からのアピール文章が書かれてあった。

⏰:11/08/08 19:47 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#11 [輪廻◆j6ceQ96kak]
なんだ。


こいつが女子を猛アピールしてたと思っていたらまさかの逆だった。


続いて別のメールを拝見。


『学校近いね あたしも彼氏いないので付き合っちゃいます?』

見知らぬ相手に単刀直入に付き合っちゃう?

…とかどうなんだろう。


ほとんどの男はそう言われて嬉しいだろうけど、俺は別だ。

⏰:11/08/08 19:51 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#12 [輪廻◆j6ceQ96kak]
それは草食系だからとか、肉食系だからとかいう問題じゃない。


それ以前の問題だ。


突然メールで付き合おうなんて言われても、まずその時点で疑うべきだ。


おそらく奴とその女子はまだ直接会った事はない。


前略プロフィールとやらで知り合って何回かメールをやりとりした程度だろうと予測できる。

⏰:11/08/08 20:01 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#13 [輪廻◆j6ceQ96kak]
たかが数回メールをやりとりしただけで、本当にお互いがわかり合えるのだろうか?


いや無理だろう。


メールの文章で人を作り変えるなんて事はたやすい。


最悪な話…女になりすました男、もしくは逆なんてものも存在するかもしれない。


それでさんざん男を釣ってそろそろか、という時に音信不通にする。


そしてそいつは携帯電話片手にあざ笑っている訳だ。

⏰:11/08/08 20:08 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#14 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『なあ、お前それでOKしたの?』

一応聞いてみたが、さっき彼女ができたと言ってたから聞くまでもなかったか。


『もち。まさか俺に彼女ができるなんて思ってもみなかったよ!』

やけに自慢気に話しているが、その場合到底いつか両親に紹介する時がくる。


その時、サイトでたまたま知り合いましたなんて言ったらお互いの両親はなんて思うだろう。

⏰:11/08/08 21:29 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#15 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『その子、何歳なの?』

気になるのは年だ。

同い年くらいの場合、その子の親は心配するぞきっと。


父親としては、可愛い娘をそう簡単には渡したくないだろうし。


もっとも、こいつとその子の父親の気が合えば話は別かもしれないが。


だがこいつは俺の知ってる限りじゃ目上の人には人見知りするタイプだと思う。

⏰:11/08/08 21:34 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#16 [輪廻◆j6ceQ96kak]
よって頑固な父親だった場合は、あたふたするのは確実。


すると自動的に別れさせられるという展開は俺にも予想できている。


『名前は茜ちゃんって言って、俺の二つ下』

…は?


ちょっと待て。

二つ下という事は、中学二年生?


何考えてるんだこいつは。


年下がタイプなんて聞いた事もない。


これにはさすがに呆れた俺は柄にもなく忠告した。

⏰:11/08/08 21:39 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#17 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『お前、それやめた方がいいんじゃない?』

しかし奴は聞く耳を持たなかった。

それどころか反発してきた。


『俺の勝手じゃん。お前にどうこう言われる筋合いないわ』

これには俺の堪忍袋の尾が切れた。


頭の血管がプチンと切れたのと同時に


『何かあっても知らねーからな!』

俺の出した大声に教室の皆の視線が集中した。

⏰:11/08/08 21:45 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#18 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『高見…なした?』


『大きな声出さないでよ!』


『うるさいんだけど!』

ほとんどの女子から罵声を浴びせられた俺は恥ずかしくなって教室を飛び出した。


穴があったら入りたいとはまさにこの事だろう。


気がついたらトイレの個室に入っていた。


休み時間終了まではあと五分くらいだろうか。


教室に戻りたくなくなった。

⏰:11/08/08 21:49 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#19 [輪廻◆j6ceQ96kak]
高校は義務教育ではない。


このまま次の授業をサボる事を決めた。



…しまった。


ポケットをまさぐるが、あれが出てこない。


そう、携帯電話が。

机の上に置きっぱなしだ。


取りに戻らないと誰かに見られてしまう。


別にやましい事はないのだが、携帯電話はなぜかいつも手元にないと落ち着かない。

⏰:11/08/08 21:54 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#20 [輪廻◆j6ceQ96kak]
せめて電源を切っておけばよかったと後悔しても遅かった。


俺はしぶしぶ教室に戻る事にした。


携帯電話を見られるくらいなら、女子からの罵声と冷ややかな視線の方がマシかもしれない。


戻ろうかと思った矢先に次の授業の始まりのチャイムが鳴り響いた。


俺は血相を変えて早足で教室へ入った。


あいにく先生はまだきていなかった。

⏰:11/08/08 22:00 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#21 [輪廻◆j6ceQ96kak]
席に着くと同時に隣の席の女が俺を見てきた。


『なんだよ?』

静まり返った教室内で俺は小声で聞く。


女は小さく笑って何も答えずに前を向いた。


首を傾げていると数学の先生がやってきた。


一見すると頑固そうな親父だが、意外にも子供好きで優しかったりする。


見た目とは違って声も地味に高い。


その外見から立派な亭主関白っぽいが、家では実際妻の方が強そうだ。


妻の言う事をなんでもハイハイ聞いているようなイメージ。

⏰:11/08/08 22:10 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#22 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『45ページ開いてぇ』

先生が背を向け黒板に問題を書き始める。


その一瞬を見計らって携帯電話をいじる奴が多い。


そして先生が前を向くと、とっさに隠す。


なんという早技だろうかと感心している俺がいる。


俺はどこででも寝れるタイプらしく、欠伸が一回でも出るとすぐにパタリと寝てしまう事が多い。


それが俺の長所でもあり短所でもあった。

⏰:11/08/08 22:16 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#23 [輪廻◆j6ceQ96kak]
前の授業で寝たせいか、眠気はなかった。


だからといって授業も真面目に受けようとも思わない。


つくづく駄目人間なのだ。


だから積極性に欠けてるとか言われるのかもしれない。


そうこう考えてる内に授業は着々と進み、終わりのチャイムが鳴った。


『ねえ』

机に突っ伏している俺に話しかけてきたのは、クラスでも気が強い女子のトップ5に入っている野村可奈恵。

⏰:11/08/08 22:39 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#24 [輪廻◆j6ceQ96kak]
そんな果てしなくどうでもランキングを誰が作ったのやら。


『彼女できたんだって?』

ニヤニヤしながら膝で俺の肩をツンツンして言った。


『は?』

俺は状況が全く掴めないでいた。


『久保から聞いたよ』

久保…俺が何をしたと言うんだ。


そんな身も蓋もない話をでっち上げやがって。


もしかしてさっきの恨みなのか?


俺はただ、友達として心配だからこそ忠告してやっただけなのに。

⏰:11/08/08 22:47 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#25 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『それ嘘だから』

とりあえず軽く言い放った。


でも野村はまだニヤニヤしている。


『隠さなくったっていいじゃん』

いや隠す以前に本当に彼女なんていませんから、とツッコミを入れたくなった。


さて、こうなった場合は非常に厄介だ。

⏰:11/08/08 22:54 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#26 [輪廻◆j6ceQ96kak]
久保を問い詰めるのは後回しだ。


今ここで問い詰めれば、奴の思うツボだ。


だからといって否定しても、恋愛話に目がない女子に通用するとも思えない。


言い訳した所でますます話が大きくなるだけだ。


ここは肯定も否定もせずにおとなしくしてるのがいいだろう。

⏰:11/08/08 23:05 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#27 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『どこの子?』


『何歳?』


『スミにおけないな!』

そう言って俺の周りに人が段々と群がってきた。


俺は終始無言で携帯電話をピコピコいじりながら質問を無視し続けた。


ふと久保の席を見ると、奴と目が合った。


その表情は…笑っていた。


まるで、ざまあみろと言わんばかりの嫌な笑み。

⏰:11/08/08 23:12 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#28 [輪廻◆j6ceQ96kak]
>>24 訂正

膝 ×
肘 〇
――――――――――


その時は目を反らすしか選択肢はなかった。


質問攻めは続く。


『ねえ何歳さ』


『高見くんって意外と肉食系…』


まずい。

このままでは違ったイメージを植え付けられてしまう。


何か打開策はないだろうか。

⏰:11/08/08 23:24 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#29 [輪廻◆j6ceQ96kak]
威張って言うほどの事ではないが、俺は友達がこれといって多い訳ではなく、いるとしてもクラスが違うのでフォローしてくれる人はこのクラスにはまずいないだろう。


友達だと思ってた奴にも、こうもあっさりとやられたわけで。


奴は嘘を言うような性格ではないと思っていたが、今日の事でその考えは撤回する。


『今度紹介してね』


『おめでとう!』

中にはいいコメントをしてくれる奴もいた。


しかし何度も言うが、彼女はできていない。

⏰:11/08/08 23:54 📱:T004 🆔:jFWiLo7I


#30 [輪廻◆j6ceQ96kak]
ピンチはチャンスという言葉がある。


この場合、それを利用してみてはどうだろう。


つまり、あまり気は進まないが彼女ができたという事にしておく。


変に反論すると、更にややこしくなる。


奴は俺が必死に反論している情けない姿をどうしても見たいはずだ。


ここは冷静に…。


流れに身を任せてみようではないか。

⏰:11/08/09 00:02 📱:T004 🆔:2k340WRo


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