漆黒の夜に君と。V[BL]
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#48 [ちか]
まわされた車に飛び乗るようにして乗り、そのドアを松山が閉める。

その前に、

「…ありがとう。」


礼ぐらいは
言っておいてやろう。


「いえ。」

雪の中に松山の控えめな笑みは良く似合った。
……………―――――
………――――
……―――

⏰:11/10/12 01:21 📱:Android 🆔:5fifT23Y


#49 [ちか]
― 冥side. ―

再び目を覚ましたのは、今年が残すところ一時間となった頃。



「もうこんな時間か〜…」


なんかもったいないことしちゃったな。

せっかく今年最後だって言うのに…

⏰:11/10/12 15:55 📱:Android 🆔:5fifT23Y


#50 [ちか]
せっかく?

自分で思っておきながら、思わず笑ってしまった。


「いっつも一人じゃん、俺…」


そりゃ昔は透ん家で年越してたけどさ、
自分が家族の一員になった気分で越した年なんかなかった。

なんて言ったら、透は怒るかな。

⏰:11/10/12 16:00 📱:Android 🆔:5fifT23Y


#51 [ちか]
今さら独りが寂しいなんて、
俺いつから贅沢になったんだろう。


苦笑を漏らして、
時計に目をやる。

いつの間にか今年はもう十分しか残っていない。


「カウントダウンでもするか。」

そう呟いて、時計を眺めた。

⏰:11/10/12 16:06 📱:Android 🆔:5fifT23Y


#52 [ちか]
― 恭弥side. ―

「まだ着かない?」

「あと五分と少しでございます。」

チラリと時計に目をやる。


今年も残すところ十分。

心は急ぐばかりだが、車はそれに比例しない。

⏰:11/10/12 16:09 📱:Android 🆔:5fifT23Y


#53 [ちか]
ふと思い付くように、僕は松山を見た。


「…それにしても、お前は僕にあんなこと言って良かったの?」

「あんなこと?」

「冥が我慢してるって。」


きっと松山は解っていてあの時あんなことを言ったんだ。

僕が気づいてるようで気づけていなかったことを暗示するように。

⏰:11/10/12 16:19 📱:Android 🆔:5fifT23Y


#54 [ちか]
しかし松山は眉を八の字にして笑った。

「私はただ冥が恭弥様に似ておられると申しただけですよ。」

しらを切るつもりか。
まぁ、それもいいだろう。


「…まぁ、後始末は少し面倒ですが。」


「そんな発言、父が聞いたらきっとクビだぞ。」

いつも完璧に仕事をこなす世話係りの思わぬ本音がおかしくて、つい笑いが零れた。

そんな僕を見て、
「たまにはお許しください。今年最後の本音です。」
なんて言ったあと、つられたように笑った。

「今日だけは大目に見てやるよ。」

⏰:11/10/12 16:28 📱:Android 🆔:5fifT23Y


#55 [ちか]
時計の針は容赦なく時間を削っていく。

秒針の音が身体に伝わってくるほど、僕の神経はそこに集中していた。


早く


早く


早く…―――

⏰:11/10/12 16:30 📱:Android 🆔:5fifT23Y


#56 [ちか]
そして、
針が重なるまで残り一分のところで車が停まった。


ドアが開くのなんて待ってられない。


車を飛び出して、
迷わず冥の部屋に向かって走り出した。

⏰:11/10/12 16:32 📱:Android 🆔:5fifT23Y


#57 [ちか]
いくつもの角を曲がり、階段を登る。

そしてまた角を曲がる。


こんな切羽詰まっている時ばかり、家(ウチ)のだだっ広さを思い知らされる。


こんなところに一人にしていたなんて。

気づいてやれなかった悔しさから思わず唇を噛んだ。

⏰:11/10/12 16:35 📱:Android 🆔:5fifT23Y


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