漆黒の夜に君と。V[BL]
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#72 [ちか]
「か、神楽さん、あの人たぶん神楽さんのこと探してますよ」
恭弥に夢中になっていた神楽さんは長い栗色の髪を靡かせ振り向く。
「あら、本当…。残念ですが、恭くん、私もう行きますね。」
名残惜しそうに神楽さんはその腕の締め付けを強めた。
恭弥も最後だからと必死で笑顔を作る。
「そ、そうだね。残念だけど、早く行った方が良いんじゃない?」
どう見ても不自然だけど。
そんな恭弥に特に気づく様子もなく、神楽さんはペコリと頭を下げてから去っていった。
隣でため息が漏れる。
「おつかれ。」
あまりにも疲れ果てた顔を見ていたら、思わずそんな言葉が零れた。
:11/10/13 08:29
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#73 [ちか]
そうしているうちにも長蛇の列はゆっくりと動いている。
もうすぐ賽銭箱が見えてきそうだ。
「まだかなー。」
待ちくたびれた俺はそう言って前の方を覗き混んだ。
すると、目の前から見覚えのある二人組が歩いてくる。
あれは、
「凌さんとめぐさん!」
顔がはっきりと認識できた途端、思わず大声をあげてしまった。
:11/10/13 10:48
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#74 [ちか]
その声が向こうにもしっかりと届いたようで、二人と目があった。
「冥ちゃんにきょんやん!何してんのー?」
かけよって大きな目をパチパチさせるめぐさん。
「何って初詣に来てるんだから見たら分かるだろ。」
それとは対象に相変わらず冷めた碧眼をめぐさんに向ける凌さん。
凌さんの言葉にめぐさんは少し膨れたが、それ以上つっかかることもない。
そこらへんが最近雰囲気が柔らかいと思う理由の1つでもある。
:11/10/13 11:44
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#75 [ちか]
「俺たちもちょうど今お詣りしてきたとこ。」
そう言って凌さんは手前の方を指差した。
重ねて、めぐさんが思い出したように言う。
「あ、そう言えばさっき神楽にも会ったわー!」
「あ、俺たちもさっき会いました」
返事をしたあと、チラリと横目で恭弥を見るとこれまた思い出したかのように嫌な顔をしていた。
それにしても…
「最近めぐさんと凌さんよく一緒に居ますよねー、なんかあったんですか?」
前から少し気になっていたことをおもむろに聞いてみる。
:11/10/13 18:58
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#76 [ちか]
「え…」
何の気なしに聞いただけのつもりだったが、地雷を踏んだようだ。
一瞬、時間が止まったような気分になる。
「あ…、えっとその、なんか俺マズイこと…」
俺が慌てて謝ろうとした時、
ふいに凌さんがめぐるさんを顎を軽く上げた。
そして、
「こういうこと。」
.
:11/10/13 19:09
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#77 [ちか]
「……え、ええぇえぇぇ?!?!?」
一瞬重なった唇。
それを目の当たりにして思わず驚嘆の声をあげた。
めぐるさんはみるみる赤くなっていく。
驚きすぎて言葉も出ない俺を見て、恭弥は笑っている。
コイツは知ってたのか。
そんな俺を差し置いて、めぐさんは怒鳴った。
「ななな、なんもいきなりせんでええやろ?!///」
「いちいちしますよ、つってキスするのか?中学生かお前は。」
そして再び始まる口喧嘩。
:11/10/13 19:15
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#78 [ちか]
しかし、
今までは見てて不安にしか思えなかった口喧嘩も、こうカミングアウトされてしまうと、なんだか微笑ましく見えてきた。
にやけ顔でその様子を見ていると、凌さんがこっちを見た。
にやけ顔を隠そうと思わず片手で口元を覆う。
「じゃ、俺たちもう帰るから。」
「ちょ、まだ話終わってへんやろ!!」
「はいはい、俺が悪かった。」
「それがむかつく言うてんねん!!」
そんなエンドレスな会話をしながら、二人は遠ざかっていく。
:11/10/13 19:46
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#79 [ちか]
「年始早々騒がしい奴らだね。」
恭弥がそう言って呆れ半分で笑う。
つられて俺も自然と笑った。
「でも、まさかこんないろんな人に会えると思わなかった!」
「たしかに。みんなも正月=初詣、甘酒ってわけか。」
「それは関係ないと思うけど…」
相変わらずの天然ボケに軽くツッコミを入れてるうちに、漸く賽銭箱が目の前に来た。
:11/10/13 19:57
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#80 [ちか]
「こうやって、小銭投げて願い事すんの。」
「ふーん。」
チャリンと小銭が跳ねて、
賽銭箱に入っていく。
隣同士に並んで両手を叩いた。
そして目を瞑り、願い事。
…―願い事。
:11/10/13 20:02
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#81 [ちか]
暫くして顔を上げた。
恭弥も続いて顔を上げる。
目が合って少し照れくさくなった。
すぐにそらして、来た道に足を戻す。
少し歩いたところでふいに恭弥が口を開いた。
「そう言えば冥、なんてお願いしたの?」
「ほえ?!///」
やべ、変な声出しちゃった。
:11/10/13 20:08
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