漆黒の夜に君と。V[BL]
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#230 [ちか]
慌てたように俺とあの男を交互に見る優里。


この顔、マジでむかつく。

その顔したいのは俺だっつーの!!

苛立つ感情が沸々と沸き始め、頭を支配していく。

蚊のような声で名前を何度も呼ばれ、鬱陶しさは頂点に達した。

「黙って引っ張られてろ。」

痺れを切らしたようにそう言うと優里すっかり黙りこんで俯いてしまった。

しかしそんなこと気にする義理はない。


そのままぐいぐいと引っ張っていき、

「ここ…」

結局着いたのは、

「研究室だ。悪いか。」

俺のハコ。

⏰:11/10/23 21:51 📱:Android 🆔:mS2WTstg


#231 [ちか]
「突っ立ってないで座れよ。」

出来る限り苛立った感情を抑えることを心掛け、ソファに座った。

だけど優里はドアの前から動こうとしない。

俺はノロい奴が嫌いだ。

「…………ん……よ」

メソメソした奴も嫌いだ。

「あ?」

でも

「なんで…ッ、助けたんだよ?!」

バカな奴が一番嫌いだ。

⏰:11/10/23 21:57 📱:Android 🆔:mS2WTstg


#232 [ちか]
「お前が“助けて”っつったからだろうがっ!!!」

頭に血が上り、怒気の混ざった声が部屋中に響いた。
勢いで立ち上がったせいかソファには沈みきらない俺の跡が残る。

優里はいきなり怒鳴られて驚いたのか、口をパクパクさせている。

「それともなんだ、アレは“そういうプレイ”かなんかか?!」

俺の問い詰めるような怒声に、優里は勢いよく顔を横に振った。
その目は今にも泣きそうだ。

⏰:11/10/23 22:05 📱:Android 🆔:mS2WTstg


#233 [ちか]
溜め息と共に頭を掻いた。

いくらなんでも怒鳴りすぎたか。
大人気なかったかもしれない。

俺はもう一度自分の腰をソファに沈め直し、その隣を叩いた。

「いいから、こっち来て座…」

座れよ、そう言い終わる前に優里はそれを遮った。

「昨日は触んなって言ったくせに…。」

呟くようにそう言って、自分の右腕を擦る。

⏰:11/10/23 23:46 📱:Android 🆔:mS2WTstg


#234 [ちか]
昨日の一件がその一言でフラッシュバックする。

確かにあの時俺は触るなと言った。

それは俺だって気にしていた。
まさか自分がこんなガキ相手に感情むき出しになるなんて思わなかったから。

しかし改めてそれを衝かれると、大人ぶってしまう。
自尊心とは時に厄介なモノになるのだ。


「まだそんなこと気にしてたのかよ。」

俺は呆れた目でそう呟く。

そうすればどうせコイツのことだから、また怒ってわめき散らしてくるに決まって…

「なっ…?!」

⏰:11/10/24 00:11 📱:Android 🆔:fZOUU5Pc


#235 [ちか]
「気にして悪いかよ…っ」

怒鳴り散らすに決まっている。
そう踏んでの言葉だったのに、コイツ…

「あんたは何気無く言ったことだったかも知れないけど…っ」

なんで、

「俺はずっと気になってたんだよッ…!」

なんで泣き出すんだよ…――

「それが悪いことかよ…っ!?」

⏰:11/10/24 00:23 📱:Android 🆔:fZOUU5Pc


#236 [ちか]
力無くそう言い返してくる顔の両頬には幾つもの水滴が流れ落ちていく。

そんな顔するな。
やめろ。

胸の奥がまた揺さぶれるような感覚になる。
だから嫌なのに。

コイツに関わると、

俺のペースが乱れていく。

⏰:11/10/24 00:28 📱:Android 🆔:fZOUU5Pc


#237 [ちか]
気づけば不器用な手つきで優里の頭を撫でている自分が居た。

こんなのは俺らしくない。
感情で動くなんてそんなのは俺らしくないはずなのだが。

「ヒック…グス…ッ、ど、同情か?グスッ…んなもん、いら…ね…ぇっ…」

こんな泣き顔見せられると、


「お前さあ、そのひねくれた物言いなんとかならないのか?」

何かが切れたように

「う…るさっ…い…ふ…ッんン?!?!」

歯止めが利かなくなる。

⏰:11/10/24 00:35 📱:Android 🆔:fZOUU5Pc


#238 [ちか]
銀色がギラギラと光って厭らしい。
その絡まりを見ていると感情は昂り、後頭部を押さえてより深い刺激を求めた。

一瞬、目の前がそれだけになる。

夢中になるとはまさにこういうことを言うのだろうか。

何もかもがソレに奪われ、機能していなかったが

「あ…ッふ…んぅ、か……ん…ざき…っ」


苦しげに名前を呼ばれ背中に爪をたてられたその感覚で我に返った。

⏰:11/10/24 08:21 📱:Android 🆔:fZOUU5Pc


#239 [ちか]
濃厚だったソレとは対称的に、我に返った俺は引き剥がすように慌てて唇を離した。


何してるんだ、俺は…っ!!!


そう叱咤せずにはいられない。

マズイ。
乱れる。
コイツを見てると冷静でいられなくなる。

焦燥感に頭を占拠され、咄嗟に出た言葉は謝罪の言葉だった。

「わ、悪い…」

⏰:11/10/24 08:36 📱:Android 🆔:fZOUU5Pc


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