ぼくらのみかた
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#31 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『どこで知り合ったの?』

女子が出したこの質問に俺は初めて答えた。


『前略プロフィール…』

そうポツリと言うと、拍手喝采が巻き起こった。


その中でどさくさに紛れて久保の方をチラ見した。


奴は…少し悔しそうな表情をしていた。


『勝った…』

そう思った。


俺の考えが正しければ、この後久保の奴は彼女ができたのは実は俺だった…なんて弁解するだろう。


それで俺のイメージは元に戻る。

⏰:11/08/09 00:18 📱:T004 🆔:2k340WRo


#32 [輪廻◆j6ceQ96kak]
俺にとっても奴にとっても得する話だ。俺の考えに狂いはない。


しかし俺が甘かった。


奴は…俺が不利になる状況を作り出す、まるで悪魔のような奴だったんだ―



〜prologue END〜

⏰:11/08/09 00:22 📱:T004 🆔:2k340WRo


#33 [輪廻◆j6ceQ96kak]
■episode1■
『昨日の味方は明日の敵』



久保の奴が俺をハメてから一週間が過ぎた。


あれから奴とは口を聞いてない。


目も合わせない。


例の彼女とはどうなっているのか気になってはいたが、意地でも聞く事はなかった。


『よお、彼女とはどう?』

今まであまり話した事がなかった奴が、俺が彼女ができたとなってから、まるで手の平を返したように話しかけてくるようになった。

⏰:11/08/09 00:33 📱:T004 🆔:2k340WRo


#34 [輪廻◆j6ceQ96kak]
こういう時だけ都合がいいなと思いつつも適当に答えた。


『普通かな』


『なんだよそれ。キスとかしてないの?』

…キス?

俺にとって縁がない言葉が出たものだ。


『してないよ。まだ会った事ないし』


『あ、そっか。前略で知り合ったんだもんな。でさ、ぶっちゃけどっちから告ったの?』

よくもまあ次から次へと質問が浮かんでくるものだ。

⏰:11/08/09 00:39 📱:T004 🆔:2k340WRo


#35 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『ん〜覚えてないわ』


『なんだよつれないな…。あ、そうそう、違うクラスでも噂になってるよ』

んな大げさな。


草食系男子の俺に彼女ができたなんて確かに驚きだろうけど。


奴も俺が有名になりつつあるからさぞ悔しいだろうし、これはこれでよしとしておこう。


元はと言えばあいつ自身がまいた種だからな。


今更謝られても許す気はさらさらない。

⏰:11/08/09 01:03 📱:T004 🆔:2k340WRo


#36 [輪廻◆j6ceQ96kak]
まさに昨日の味方は明日の敵といった所だろう。


それから何事もなく平和な毎日が続いていった。


二年になったらクラス替えがあるので早く進級して奴と別のクラスになりたいと早くも思っていた。


それかもう一つの選択肢。

そう…留年だ。


俺にとってテストで赤点取るのは造作もない事だ。


やろうと思えばできる。


しかし…少し恥な気もする。

⏰:11/08/09 01:10 📱:T004 🆔:2k340WRo


#37 [輪廻◆j6ceQ96kak]
ここはあえてやめておこう。


奴とクラスが別れるまでは留年する訳にはいかない。


学校を辞める気もない。


これは一種の真剣勝負だ。


逃げない。


負けられない。


様々な気持ちを胸に、俺は心の中で久保の奴に宣戦布告をした。

⏰:11/08/09 01:15 📱:T004 🆔:2k340WRo


#38 [輪廻◆j6ceQ96kak]
翌日、俺が教室に入ると黒板の周りに人が集まっていた。


その中の一人の女子が俺に気がついて、駆け寄ってきた。


『高見くん…あれホント?』

俺は何が起こっているのかわからずポカーンと口を開けていた。


口を開いたまま黒板の方へ向かう。


人だかりが黒板から離れていき、チョークで書かれた文字が目に入った。

⏰:11/08/09 01:21 📱:T004 🆔:2k340WRo


#39 [輪廻◆j6ceQ96kak]
それを見て開いた口が更に開いて、危うく顎が外れそうになった。


『高見順一 初カノは年下の中学生!?』

…とピンク色のチョークで大きく大々的に書かれているではないか。


それを見て、すぐこれを書いた犯人が久保である事がわかった。


あいつまたしても…。


久保の席を見る。


奴は満面の笑みを浮かべて俺を見ていた。

⏰:11/08/09 01:29 📱:T004 🆔:2k340WRo


#40 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『高見、ホントなの?』


『本当だったらすごい』


『でも恋愛に年なんて関係ないよ〜』

俺をフォローするような言葉も飛び交う。


俺はそういう言葉を聞いたからか、取り乱す事もなく冷静でいられた。


奴はまた俺の情けない姿を見れるとでも思っていたのだろうが、そうはいかない。


この勝負、また俺の勝ちのようだ。


策士、策に溺れるとは言うが、この場合は策士、策に外れるというべきだろう。

⏰:11/08/09 01:36 📱:T004 🆔:2k340WRo


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