漆黒の夜に君と。V[BL]
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#105 [ちか]
目が覚めると、見覚えのある天井があった。
隣には…――
「あ、起きた!もう、いい加減にしてください!!」
いつもの外人看護婦。
:11/10/14 19:42
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#106 [ちか]
「そりゃそうか。」
何を考えてたんだ、俺。
思わず乾いた笑いが零れた。
「なんですか?!ちゃんと話聞いて…っ」
「聞いてる、聞いてる。」
適当に相づちを打ったが、看護婦は納得できない様子でまだ怒っている。
それにしても、
隣にそいつが居たからってどうするつもりだったのか。
何に一瞬期待したのか。
その時はさっぱり分からなかった。
:11/10/14 19:49
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#107 [ちか]
だけど、
「そう言えば…」
看護婦の言ったその一言は
「さっき君を運んできてくれた方、」
俺の心臓をドクンと跳ねさせた。
「病院(ウチ)に日本から研究で来たお医者さんみたいで今、隣の病棟に…って、ちょっと!!!!」
そして最後まで聞くまでに走り出していた。
:11/10/14 20:08
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#108 [ちか]
もう看護婦の制止なんて聞こえなかった。
ただ長い廊下を走って、
走って
走って。
息が切れそうになった頃、
「居た…。」
やっと見つけたそいつの姿を見た瞬間、分かったんだ。
これは恋だって。
:11/10/14 20:17
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#109 [ちか]
だから
「だからこれは恋なんだ。」
それから毎日毎日こうやって、
気持ちを伝えに来ている。
なのになんでこの男はそれを、
「安心しろそれは恋じゃない、それは気のせいだ。」
はぐらかすんだ。
:11/10/14 20:38
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#110 [ちか]
― 陽平side. ―
ヒトメボレ…。
まさかこの歳になって、
そんな言葉を聞かされるとは。
「安心しろそれは恋じゃない、気のせいだ。」
はやく正気に戻してやらないと。
:11/10/14 20:49
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#111 [ちか]
しかし俺のそんな努力はむなしく、さらにこいつの神経を逆なでするだけだったようだ。
「だから違うっつってんだろーが!!!何回言ったら分かんだよ、このバカ医者!」
それが好きな相手に言う言葉なのか。
思わず顔がひきつりそうになる。
まったく、この手のタイプは正直かなり苦手だ。
「いいからとっとと帰れ。俺は研究の続きがしたいんだ。」
できれば極力関わりたくない。
:11/10/14 20:55
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#112 [ちか]
「だから返事くれるまで帰らないって…」
押し問答になりかけていたその時、研究室のドアが開いた。
「すいません、うちの患者がまた来てしまって!」
助かった。
ちょうど看護婦のお迎えだ。
溜め息が安堵の息に変わる。
:11/10/14 21:02
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#113 [ちか]
「いやだ、離せよ!!」
「いいから来なさい!!」
そんな会話と共に、嵐のようなソレは去っていった。
再びドアがバタンと閉まる。
「…はぁ。」
あれが理由なら、助けなければ良かった。
そう思うのは医者として最低だろうか。
そんなことを思いながら、
煙草に火をつけた。
:11/10/14 22:25
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#114 [ちか]
肺に煙が入ってくる感覚が、
心地良い。
もう一度吸い、そして吐く。
濁った白煙が浮かんで消えた。
暫くソレを味わったあと、
散らかった机の上からおもむろに一枚の紙を取り出した。
“離婚届”
そう記されたその紙には、すでに片方の枠に名前が記入されている。
「俺はもう誰も好きになれないんだよ。」
その紙を眺めて、独り言のように呟いた。
………――――――
……―――――
…―――
:11/10/14 23:26
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